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悠久の欠片  作者: 蓮城
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8月22日~24日・書店


前回:女の子に絡まれた皇さん


22日。


目が覚めたのは日が上った後、6時頃だった。本を整理したり、頼んだ書籍を持ってきてくれた業者の対応をしたり、調べものをして過ごした。


夜にはバイトの募集に向けたビラの作成を行った。今までの仕事では、あまり人を雇うということはしなかったのだが、以前から興味があったのでやることにしたのだ。


労働基準法といった必要な法律などは大雑把に頭に叩き込んでおく。詳細は後日でいいだろう。そんな風に思いながら読み進めていくと、気づけば時刻は翌日の朝だった。





23日。


気づいたら朝になっていた、というのはよくあること。ただし、今日の朝はいつもと一味違う。何故なら今日は…


「そういえば今日は開店日でしたね。」


という訳だからだ。天気は開店初日に相応しい晴れ。雲が程よいくらいに散らばっており、青い空によく映えている。


朝の内に最終確認を済ませ、午後の開店式に備える。そこまでどうどうとやる気では無かったのだが、田中さんがやろうというので押し切られてしまった。


そして13時頃、商店街の人と近くの住人が集まる中、無事に開店する事ができた。


「皆様、本日はお忙しい中集まって頂き、誠にありがとうございます。長い挨拶は苦手なのでいきなりですが、本題に入らせて頂きます。なお、この書店は古本屋ではありますが、皆様の求めるモノをできる限り取り揃えております…あ、だからといって若いイケメンの彼氏はありませんよ?」

観衆が笑う。やはりこういうジョークというのは大切らしい。ただ、TPOを弁えなければならないらしいが。


「それでは、『古本屋 夢幻』開店いたします!」


集まってくれた人たちはそのまま店内に入り本を手に取ってくれ、品揃えも中々に好評だった。予め今日来るであろう客を事前に調べておいたのは正解だったようだ。


どうやって調べたか?禁則事項です☆



夜になると商店街の人たちが歓迎会を開いてくれた。先日店に着てくれた高原青年を始め、やはりここはいい人が多いようだ。挨拶もそこそこに鍋を囲んだ宴会が始まった。


8月に鍋は正直予想外ではあったが、みんなで食べるご飯というのは、やはり楽しいものだ。


「みんながみんな、こうなら苦労しないのですけどね…。」


酒盛りの最中の私の呟きを聞いた人は、幸いかいなかった。


だが田中さん、どうやら私は塩からは食べれないようです…。





24日


バイトの募集をしてみた所、はやくも応募があった。


「4名、ですか…思いの外多いですね。さて、どうしましょうか…。」


正直1人か2人くればいいと思っていた節はあった。故に倍も応募がくるとは予想外であった。全員を採用してもいいのだが、個々の労働時間を減らしては賃金面などに支障をきたす可能性がある。


「取り敢えず、全員調べてみますか…。」


「すいませーん!この本くださーい!」


「はい、今参ります。」


まぁ今日はまだゴタゴタしているから調査は明日からにしよう、そう思う皇だった。





※この作品は『うろな町』企画参加作品です。


YL氏より高原直澄を軽くお借りしました。


次からは皇さんのバイト候補調査が始まります(ストーカーではありません)。

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