プロローグ 2025/08/01 09:20
先ずは、
- 物語を始めますか? -
『どーでも、だんじょん』
◇◇■◇◇
あなたの居る部屋は、真っ白で何も無い部屋です。
霧でも掛かったかのような印象を受ける場所で、壁も床も見えず、視界も何処までが視えているのかはっきりしないにも関わらず、あなたの手や足、身体などは霞むことなくはっきりと判ります。
何故あなたが部屋と思ったのかというと……
この場所の、あなたの立っている少し先に在るもの。
濃い色をした、金属製の丸いドアノブのついた扉がそこに立っていたからでした。
あなたは、
-扉に近づいてみますか?-
-その場で眺めていますか?-
「ボクはその扉に近づくよ。
どんな扉なのか、しっかりと確認したいから」
あなたは近づいてゆきました。
あいかわらず、足元に在るものが床と呼べるものかよく判りませんが、踏み出した感じから思うに、普通に歩けるようです。
あなたが近づいてよく見たものは、やはり扉のようです。
木製に見えるもので、造りは簡素な感じのする扉。色は濃い茶で、真鍮を思わせるような明るく黄色味がかった、鈍い金属光沢を放つノブが付いています。
壁らしきものは見えず、扉は四角い枠へとはめ込まれていて、地面らしき何も無い場所から立っています。
「ど○でもドアだ」
あなたの思っているようなピンク色のドアではありませんが、あなたが想像した物語の中に出てくる、便利な道具にとても似ています。
-開けてみますか?-
「先ずは周りから確かめて、
本当に扉だけが、壁やどこにも固定されていない形でそこに在るのかを、扉を開けないようにして、正面や裏側、横からと触ったり近くから見ながら、しばらく観察を続けてから」
あなたは疑り深いのですね。
あなたが説明したとおりに、しばらくいろいろと調べながら観察したのですが、
木製らしき真鍮のノブの付いた濃い茶の扉が、壁などに取り付けられることもなく、細い木枠に取り付けられた状態でその場に立っているということ以外は判りません。
また、木枠やドアを揺すって動かそうとしても、それは何かに固定されているかのように、多少の力では動くこともありませんでした。
-扉を開けてみますか?-
「しょうがない。開けてみよう」
■■□■■
あなたは扉を開けました。
扉の先は真っ暗でした。
「(扉の)中には入らずに、しばらく目を慣らして、暗闇が見通せるか試してみる」
あなたがしばらく待って暗闇を覗いていると、暗さに慣れたあなたの眼には、扉の先にあるのが、岩などで出来た自然の洞窟か何かだということが判ります。
-あなたは扉をくぐってみますか?-
「あまり気が進まないなぁ。
それでも通る以外の選択肢は無さそうだから通ることにするけど……
その前にボクは、先の自然の洞窟に何か生き物の気配とか痕跡とか無いか調べるよ」
「何かある?
ここから判るかな?」
あなたは本当に疑り深いのですね。
あなたはそこから覗いて、しばらく観察を続けていましたが、よくわからなかったのでした。
一つだけ判ったのは、そこから見た限りだと、動くものは何も見えなかったし、
あなたに気になるような音や臭いも無かったことです。
「じゃあ(扉を)通ろう」
あなたが扉を潜って洞窟に降り立つと、後ろにあった扉は跡形もなく消えてしまいました。
「しまった!」
閉めてはいませんが、消えてしまいましたね。
扉のあった向こう側にも洞窟は続いています。
洞窟には僅かな勾配があり、
あなたから見て、扉から出た先は緩やかな下り、
あなたの後ろ、扉のあった向こう側は上りになっていることが判ります。
「灯りは?」
近くには見えません。
暗さに慣れたあなたの眼には、ぼんやりとした洞窟の全体像がおぼろげながらも判ります。
とはいえ、慌てて急ぐと、何かしらの危険に遭ったり、分かれ道を見逃したりして迷ってしまうかもしれませんね。
「罠とか?」
転んだり踏んだりして、石などの尖ったところで怪我をしたり、急な下りの分かれ道や崖などで戻れなくなったりとかの事故が起きることが考えられます。
ゆっくりと注意深く進むことが肝心です。
「ボクの持ち物に灯りは無いの?
あとは杖とか竿なんかの長い棒とかは?」
長い棒? 竿???
そんなもの何に使うのですか?
あなたがここに来る前から持ち歩いて居たのでなければ、そんなものは持っていませんよ。
灯りは、もしかしたらあるかもしれませんね。
「あっ、スマホのライト!
ええっと……、あったあった。」
「先ずは通信サービス無効にしてと……
(どうせアンテナなんて無いんだから)」
あなたはスマートフォンのライトを片手に、周囲を照らしています。
あなたは、
-洞窟の下る道を進みますか?-
-洞窟の上る道を辿ってゆきますか?-
その前に、棒は何に使うのですか?
どちらに倒れるかで、あなたの進む道を決めるのに使うのでしょうか。
「違うよ!
いろいろできるんだよ。前を叩いて落とし穴や何かしらの違和感を探したり、モンスターや動物の不意打ちを避けたり」
そうなんですか?
「まあ、灯りがあれば要らないけど、
10フィート(3メートル)の竿っていろいろ便利なんだよね。
若い人は知らないかな♪ 昔のダンジョン探索に必須だったらしいけど」
あなたお年寄りだったんですか?
「いや、ボクも聞いただけ(笑)」
「それよりもさー、
さっきからボクに説明してくれたり、行動の選択を迫ってくるあなたはだあれ」
「ちょっとうっとうしくなってきたんだけど」
あなたはわたしに質問を投げかけた。
わたしは、あなたの言った問いに返答を返すことにした。
-わたしはこの洞窟に棲むダンジョン-
-正しくはダンジョンコア-
-幾つもあるダンジョンコアのひとつ-
-最近生まれた小さな端末であるダンジョンコアのひとつです-
「ダンジョンコア!? この洞窟に居るの?? ここの奥に?」
-そうです。このダンジョン、洞窟の奥であなたを待っています-
-わたしがあなたをここに呼びました-
-どうかわたしと契約して、ダンジョンマスターとなっていただけないでしょうか?-
あなたは、
「えっ、なにっ?」
-ダンジョンマスターとなることをやめますか?-
-それとも、ダンジョンマスターとなりますか?-
「ねえ、先ずはボクと話をしようよ」
-つづく-
■◆■◆■◆■◆■
この回は即興でした、一気に書き上げたのですね。←その後すこし手直ししましたが(^_^;)
自分にしては珍しいことですね(°∇°;)
おそらくは交流相手の方とのやり取りで教わった、プロット、ストーリーラインを試させてもらったり見てもらったからです(●´ω`●)♪
物語の流れは(いつも通り?)考えておりますが、
今回は頭の中に置かずに文章として(台本のようなストーリーラインとして)書いております(*^-^*)b
とはいえ、教わったことが身についていないので、書くことの精査が判っていないからか、纏めていないオープニングのところを書いて最初の回が終わってますね(・・;)
それに、ネトコン間に合わなかったので、夏のホラー書きたいな~とか思ってたのに、テーマの『水』のことも忘れてるという(°∇°;)←相変わらずというかなんというか(^_^;)
まあ、いつも通りのスタートということです(o_ _)o
読んでいただきまして、どうもありがとうございました(^人^)♪