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アリア奮闘記  作者: 羽月
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すみません!!

1話抜かしていました!!

あれはまだ私が10才の頃だった。

私の専属侍女はその頃マリアではなく、少し年の離れたセイリーンだった。


「セイリーン、今日は何して遊ぶ?」


「まぁ!アリア様?今日はまだ遊べませんよ?先日、女官長から出た刺繍の課題は終わられましたか?」


にっこりとほほ笑むセイリーンだったが、手には刺繍をするための道具がしっかりと握られていた。


「・・・・つまんない。刺繍なんて、一体なんの役に立つの?施政の勉強に刺繍なんて必要ないわ」


むくれる私にセイリーンは膝をつき私の目線でにっこりと優しい笑顔を浮かべた。


「アリア様?確かに施政に刺繍は必要ありません。淑女のたしなみと言っても、今や刺繍は専門職の方に任せる時代です。しかし、アリア様?あなたに好きな男性が出来た時、あなたは他の方が作ったものを身につけさせるのですか?」


「ええ。だって、その方が綺麗につくれるしその人の好みの物が出来るじゃない」


即答するアリアにセイリーンは苦笑した。


「確かにそうですね。しかし、自分の手で作ったものを身につけて頂きたくはありませんか?」


「・・・・・そうなのかしら?」


「そうです。たとえば、アリア様が作られた刺繍の入ったハンカチをお母上様にあげて使っていただいたらどう思いますか?」


「・・・うれしい」


それを想像するとぽっと頬が赤くなり、笑顔がでた。


「そうですね。それが、好きな男性だともっと嬉しいのですよ。それに、他の方に目がいかないようにしっかり捕まえておかないといけませんしね」


ぱちりと片目をつむって見せるセイリーンだったが、その時はあまり意味がわからなかった。


「・・・・セイリーンはクレインにプレゼントしたりするの?」


ぽっと頬を染めるとセイリーンは照れたような笑顔でうなずいた。


「・・・ええ。そうですね。差し上げたこともあります。クレイン様がそれを使っていらっしゃった時はとても嬉しかったですわ」


「・・・ふーん。ねっ?それで、クレインとはいつ結婚するの!?」


子供の好奇心だったのだろう。簡単にセイリーンに訪ねていた。


「・・・・そうですね。いつになるでしょう?」


にっこりと笑う笑顔はどこか切なそうだった。

あの時は知らなかったが、今になればその表情の意味もよくわかった。

クレインとセイリーンの家では結婚は到底無理だったのだ。

あの頃の両家は同じ公爵でも前公爵の不正によりセイリーンの家は没落寸前だった。


「ふふふ。セイリーンとクレインが結婚したら私毎日遊びに行くね!!」


頼もしいお兄さんと厳しいけど優しいお姉さんが結婚するのだ。

私も心から祝福していた。


「ふふ、ありがとうございます。・・・・そうなれるといいですわね」


セイリーンの笑顔が見れたのはその時が最後だった。


**********************



「まぁ!アリア様がいらっしゃらないわ!!」


セイリーンは必死で城中を探し回っていたらしい。


「・・・・ふふふ。ごめんね、セイリーン。すぐ戻るから!!」


そう言って、私は刺繍の勉強から逃げ回り庭で遊んでいた。

こっそり庭で遊ぶ私は誰にも見つからないようにと、いつもは危険だからと入ってはいけない場所に来てしまっていた。


「どうして、ココが危険なのかしら?こんなに綺麗に咲いているお花を見に来てはダメなんておかしいわ。それに城の中なんだから危ないなんて事ないだろうし・・・」


大人たちが危険という意味が私にはさっぱり分からなかった。

しかし、危険と言うだけの事情がもちろんあったのだ。


「・・・あれ?ここ何だろう?」


ふと、歩き回っていた私が見つけたものは草花に隠されていた抜け穴のような物だった。

じっと、そこを見詰めていると急にそこから男が現れた。


「おっと・・・。これは、不味いところ見られちまったなぁ」


にやりと笑う男に私は危険を感じ取った。

すぐにその場を後にしようと後ろを振り向いた時には既に遅く、腕を掴まれていた。


「お嬢ちゃん、そんな簡単に逃がしてはあげられないんだな。見つかっちゃまずい所を見られたんでな」


あっと、言う間に私は男の腕に拘束されてしまった。


「い、いやぁ!!誰か!!」


あまりの恐さに叫ぶが、誰も気づいてくれるわけがなかった。


「おいおい。大声を出さないでくれ。このところ警備が厳しいんだ。見つかったらどうしてくれるんだ」


にやにやと笑いながら男の大きな手が私の口を塞いだ。


「んんんんんん!!」


「静かにしろって!あんまり言うこと聞かないようだと、痛い目見せなきゃならなくなるぞ!」


そう言って、男は腰から短剣を取り出し私の目の前にそれを持ってきた。


「んん!!」


あまりの恐怖に目を丸くし叫んでしまった。


「見ろよ。すごいだろう?宝石もたっぷり埋め込まれてる。切れ味も抜群だ。これだけは気に入って俺が頂いたんだがな」


うっとりと男はその短剣に見入っていた。


「さぁて、他にも色々頂きに行きたいんだが不味いところを見られて生かしておくわけにはいかないんだ。お嬢さんには悪いが死んでもらう」


男はそういうとその短剣を振り上げた。

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