表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
1/12

プロローグ

彼は、落ちていた。


耳を裂く風がうなり、視界は白い霧と砕けた水飛沫に覆われる。

空も、大地も、水も──すべてが逆巻き、溶け合い、消えていく。


その渦中に、トマス・ベインはいた。

冷静だった。

滝の縁に投げ出されたというのに、彼の心は、不思議なほど静かだった。


落ちる間際、彼は見た。


傾く船体。

巨大な帆船──調査船《ヴァレンティア号》。

砕けたマスト、引き裂かれた帆。

そして──


空を裂くように現れた、虹色の光。

どこにも属さない、誰も知らない、異質な輝き。


それは、世界の向こう側から漏れ出してきたもののようだった。


トマスは、目を閉じた。

脳裏に、過去が蘇る。

すべての始まり──

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ