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第4話
僕が姿を消して、10年がたった。
僕が姿を隠した、森は、今や生態系は整い。
魔力汚染と魔物の以上のレベルの高さ以外は、普通の森となった。
「今日も平和だな」
森の中で過ごしていくうちに僕は、徐々に人の心を取り戻していった。
完全には、戻れなくてもこの森の静かな空間は、僕の中にある修羅を心の奥底へと追いやってくれた。
人の世界では、国が2つに割れたらしい。
魔力を探知する能力に全神経を注ぎ込めば、世の情勢を把握するくらい簡単だ。
戦争が始まるかもしれないな……
「いや、僕には、関係無い……ん?」
わずかにだが、魔力の流れが乱れた。
この感じは、間違い無い。
誰かが召喚されたのか……
結局、どの世界でも人は、過ちを繰り返すのは一緒か。
「会いに行くか」
木の上で寝ていた僕は、立ち上がり。
空気を大きく吸った。
久しぶりになる、全力での運動、少し緊張しながら強く木を蹴った。
同じ異界人に会うのを少しだけ楽しみにしながら。