06
「さぁ、まずはどちらへ行かれますか?」
「そうね。まずはガラス細工を作っている職人さんのいるお店を見てみたいわ」
「それはよろしいですね!私もとても興味があります。あの細かな細工はなかなかお目にかかれませんから」
なんとか誰にも会わずに無事城を抜け出した2人は、まずガラス職人のいるお店へとむかった。
そこでは、とにかく感激しっぱなしであった。
きれいなガラスの小皿に、花瓶、小物入れ、どれも世界に2つとない代物だった。
職人一人ひとりが、自分でデザインをしガラスを仕上げていく。
ガラスを作るところからガラスにデザインを施すまで、すべて一人で作業をしているのだ。
「本当に、素晴らしかったわ!とても暑く、体力のいるお仕事だけれどもその分、出来あがったものはどれも息をのむものだわ」
「まったくですわ!我が国にもこの技術を伝えたいものです」
「えぇ!そうね!こういう芸術的な作品は世界中に広がってみんなの手元に届いてこそ価値があると思うわ!」
2人とも興奮冷めやらぬ状態であったが、国のお土産として何点か購入し店を後にした。
「ねぇ、マリア。なんだかちょっとお腹がすかない?せっかくだし、どこかでお食事でもしていかない?」
「そうですね。確かにあの熱気に当たってしまいましたので、何か飲み物を頂きたいと思っておりました。食事というわけには参りませんが、少し位なら大丈夫ですよ」
マリアからの許可も出て、2人は近くの食堂へ入ることにした。
「いらっしゃい!おや、見かけない顔だねぇ。何にするかい?」
「えぇ。この国のものではないの。だから、この国の名物をもらえるかしら」
「はいよ!姉さん達、どこぞの貴族のお譲ちゃんかい?」
「え、えぇ・・。そのようなものね」
「やっぱりそうかい。なら、十分気をつけるんた方がいいよ。この国では今、王子の花嫁選びをしてるんだ。集まった王女達を狙った輩がうろうろしてるから、とばっちりくわないようにね!」
「まぁ!それは本当ですか!?」
マリアの目が鋭くなる。
「あぁ。この間も、たまたま遊びに来ていた伯爵様の娘さんが連れ去られそうになってたからね。今は特に警備は厳しくなってるが、用心に越したことはないよ」
「・・・・ご忠告ありがとうございます。私達も気をつけますわ」
「あぁ。そうしな。じゃぁ、この国名物の羊肉を使ったランフォートを持ってくるから、ぜひ食べて帰っておくれよ!」
「えぇ!美味しそうだわ!」
店のおばさんは、そういうとキッチンに戻って行った。
「アリア様・・・。非常にまずいですね。こちらを召しあがったら、すぐに城へ戻りましょう」
小声だが、鋭く有無を言わせない雰囲気だ。
「えぇ。仕方ないわ。でもせっかくだから、名物のお料理は食べていきましょうね」
「アリア様・・・。少しは危機感を感じて下さい・・・・」
呆れながらも、マリアはそんな主人を全力で守らなければと思ってしまうのであった。
すいませんr(≧ω≦*)
キリがよかったので、短くなってしまいました。