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79/100

79:全てが終わった場所で

「……やったぜ」


 カレジャスがそう言うと同時に、魔王の体が崩れ出す。

 強固な胴体も、太い手足もボロボロと崩壊し、消えていく。後には何も残らなかった。


「消失してしまうとは……意外だな!」


 クリーガァは驚いている様子。

 でもダームはそんなことどうでもよかった。


「終わったんだね」


 戦いが、今、終わった。

 非常に呆気ないようにも思えたが、とてもとても長かったようにも感じられる。

 安堵に目が潤んだ。


「皆さん、ご無事で何よりです」


「僧侶くん。ありがとう、祈っててくれたおかげであたしたち勝てたよ」


「いえいえ、ダーム殿やカレジャス殿、クリーガァ殿の奮闘あってのことですよ」


 そんなことを言い合いながら、皆で無事を喜ぶ。


 しかし物語はこれで終了ではないようだ。


「とりあえず帝城に戻り、魔王の打倒を伝えなければならない! そして褒美をもらおうではないか!」


「えっ、ご褒美?」


 ダームの胸が高鳴る。そういえば帝国の城へ行ったことがないのを思い出した。

 どんなところなのだろう? 途端にワクワクが止まらなくなった。


「そうだな。それじゃ、そろそろ戻るとするか。こんな悪魔臭い場所に長居しても仕方ねえ」


「そうですね。まず、魔王城を脱出しましょう」



* * * * * * * * * * * * * * *



 大穴を風の魔法で飛び上がり、一行は難なく地上へ帰ることができた。

 逆に魔法がなければどうやって戻るつもりだったのだろう? と勇者への疑問は尽きないが、それは置いておく。


 向かうは帝国の帝城。

 馬車は大穴に背を向け、静かに走り出した。


 次から最終章です。

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