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続・命を継ぐ者(ラシル)の旅  作者: みのりっち
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歴史の授業

舞台は、訓練校に戻ります。

大きな部屋で、生徒全員が神官エルム先生から歴史の授業を受けています。


「・・・このように、建国の父と呼ばれるユルザード大王が、神々と共に戦い、土着の民を平らげ、近隣諸国を統一し、わがユミル王国の基礎を作られた。それは、今からおよそ500年前・・・」


今日は、うららかな小春日和です。難しい名前が出てくる遥か遠い昔のお話は、皆の眠気を誘います。頭を揺らしながら船を漕ぐ者、机にうつ伏せになっている者も何人かいます。


「おい、聞いているか? ここは試験に出すからな!」

「ぶー」

思わず生徒達から抗議の声が上がります。


「君たち、学生の本分を忘れたのか?」

「よく遊ぶことです!」

「よく学び、が抜けている!」

クスクスと笑い声が教室に響きます。

ったく・・・。内心舌打ちをしながら、再び説明を始めます。


「先生、質問です。ユルザード大王以前はどのような世界だったのですか?」

「ああ、神代の世界だ」

「・・・?」

エルム先生は、神殿で伝えられた話だが、と前置きして語り始めた。


「まだ人々が生まれる前、神々の間で誰がこの地を修めるか、を決める戦が起きた。まず、ここより遥か西で、蛮族の神々との戦いが始まった」


「戦いは激戦の末引き分けとなったが、神々は中原に戻る途中で、西に住んでいた魔物の反乱を鎮圧しこれを支配した。すると今度は、北の土着の神々が中原に侵入し苦境に立たされた・・・」

そこで、エルム先生、水を飲み一息つきます。


「その時、ユルザード大王がこの地に下り立ち、劣勢の神々を好く助け戦いに大きな貢献をしたと伝えられている。神々はユルザード大王と共に、北の神々を大きく押し戻し勝利を得られた」


「神々は功績を称え、大王にこの地をお任せする、とお約束された」

エルム先生は、ここまでが神代の時代の話だ、と前置きしてさらに続けます・・・


「やがてこの地に人々が生まれ、また、多くが移り住んだ。大王は近隣諸国をまとめ、この地をユミルとお名付けになり初代王に就かれることになる。そこで、ようやく人々は安心して暮らせるようになった、ということだ。それ以降数百年の間、歴代の王は領土を守り、今のユミル王国の繁栄が築かれて行く・・・」


カラ~ン、カラ~ン、授業の終わりを告げる鐘が鳴り響く・・・


「今日の授業はここまで」


そう言って、エルム先生は教室を後にしました・・・。


歴史の授業、でした・・・。

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