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なんか死んだら小学生になれた。

意識を保っているのが奇跡だろうか。


真夜中の路地裏、電灯の下で腹部から大量出血してる俺は、もう長くはないなと自覚しながら、その時を待っていた。

少し前に遡ろう。


俺はコンビニに飯を買いに行こうとして、夜中の街をぶらぶらと歩いていた。夜中ということもあり、文字通りしーんとしていた。

俺が歩道を歩いていると、前からフードを被ったやつが全力で走ってきて、俺にぶつかった。俺はその衝撃で後ろに倒れ、そいつに「おい!」と若干怒ったら口振りで言ってやったら、そいつはそれに反応することもなく、今俺がいる路地裏に走っていった。


さすがにムカついた俺はそいつを追いかけ路地裏にはや歩きで駆け込んだ。

すると、前からやって来た、さっきとは違うフードのやつが袖からナイフを取りだし、俺の腹部をぶっ刺した。


「俺関係なくね!?」

叫んだせいか、傷口が広がり余計に出血する。

「いってぇぇぇぇ!!!!?」

痛い痛い痛い。とてつもなく痛い。はらわたが抉られるような感覚だ。俺本当に死ぬんじゃ――

その時、プツンと意識が途切れた。


***


意識が戻ったのは暗闇の中だった。それも何もない暗闇。

自分の体の感覚がないことから察するに、俺は死んだ。

「って、なんで俺が死ななきゃいけないんだ!?」

理由が無いぞ。理由が。というか口はあるんだ、俺。


「もー、うるさいなー。もう少し静かに出来ないのか」

暗闇の中から現れたのは小学生ぐらいの小さな女の子だった。

「えぇと、どちらさま?」

「私は未練のある死者の魂を現世に返すことを仕事としているものよ」

「現世に返す…、って言うと、俺は生き返れるのか?」

「人の話を最後まで聞きなさいよ。まぁ、極論そうよ」

「まじで!?じゃあ、ちゃっとゃとお願いしますよ」

「それも、そう簡単じゃないのよ。いろいろ決める事とかあるし」

決める事?死者に決めるも何もあるのだろうか。


「あなた、なりたい職とかない?」

「なくはないけど、現実味がなぁ…」

「まぁ、とりま言ってみ」

やけに今時だな。お前は新宿のJKか?


まぁ、なんでもよさそうだし、俺が中三の時にずっと思ってたアレでも言うか。

「小学生」

「は?」

「小学生」

「聞こえてるっての。小学生?はぁ?バカなの?ロリコンなの?」

「あぁそうだ、俺は学年一のロリコンだ。なんか文句あっか?」

「いや、ちょっとキモいなーって思ってただけよ」

「キモいとかやめろし。傷ついちゃうぞ」

実際、中学は週4ペースでキモいって言われたぞ。女子に。


「まぁ、強いて言うなら小学生ってとこだな」

「小学生でいいのね?本当に?」

こんなこと聞いてどうすんだってぐらいにどうでもいい話だ。

「あぁそうだ、俺は小学生になりたい!」

「そこまで断言されるとアレだけど。まぁ、いいわ、これからの小学生ライフを楽しんでね~」

は?小学生ライフ?え?

暗闇だった空間は一瞬にして眩しく輝きだし、俺の魂を包み込んだ。


体に生暖かい外気が触れ、俺は目をさました。

「ん?ここは…。トイレ…か?」

俺がいるのはトイレの個室だろうか。狭く、すこし暑苦しい。

にしては不思議だ。この個室の隅に謎のボックスXがある。

これはいわゆる、

「女子トイレ…だと!?」

おい、女子トイレスタートとかバッドエンドしかみえないんだけど。


それに、俺の声の高さから察するに、

「女子じゃねぇか!?」

いや確かに小学生とは言ったよ。でもさ女子はないだろ-。普通はわかるだろ、あのクソロリビッチ。


とりあえず、おそるおそる個室から出る。

すると、外から女子特有の異常に高い声の笑い声がきこえてきた。

「うわやべぇ」

俺は反射的に個室に隠れた。

「おいおい、これじゃ変態じゃねぇかよ」

変態も変態、ド変態だ。


女子がトイレに何人かで入ってくると、俺は息を殺し気配を押し殺した。

といっても、個室に入っているのだから隠れる必要がないのは十分承知だ。

「あ、だれかいるわ、うける」

うけてんじゃねぇよ。まじうける。

「んじゃ」と女子A(仮)が個室に入り、女子B(仮)が違う個室に入る。俺は挟まれる形となってしまう。

な、なんだとぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉ!!!!!!!!!!!

心中でそう叫びながら、この絶望的な状況に耐え続ける。


そこで、聞きたくもない音が俺の耳に入ってくる。

これはいわゆる『おし〇こ音』である。

俺は心中で人の字を書く。それも10何回も書き続けた。その音が終わるまで。


To Be Continued

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