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いつも読んで下さる方、本当にありがとうございます。
つたない文章ですが、これからもよろしくお願いいたします:・(*>▽<*)ゞ・
「ふふふ。アリア様、最高に素敵です!!さすがアリア様。なんでもお似合いになるんで私もやりがいがありますわ」
「ありがとう。マリアにやってもらうと私も別人みたいね」
鏡に映る私の姿はマリアによって美しく飾りたてられていた。
「いいえ!!私はアリア様の魅力を最大限に活かすようお手伝いをさせていただいたまでですわ。足のお怪我がなければさらに美しいですのに、残念です・・・」
本当に残念そうなマリアに苦笑しながらも、そんなマリアの姿に重い心も少し軽くなる。
「さぁ、ではクレイン様を呼んでまいりますね」
マリアは扉を開け、クレインを呼ぶとそこからクレインの姿が現れた。
「・・・・・・相変わらず化粧をすると別人のようですね・・」
「まぁ!クレイン様!お綺麗になったと素直に褒めればよろしいですのに」
マリアがすかさずクレインに噛みついた。
そんなマリアに一瞥しながらクレインはため息をついた。
「・・いや。本当にお綺麗です。しかし、今回はパーティでもないのに少し張り切りすぎなのでは・・・いや、いいです。アリア様、お時間には少し早いですが、どうされますか?」
首を振りながら一人ぶつぶつというクレインだが、特に張り切って着飾っているわけでもない。
確かにマリアに綺麗にしてもらったが、パーティー仕様ではないためいつもよりは落ち着いている。
「そうね。気がすすまないけれど、殿下のご命令もありますし早めに行きましょう」
クレインに車いすを押してもらい食堂へ向かった。
その間にクレインはいつものクレインに戻り、粗相のないようにだとか、怪我をしているのだから無理をしないようにだとか母親のようなことを口を酸っぱくして言われながら食堂にたどりついた。
「ありがとう、クレイン。まだ誰も来ていないみたいね」
「そのようですね。先程も言いましたが、これ以上怪我をされないよう大人しく他の方を刺激しないようにしてくださいね。特にミーナ様には気をつけて下さいよ」
「わかってるわ。もう、クレインは私の母親みたいね」
「・・・・勘弁してください」
本当に嫌そうな顔をするクレインにちょっと吹き出してしまった。
「ふふ。私もこんな口うるさいお母様は勘弁してもらいたいものだわ」
「・・・・まぁ、そのように笑っていられるなら大丈夫でしょう」
私の心を読み取ったのか、重い気分を楽にさせてくれようとしたらしい。
「・・・・ありがとう。私は大丈夫よ」
クレインの心遣いに感謝した。
その時、食堂の扉が開きリーナ様がやってきた。
「まぁ!アリア様!!足は大丈夫ですの?」
リーナはアリアの姿を確認すると駆け寄ってきた。
「あら・・・。あなたは先程の・・・。アリア様のお付きの方でしたの?」
リーナがそばまで来るとクレインに気付き彼を見上げた。
「えぇ。こちらはクレインと申しまして、本日到着いたしました我が国の騎士です」
「まぁ、そうでしたの。先程は失礼しましたわ。クレイン様」
「いえ。ご挨拶が遅れまして申し訳ありません。私、アリア様付騎士のクレイン・アーベルと申します。先程はリーナ様がいらっしゃらなければ、我が姫はどうなっていたかわかりません。私からもお礼申し上げます」
「・・・いえ。そんな・・私は何もできませんでしたわ。私は動転しておりましたもの・・・」
「いいえ。あなた様が通られなければ姫を見つけることもできませんでした。リーナ様には感謝しております」
「そんな大したことは・・・・」
リーナは目を伏せうつむいてしまった。
クレインはアリアの方を向きなおした。
「・・・では、私はこれにて失礼いたします。アリア様、決して無茶をされませんように!」
そういうとクレインはリーナに礼をし食堂を後にした。
なんだか、2人の会話に加わることが出来なかった。
それは、自分の情けない話ということもあるが、リーナ様の様子がいつもとちがうようだった。
「リーナ様?お顔が赤いですわ?お身体の調子でも悪いんですの?」
「・・・い、いいえ!元気ですわ。そ、それよりもアリア様。あ、足のお加減はいかがですか?」
「・・・えぇ。今は薬のおかげで痛みはありません。でも、まだ腫れの方がひきませんが・・・」
「そうですわよね・・・。あんなにひどいお怪我をされてましたもの。私、この会食はご欠席なさるかとばかり・・・」
アリアの言葉を聞き、苦しそうな顔をしたもののいつものリーナに戻っていた。
「そのつもりだったのですが、殿下に出席をしてほしいと頼まれましたので・・・」
頼まれたというか、有無を言わせない言い方だったが。
「まぁ!そうでしたの?ふふ。お兄様とアリア様はうまくいってますのね。でも、お怪我されたアリア様を無理して出席させるのはいかがなものかしらね。後でよく言っておきますわ」
何かしら誤解をしているリーナの誤解をとこうと思っていると、ミーナやナーシャが食堂へやってきて、誤解を解くことが叶わなかった。
次回、会食シーンとなります