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全員が集まったところで会食の時間となった。
その時、扉が開き殿下と男が入ってきた。そちらを見ると殿下と目が合い何か驚いたような顔になったが、一瞬でいつもの顔にもどった。
「ごほんっ。姫様方におきましてはご機嫌麗しく・・・」
殿下が席に着くと男が喋り出した。
「挨拶はよろしいですから、先に自己紹介をしてください」
殿下は男の長くなりそうな話を止め先を促した。
どうやら、今日の殿下はにこやか殿下の様子だ。
「はっ。私、この国の宰相を務めますトルガ・クロッセ・ジェバードと申します。以後、お見知りおきを」
どうやら、この男がこの国の宰相らしい。
「これより、殿下の妃候補の皆様方と殿下との会食を始めさせていただきたいと思います。これによりあなた方は殿下と謁見許可なく話をする事を許されるお立場となります。しかし、これまで通りご政務中の謁見や殿下の私室等への出入りは禁止させて頂きます。まぁ、姫様方は選ばれたわけですから、ご常識の範囲で殿下のご迷惑とならないような行動を心がけてください」
・・・一体いつ会食が始まるのか・・・。
長すぎる。結局の話、常識の範囲内で行動しろってことなだけで、どうしてここまで長く語れるのかわからない。
このままにしておくと平気で1時間はしゃべり続けるだろうと思っていた。
「・・・宰相。もうよろしいのではないですか。そろそろ食事にしないとせっかくの食事が冷めてしまいます」
「おぉ!そうですな。では、皆様食事を始めましょう。殿下乾杯を」
「・・・では、姫達とご一緒に食事できることを嬉しく思います。出会いに!」
皆がグラスを掲げ食事が始まった。
「・・・アリアーデ姫。今日はとても美しいですね。あなたの美しさにさらに磨きがかかっていますよ。それに、足をお怪我されているのにもかかわらず出席して下さってありがとうございます。しかし、怪我には十分気をつけて下さいね」
さっそく殿下が仕掛けてきたようだ。
心配そうなふりをして、にっこりと笑う殿下。
一体誰のせいでこんな目に会うのかわかってるのだろうか?
今も、ミーナ様からの視線がびっしりと刺さる。
「えぇ。ご心配おかけして申し訳ありません、殿下」
「ほほぉ、あなたが殿下がお選びになったアリアーデ姫ですか。なるほど、殿下もお選びになるわけですな」
殿下の横から宰相が私の全身をねっとりと舐めまわすように目を向けた。
「私ごときが殿下の目に留まるなど身に余る光栄ですわ」
まったくもって嫌になる。
「いやいや、ご謙遜を。今まで殿下の目に誰一人として留まらなかった中、選ばれたのですから!しかし、こればかりは殿下のご意思だけでは決められません。お2人の恋路を邪魔するつもりはないのですが、国の為によりよい妃をという事情をわかっていただけますかな?」
「ええ!もちろんですわ!殿下の妃になるということは国の母になるということですものね!宰相様がご心配されるのも道理でございます。よくお考えになってお決めいただけるよう私も精一杯努力させていただきます」
まるで狸と話をしてるような上辺だけの会話だった。
その会話を終わらせたのはリーナ様だった。
「よろしいかしら?私のお話を皆様に聞いて頂きたいのですが」
宰相の目が鋭くリーナ様をとらえた。
「・・・リーナ姫。なんでしょう?」
「えぇ。レオナルド殿下には先に申し上げましたが、私は殿下の妃になるつもりはございません。その為このお話は辞退させていただきます。殿下にも了承いただきました」
リーナが言った事に宰相、ミーナ、ナーシャが目を丸くした。
「リーナ様!ご自分のおっしゃている事がわかっておられるのですか?あなたのお父様はぜひにとこちらに申し出てこられたのです。それをそちらの勝手で破棄するという事は、我が国との付き合いを考えなおして頂くことになりますぞ!!」
「宰相。それは言いすぎです。あなたの一存で決めれる話ではないはずだ」
穏やかだがはっきりとした言葉に宰相は言葉を詰まらせた。
「・・・申し訳ありません。しかし、これは国の問題です。正式な候補として迎えた以上そう簡単に辞退が許されるものではございません。いくら殿下が了承したとしてもです」
「・・・わかりました。リーナ姫、あなたのお申し出もわかりますが、すぐに辞退というわけにはまいりません。もうしばらくの間こちらに滞在頂きます。よろしいですか?」
「・・・・わかりましたわ。私も少し急ぎすぎました。しばらくはこちらに滞在させていただきますわ」
リーナはしぶしぶだが納得したようだ。
しかし、宰相は自分の姪がいるにも関わらずわざわざライバルを増やすとはどういうことだろう。
昨日、一昨日とお休みさせていただきました。
予告なくお休みさせて頂きすみませんでした。
本日はかける分だけ書きたいと思います。