もう一人のワタシは私に触る事すら出来ないでいる!
私の名前は 『吉高 みつな』21歳、飲食店でバイトをしている。
私が25歳になって1週間後、、、私は車に轢かれて死んでしまった。
ワタシは、みつなの中の一人だった。
みつな自身は、直ぐに救急車に運ばれて検査もしてもらったが、かすり傷
だけですんでいる。
何故なら、、、?
ワタシがみつな本人の代わりに死んだからだ、、、!
その事を、みつなは知らない!
▼
私はみつなから抜け落ちたから、みつなとは別々になってしまったけど、、、?
出来るだけ、ワタシはみつなと一緒に居たくてずっと傍にいる...。
触れることも、戻る事も出来ないでただただワタシは私の傍に居続けている。
みつなは、おっちょこちょいで不器用で失敗もするのだけど、、、?
そこが可愛いと言うか、、、?
結構! 男性にもモテているみたいだし!
何より、ワタシから見ても優しい子だなと思う。
だから、ワタシはこんな風になっても、、、みつなの傍にいるのだろう。
毎日、みつなの事が心配で仕方がない!
まるで、愛する彼女のような、子供のような、、、。
包んであげたいと思ってしまう子だ!
▽
今日も、バイト先で店長に怒られているみつな。
『吉高! あの席のお客さんの注文取ってきたのか、、、?』
『あぁ! すみません! 直ぐに注文取ってきます!』
『おいおい? しっかりしてくれよ~』
『...ごめんなさい!』
...でも、店が終わると、、、?
『今から、みんなで飲みに行かないか? みつなも来るだろう?』
『あぁ、はい!』
夜遅くまでやっている居酒屋にバイトの子達を連れて来た店長。
『今日は、みんな頑張った~! 偉いぞ~!』
『ここ! 店長のおごりですか、、、?』
『あぁ!? まあ~いいか! みんな頑張ったからな~飲め~飲め~』
『わーい! みんな店長のおごりだって! “ご馳走様です!”』
『いやいや? みつな怒ったりしてごめんな~ よく頑張ってくれてるよ~!』
『ありがとうございます!』
『みんなも言ってたぞ~ みつなは頑張り屋さんだってな~!』
『えぇ!? そんな風に言ってくれてるんですか、、、? 嬉しい!』
『まあ、飲んで食べて~また明日! 頑張ろうな~』
『はい!』
そうやって、、、可愛がられている。
店長、、、もしかして? みつなの事が好きなのかな、、、?
歳も20歳以上離れいるけど、、、?
それもアリか、、、!?
因みに店長は、45歳でバツイチ。彼女もいないみたいだ、、、!
▼
それでも、店長はワタシから見てもイイ人だから、、、。
みつなと店長が上手くいって欲しいとワタシは思うようになる!
『吉高! 早く料理をお客さんのところに持って行ってくれ!』
『はい!』
『吉高! 少し休憩していいぞ~!』
『ははい!』
休憩室で、、、。
『よく頑張ってるな~!』
『まぁ、』
『あのさ~今度! 水族館に行かないか、、、?』
『えぇ!?』
『なんかさ~1人で行くのも寂しいし! イルカの赤ちゃんが産まれて
お披露目するとか言ってたんだよな~ そこの水族館!』
『えぇ!? そうなんですか? 私も見てみたい~』
『じゃ、次の水曜日、店も休みだし! 一緒にどうだ?』
『あぁ、ははい!』
▽
まさか、、、!?
みつなが店長にデートに誘われている、、、!?
【まぁ、いいかもね!】
*
デートの水曜日。
二人の待ち合わせの場所に店長がやって来た。
二人で電車に乗って、バスに乗って、水族館へ、、、。
『わーい! クラゲがいますよ~店長!』
『めちゃめちゃ可愛いな~』
『じゃ~早速! イルカの赤ちゃんを見に行こうか~!』
『はい!』
何だかいい雰囲気。
『わーあ! 店長見てくださいよ~ イルカの赤ちゃん~』
『可愛いねぇ~!』
『うん。』
二人の仲はこうして、深まっていった。
もう、ワタシの出番は無そうだなと思った時、、、。
みつながワタシに言った。
『今までありがとう! 見えてはいないけど、、、? 貴女の存在は感じ
取っていたの! 本当にありがとう! あの時、私は交通事故に遭ったの
に、かすり傷だけですんでいる! なんだかなんだか不思議に思っていた。
でも、これでやっと理解できたわ!』
【こちらこそ! ありがとう、もう一人のワタシ。もうワタシは私の傍に
いなくてもいいと感じたから、、、幸せになってね!】
『...ありがとう、』
こうして、ワタシが消えた。
最後までお読みいただきありがとうございます。




