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11:勇者パーティー仲間入り

「合格したよ〜」


 笑顔で報告したダームに、一同はそれぞれの反応を示した。


 メンヒは、「おめでとうございます」と手を叩き、クリーガァは大褒めする。「やったな! さすが私の認めた魔法使い候補だ!」


 そして肝心要の勇者様は大きく頷いて、言った。


「そうか。認められたか。……で、どうするんだ? この街で留まり続けるってのも一つの手なんだが……」


「何言ってるの勇者様。あたし、勇者様に恩返ししなきゃなんだから。戦士さんと僧侶くんにもたくさん良くしてもらったし。だからお願い、パーティーに混ぜて!」


 金髪ツインテールを跳ねさせ、ピンと姿勢を正した。

 じっとカレジャスの方を見据える。他二人もしばらく不安げに眺めていたが――。


「わかったわかった。まあそう言うとは思ってたけどな」


 仕方ないと笑みを漏らし、カレジャスは意外にあっさりと認めてくれたのだ。

「これで貸し借りはなし。いいな?」とまで付け足してくれた。


「もちろん! ありがとう勇者様。みんなよろしくね」


 異論を唱える者はない。

 こうして、元公爵令嬢――改め、新人魔法使いダームは、晴れて勇者メンバーに仲間入りを果たしたのである。



* * * * * * * * * * * * * * *



 それからまもなく、四人は魔術師の屋敷を旅立つことになった。


 持たされたものは多くない。旅に必須な食材等々がちょこっとと、あと世界地図である。


「きっとこれも役に立つわ。……私は無事を祈っているからね」


 マーゴはそう微笑み、ダームたちに手を振る。


「魔術師さん、ありがとう!」


 ダームも思い切り叫びながら、手を振り返した。


 魔術の街、マジーアともそろそろお別れの時間が近づいている。

 街のあちらこちらで魔法が飛び交うこの光景に、ダームはいつしか慣れてしまっていた。少し離れるのが寂しいような気もする。


 しかしそんな感慨を捨てて、ダームは覚悟を決めた。


「だってあたしは勇者ご一行の魔法使い。勇者様を助けて生きるのがあたしの宿命!」


「一人で何言ってんだか。おーい、こっちこいよ」


 勇者に呼ばれてダームは「はーい」と言いながら、慌ててそちらへ走って行った。

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