~第二章~ 出会い
「ん…」
いつもと違う布団の肌触り、空気。
私はそっと目を開けた。
そこには白い天井と、見た事のない蛍光灯が付いていた。
ここどこ…?
そんな事を考えていると、突然顔の前にニュッと男の子の顔が現れた。
「わっ!!?」
驚かない筈もなく、私は情けない声を上げた。
―――ズキッ
自分の叫び声が頭に響く。
「痛たたたた…。あなた、だれ?」
体を起こし、気になった事を素直に口に出すと、
「ほう…なるほど。」
なにかを考える素振りをして、男の子は答えた。
「僕の名前は零。ゼロの意味のれい、ね。」
「零くんね…私は南海。」
見た目からしてタメか年下だと思われるのでとりあえずくん付けにすることにした。
「ところであのさ…」
私が問おうとしていたことを察したらしく、
「ここは病院。あんたは交通事故に遭って運ばれた。…忘れたの?」
と、呆れたように答えた。
そうだった。思い出した。
私は交通事故に遭って、運ばれたんだ。。
…ん?
「…っていうか!なんで零くんが私の病室にいるの?」
見渡す限りこの病室は個室だ。
零くんはにっと笑い、答えた。
「さあ?」
…は?
「さ、さあって…」
私がうろたえていると零くんは
「まあ、気にしないで!じゃあねー♪」
と言う言葉を残し去って行った。




