クズの始まり、俺と僕
気分転換に。日々抱えている厨二病をここで発散していけたらなと思います。
激しい雨だ。雷も鳴っている。血の匂いも。俺の手には血塗られた石が握られている。今日、俺は両親を殺した。後悔はしていない。そのうち捕まるだろう。だが罪は軽いはずだ。あくまで正当防衛、殺されそうになったから殺しただけ。長くても3年か?それで俺は解放される。解放されるんだ…。
眩しい。太陽の光が容赦なく俺を照らしてくる。だんだん目が慣れてくると、そこは白い空間だった…。どこを向いても真っ白。太陽も白いのか空間の色と混ざりどこに太陽があるのか分からない。ずっとここにいると気が狂いそうになる。
早く出た方がいいだろう。だがざっと見た感じ出口のようなものはない。とりあえず歩いてみるか。壁沿いに進めばなにかあるかもしれないしな。
そうして10分ぐらいだろうか。歩いていたら遠くに家らしきものが見えた。近づいてみると、そこはボロボロな俺の家があった。中に入ってみると、そこには俺が殺した両親が居た。
死んでいる両親の顔は笑っていた。まるで殺されるのが分かっていたかのように、嘲笑っていた。この顔を見ていると怒りが収まらない。
他の場所も見てみる。特に変わった様子もない。隅々まで見ても何も無い。仕方ないので外に出ようとしたら、両親の顔が動いた気がした。
「ははっ。」
まさかな。死んでいる両親が動くはずがない。俺はちゃんと殺した。何となく早歩きで家から出ようとした。
扉が開かない。何度やっても開かない。鍵がかかっている様子もない。蹴っても壊れないので一旦落ち着くことにする。
もしかしたら家の中に何か手がかりがあるかもしれない。そう思い探してみるが特に何も無かった。
両親の死体も漁ってみたが特に何も無く、もしかしたらと希望を持って扉を開けようとするが開かない。
途方に暮れていると、後ろから物音がした。何だと思い振り返ると、両親の死体が光り輝いていた。そして体が変形していき、液状になると一つになっていく。
その異様な光景に気持ち悪さと同時に興奮を感じていた。一体何が起こるんだろう。そうして見ていると光が収まり、そこに居たのはもう1人の俺だった。
「やぁ、僕。それとも阿賀屑男と言った方がいいかな。」
優しそうな笑みで話しかけてくる。何とか笑顔で返そうとするが上手くできた自信がない。多分俺の顔は引きつっているだろう。
「お前は、何だ?ここはどこだ?」
「落ち着いて。ちゃんと答えてあげるから。はい、深呼吸ー。」
ムカつく喋り方だ。落ち着いていなかったのは事実なので余計にムカつく。しかしここでムカついてもしょうがない。ちゃんと答えるというのなら聞くべきだろう。
「落ち着いた?じゃあ説明するね。まず、僕が誰かってことなんだけど。僕は君なんだよね。何言ってるか分からないって顔してる。君は両親からも周りからも虐められていた。そうして耐えられなくなったんだよ。だから二つになった。その苦痛を分け合うために。そうしないと心が壊れてしまうから。」
「たとえそれが事実だとして、なぜお前はここにいる?今更もう1人の俺が何の用だ?」
ニコニコと笑顔で話してくるのが不気味だ。まるで感情がないような、笑顔を顔に張りつけてるような感じがする。
「ここは夢の中のような場所なんだよ。だから君が殺した両親もいるし、君を虐めていた子もいるよ。窓の外を見てごらん。」
そう言われ窓の外を見てみると、ニヤニヤと嫌な顔でこちらを見ているヤツらがいた。その後ろには親らしき大人もいる。石を投げてきたので咄嗟に身構えるが、石は窓で止まり、こちらには来なかった。
「ね?で、なんの用かって話なんだけど今君と僕で二つに別れてるでしょ?両親は殺したし、君を虐めるやつももう会わないでしょう。だから、今1つになろう。そうすれば君は真の力を取り戻す。」
「一つに?真の力?何を言ってる?」
「確かに今話してもよく分からないと思う。でも、いつか必要になる。それだけは覚えておいて。君が会いたいと思えばまた夢の中で会える。もう扉は開くから家から出ればこの夢から覚めるよ。またね。」
「おい、ちょっと待っ」
言いきらないうちに奴は消えていった。
「なんなんだよ…」
感想とか是非よろしくお願いします。ここがダメだったとか教えてくれるとありがたいです。