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掌編小説集6 (251話~300話)

タイムリー

作者: 蹴沢缶九郎

タイムリーマシンなる装置がある。タイムマシンではなく、タイムリーマシン。

このマシン、スイッチを押すと、タイミング良く好都合な事が起こる。


ある日、タイムリーマシンを開発した男が、日頃から恨みを抱く相手を自宅に呼び出した。呼び出された相手が聞く。


「今日は一体どうしたんだ?」


「いやね、僕はお前の事が嫌いなんだ」


「…薄々、君に嫌われているのは気づいていたよ。わざわざそんな事を言う為に呼び出したのか…。私も暇じゃないんだ、失礼するよ」


(きびす)を返し部屋を立ち去ろうとする相手を男は呼び止める。


「ちょっと待ってくれ、この問題を解決する名案があるんだ」


「名案?」


「ああ、考えたんだが、お前がこの世からいなくなればいいのさ」


そう言うと、男は懐に隠し持っていたナイフを取り出し、相手の腹に突き刺した。一瞬の出来事に、相手は抵抗する間もなく、その場に崩れ落ちる。


男は死体となった相手を見下ろし呟いた。


「ざまあみろ、ずっと憎かった相手がようやくいなくなった。胸のつっかえが取れたようだ。あとは…」


最後の仕上げと、タイムリーマシンのスイッチを押した。


数分後、タイミング良く部屋を訪れた警察によって男は捕まり、警察にとって都合良く物事は動いた。

男の誤算は、マシンの起こした好都合が自身の好都合ではなかったという事だけ…。

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― 新着の感想 ―
[一言]  男にとって都合のいいように働いた場合、何が起こったんでしょうね?  一件の殺人くらいどさくさに紛れるような大事件が起きたりして……。
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