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状態異常回復しか使えないヒーラー  作者: びび びび蔵
1.始まり
4/18

04. 黒い悪魔

パチパチパチッ


火の粉がパチパチと爆ぜ赤い炎を上げる。


お化けニワトリの肉を炎で焼き、今日あった出来事をブラックパンサーに語るルティ。


「いい匂いがして来たな」


ルティは火で炙った鶏肉を一つ、ブラックパンサーに渡すと、ブラックパンサーはやペロリと食べてしまった。


「旨そうに食べるね。じゃ一丁やって見ますか」


声を上げ気合を入れるルティは、鞄から鶏肉を出しては焼き楽しい晩餐となった。


深夜、テントに小さな灯りを灯し、今日狩って得た経験値を見ていた。


23679 の経験値 

LV19から.. LV45ですと...?


「なんだこのレベルの上がり様は?」


ルティは驚きの余り声を上げる。


これならLV50からの2次転職が出来ると思う。


LV 45

名前 : ルティ

職業 : 治癒士

HP : 862

MP : 324


ステータス配分をし、魔法やスキルもこの職業で取れるものを獲得。


しかし何故か回復魔法(ヒール)は無かった。


次の日に朝、ルティは昨日行った場所でLVの上限まで狩る事にする。


1時間、2時間、3時間と時間が過ぎ、等々レベル50の大台に上げスキルをレベルを上限MAXにした。


その次の日の朝。


ルティは町に向かう為に用意をし、ブラックパンサーに声を掛けた。


「じゃあ行って来るよ」


ルティはドンの町に歩みを向けた。


森の入り口、ルティを見送ったブラックパンサーは森に戻ったかと思うと、スラリと綺麗な人体の女性へと姿を変える。


「御主人様..」


(LV50で次の職にランクアップが出来る)


ルティは本当に自分が転職が出来るのかと心躍らせていた。


ドンの町 冒険者ギルド


各部署の案内板(テロップ)にしたがい、ルティは並んでいた。


「あっ、ルティさんじゃないですか?」


声をかけて来たのは以前いたPTメンバーのノピアだった。


「こんな所で何をしてるんですか?」


彼はこの辺りで言う聖職者で、ルティの治癒士と同じ立ち位置にある役職だ。


言わずとも分かると思うが、ルティの後任人と言うところになる。


「こんなところに来て、もしかして職業を変える積もりに成ったんですか?」


ノピアの何気ない嫌味にルティは?


「お久しぶりですね。ノピアさん、あれからPTの方はお変わりは御座いませんか? お恥ずかしいですが、自分もやっと転職クエストが出来るレベルになりまして..」


「転職?」


聞き返そうとするノピアに、ルティは手を上げ話を止める。


ノピアはなにか言いたそうだったが、ルティはそれ以上の話をしなかった。


「ではギルドカードを(カザ)して下さい」


ギルド員に言われるまま、ルティはカードを宝玉に当てると情報が開示され転職に必要な情報が掲示される。


「ルティ様が転職が出来る役職は、神官(プリースト)と修行僧となっております」


・神官 :神の加護・聖なる力の奇跡・不死なものを浄化

・修行僧:己の肉体を鍛え上げ戦い修業に励む僧。


この方向性しか無いのかと思ったが、今ついている職業の治癒士の事を聞いてみた。


「治癒士ですか、この職業は東の国の回復者を体現すると言われています。最近では就かれる人が少なく、こちらの国では聖職者として登録を行わさせて頂いています」


場所が変われば名前も変わる。


「2次職になれば、またLV1からなんだ..」


スキルポイントの方はリセットされていない。1次職を上限のLV50まで上げていて良かったと思うルティだった。


ルティが選んだのは神官だった。


殴り僧侶もよかったが、ゲームであってもイバラの道であるのに、回復魔法が使えない僧侶とかね。


神官の叡智(エイチ)なる力を欲した事にした訳だ。


2次職に上がれば回復魔法が使えるかもと思ったが、思う様には成らないのも()(ツネ)である。


ルティは露店で肉串を買い食べながら歩いていると、通りを歩く人の噂話を耳にした。


「おい、聞いたか? 町の先にある魔の森だがよ。どうも森にいる黒い悪魔の討伐隊が指揮されたと言うじゃないか?」


ルティはブラックパンサーの事を思い出していた。


まさかあの黒豹が黒い悪魔では無い筈だと、自分に言い聞かせるが胸騒ぎが治らない。


いてもたってもいられず、ルティは森に向け駆け出していた。

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