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39:『復讐大作戦』

「ケジメ、ですか……」


「そう。でもいい方法が思い浮かばなくて」


 大まかに話し終えると、メンヒは「うーん」と唸った。


「どうしたらいい?」


 不安ながらに彼を見つめる。

 いい案を思いついてくれるだろうか。頭のいい彼といえ、この難問にはさすがに答えを出せないのでは――。


 しかしそんなダームの考えは、すぐに打ち砕かれた。


「では、報復を行うのはどうでしょうか」


「報復?」


「そうです」頷いて、メンヒは話し出す。


「復讐とも言えるでしょう。ダーム殿は冤罪を着せられ、被害を被った。ならばそれ相応の報復を行なっても問題ないはずです」


「でもどうやって?」


「決まっています。ダーム殿を陥れた証拠、それがどこかにあるはず。それを公にすればいいわけです」


 確かに、とダームは大きく頷いた。

 ダームに冤罪を着せたことが知られれば、いくら王子とはいえ信用を地に落とすだろう。それでちょうどおあいこという寸法なわけだ。


「やっぱり僧侶くんはすごいね! 恐れ入っちゃうよ」


「いえいえ」少し照れているのか頬を赤らめ、僧侶は続ける。


「カレジャス殿のお話によると、明日の夕刻まではこの城に滞在させて頂くとのこと。つまり明日のうちに証拠を探し出し、突きつけるのです。題して、『復讐大作戦』というわけですね」


 善には褒美を、悪には罰を。

 メンヒの言っていることはまさしくそういうことだ。ダームはそれに大賛成だった。


「いいね、『復讐大作戦』。王子様をギャフンと言わせるにはちょうどいいよ。あたしの思い、今度こそしっかり聞いてもらわなくちゃ」


 それから、ダームとメンヒは二人で『復讐大作戦』について話し合った。

 そのうちに夜も更けてきて、遅いからまた明日ということになったのだが。


「あっ、そうだ。僧侶くん、最後に一つだけ、いいかな?」


「なんですか?」


 自室に戻ろうとしていた僧侶が首だけでこちらを振り返った。

 ダームは彼に一言だけ、


「ありがとう。……あたし、僧侶くんのこと大好きだから」


 メンヒの黒瞳が見開かれる。

 何を思ったのだろうか、それはわからないが、彼は無言で手を振り自室へ帰って行った。


「さて。もうしばらく夜風と戯れてから寝るとしますか」


 そう言いながら魔法使いの少女は、そっと空を見上げる。


 暗黒の空には数え切れないほどたくさんの星々が煌めいていた。そしてその一つ、金色に輝く星へ願う。


「明日、絶対成功させるから。だからあたしに力をちょうだい」



朝に投稿したと思っていたのですがうまくいっていなかったのかして投稿されていませんでした。ので、割り込み投稿いたします。

申し訳ありません。

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