差別
高校とはなぜこんなにも居にくい場所なんだ…。女子は群れをなさなければ行動できず、男子はファッションなどにうつつをぬかすという…。1年前までは、義務教育と称された勉強を共用される中学校で、同じ格好をし個性を否定するような中学共通の制服を着用し、みんな平等なんだよーという考えを身につけさせられる。
そこから受験を経て、高校生となった瞬間制服は着崩し、1軍2軍3軍とよくわからない階級に分けられて、その中でさらに集団を作る。なんて馬鹿馬鹿しい世の中なのだろうか……。
そんな世の中に生まれてしまった俺は……、
「どうかしたか?尚氏?」
……………。
「尚氏?」
「なんでもない、紗綾…。」
この状態は、はたから見れば、"リア充"と言うものなのだろうが俺達はそう見られたことが一度もない。
「それで、なんの話だったか……、今季のアニメは何が一番萌えるかという話だったか?」
「違いますぞ。断じて違いますぞ!?やっぱり話を聞いておられていませんな!?」
「すっすまん。」
紗綾は呆れたようだったが、そのまま話を続けた。
「今年で10週年を迎え、し・か・も!映画化されるというあの下ネタアニメですよ!」
「あぁ、あれか。確か紗綾がアニメにハマったきっかけになったものだな。」
「はい!で…、あの…尚氏、一緒に見に行きませぬか?」