08:実は魔法使いだった!?
「結果は陽性。つまり、魔法適性がある……らしいな。お前に魔法使いの素質があるなんて思っちゃいなかったが、クリーガァもあながち節穴じゃねえってことか」
カレジャスから告げられたのは、なんと合格という内容だった。
深くはわかっていないのに、そう聞くと嬉しくなってダームは飛び跳ねずにはいられない。
普段ならメイドに怒られてしまうが、今は誰も注意してくれる者はいない。気楽なものである。
それはさておき。
「やりましたねダーム殿!」
「当然だろう! カレジャスくんもやっと私の澄んだ観察眼を認めてくれたか! ダーム嬢、おめでとう!」
メンヒとクリーガァからも祝いの言葉をもらい、カレジャスからも間違いなく認められた。
つまりダームは、今まで意識していなかったが、魔法使いだったというわけだ。
「じゃあ早速魔法を使ってみたいな」
ツインの金髪を揺らし、そう茶色の瞳を輝かせるダーム。けれど、メンヒは首を振った。
「残念ながら、魔法は一朝一夕にはできないのですよダーム殿。まず、習得しなければならないのです」
「魔法覚えるんなら、この国の東端の街にいるって噂の大魔術師がいるって聞いたことあるぜ。俺も一目見てみたかったんだ。ちょうどいい、そいつに会いに行こうぜ」
「大魔術師マーゴか! 話を聞いてみるのは良案だな!」
満場一致で、その魔術師とやらの元へ行くことが決定した。
「これで借りを返せるかもだね!」
その日はテントでぐっすり眠り、明日に備えることに。
そして翌朝、ダームは勇者パーティーと一緒に東へ向けて徒歩で旅立ったのだった。