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61:勇者復活、平気な顔にムカつくんだが

「やったー!」


 剣を無事に始末できた三人は歓喜した。特にダームは大喜びだ。


「僧侶くんのおかげだよ! 僧侶くんがいなかったら、勇者様を踏みつけにする機会を持てなかったもん!」


「雑な戦い方になってしまいましたが、無事に勝利できて何よりですね」


「今回は本気でやばかった! だが、皆の奮闘あってこそ勝てた! それにしてもカレジャスくんの強さを改めて知ったな!」


「そうだね」と笑っていると、突然、呻き声が聞こえてきた。……カレジャスだ。


「勇者様、大丈夫?」


 駆け寄ってみると、彼はすぐさま目を覚ました。


「あ? あれ、ここ……?」


 寝ぼけているらしいカレジャスを見下ろしたダームは、躊躇いなくその細い脚を彼に叩き込んだ。「えいやっ」


「痛ぇ! な、何しやがんだこの女!」


「いつまでもグースカ寝てるからでしょ! ほんと勇者様は楽でいいよね」


「なんだその口の利き方。ってか、伝説の剣はどうしたよ?」


 全く何も覚えていないらしい。ダームは「はぁ」と溜息を漏らす。

 そんな彼女の代わりに、メンヒが一部始終を説明してくれた。


「へえ。そんなことがあったのか。悪い」


「悪い、じゃないよ。何平気な顔してるの。こっちがどれだけ死にかけたと思う? 僧侶くんがいなきゃ全滅してたんだよ?」


 平気な顔でいる勇者に、この時ばかりは少し苛立った。

 怖い顔をグッと近づけてやると、彼は「俺のせいじゃないだろうが!」とか言ってくるが、どう考えても彼のせいなのでダームは一才の擁護をしない。

 惚れた男でも、許せないことだってあるだろう。惚れてない男なら今すぐ殴りかかりたいくらい。


「……と、沸騰しすぎたね。ごめん。何はともあれ勇者様が復活して良かった良かった」


 直後、カレジャスの顔に平手打ちをお見舞いしてやった。

 何ごとかと驚く彼に「お返しだよ。これだけで許してあげるんだから、いいでしょ?」と悪戯っぽく笑って魔法使いの少女は歩き出す。


「なんだよそれ。クソ痛えな、おい」


 勇者の言葉は完全無視。


 そして、銀髪美女エペの目の前で立ち止まった。


「守り人さん。これで三つの試練は全部終わったんだよね?」


 ふぅ、と長い息を吐きながら、エペが頷く。「ああ、そうだ」


「じゃあ伝説の剣はどこにあるのか教えて」


 背後で待つ三人が、こちらを見つめているのがわかった。


 いつの間にか三つ目の試練の時の金色の剣が見当たらなくなっている。一体どこに隠したのかと思ったが……。


 エペは、今まで見せなかった柔らかい微笑みを浮かべると、言った。


「本物の剣。そのありかを今教えよう。それは、貴様らの目の前にある」


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