4杯目 看板猫
俺氏どうすればいいのか。
あぁぁぁぁ…
呆然と立ち尽くしていると、猫の声が聞こえる。
この先はペット売り場だそうで。
…可愛い。すごく可愛い。
値札を見ると…常識だが…
やっぱり高いんですね…
けど、お店の看板猫…あっ
看板猫…その手があったか…
名前を付けるとしたらアイスちゃんかな?
変な妄想をしている大人っていうのは、周りからすぐわかる。
主に勇雅。
ということで店員さんを探して出口を教えてもらいましたとさ。
カフェに帰ると、一人お客さんが来ていた。
男?まさか…彼氏とかじゃ
「あっ、勇雅君おかえり!」
「おう、おかえり勇雅。久しぶりだな」
え、お前誰
明らか顔に出ているようなのでお客さんはふっと笑った。
少しウザい。
「俺だよ、俺。忘れたのかよ」
オレオレ詐欺かな。とりあえず110番。
「あぁもう!俺だって!海音だよ!」
あっ、海音かよ。お前影薄いから忘れてたわ
確かに見覚えあるな…
柳瀬海音。俺と中学校一緒でよくバスケやったなぁ
結構優しいんだよな。こいつ。
(女子力高いくせに…)
「そうそう、お前が働いてるって聞いてきたんだがいい店だな。俺、印刷業してるからチラシとか作れるぞ?」
お、思わぬ好機。あ、猫のこと相談し忘れてたわ。
「なぁ由梨。猫飼ってみないか?もちろんこの店で。看板猫にするっていう作戦なんだが」
「お金は…?」
あ。忘れてた。