ゆいこのトライアングルレッスンU〜CAゆいこのドキドキ空の旅〜
トライアングルレッスンウィーク!
毎日投稿中。
今日は、作者のお気に入りストーリーです笑
「アテンションプリーズ!」
キャビンアテンダントになったわたしは、今日も空を飛ぶ。
「ひろしー!」
「誰かと思えば、危なっかしいCAさんか」
「何よぉ!」
「ちゃんと、落ち着いて行動するんだぞ? ゆいこはおっちょこちょいなんだから」
「チーフパーサーに言われなくても分かってますぅー」
「今日は可愛いCAさんも一緒かな?」
頭をポンポンされ、振り返るとたくみがいた。
「二人とも頑張ってくれたまえ! 機長になった俺が最高のフライトにしてやるぜ!」
「お前、浮かれてんじゃねーぞ。地に足がついてない」
「空の上じゃ、地に足はつかねーからよ!」
「そういうことじゃないだろ」
「ゆいこ、俺は今日が来るのをずっと待ってた」
「たくみの夢だったもんね!」
「なぁ、俺と人生のフライトも一緒にしてくれないか?」
「へっ!?」
「返事は、着陸した時に聞かせてくれ」
「おい、たくみ! 今のはどういう意味だ!」
ひろしが珍しく声を荒げた。
「そのままの意味さ」
そう言うと、たくみは立ち去った。
「ひろし…?」
わたしは、恐る恐るひろしに声をかける。
「アイツのこと…好きなのか?」
「えっ!?」
「だから、今日まで追いかけて来たのか?」
「な、何言ってるのよ! わたし達はずっと、3人一緒だったじゃない!」
「でも、人生を共にフライトできるのは、どうしたって1人なんだよ。俺達は、もうとっくに大人だ…」
わたしはずっと、この関係が好きだった。
どっちつかずの割り切れない、この気持ち。
「なぁ、俺じゃダメなのか?」
後ろから抱きしめられ、ひろしのぬくもりを感じる。
「俺は、これからもゆいこの隣にいたい」
オー! ヘルプミー!
離陸前に、ビーフorチキンみたいなことさせないでよぉ!
自分の鼓動がうるさくて、たまらなかった。
本日はトライアングル航空 917便 トキメキ空港行きをご利用頂きまして、誠にありがとうございます。
当機は、まもなく離陸致します。
お座席のシートベルトと、恋心をもう一度確認の上、しっかりとお締めください。お座席のリクライニング、テーブルは元の位置にお戻しください。
なお、塾の帰りに迎えに来てくれた、あの頃には戻れません…。
トキメキ空港までの飛行時間は2時間30分を予定しております。
当機の機長はたくみ、チーフパーサーはひろしでございます。
また、本日は飛行中、心が揺れることが予想されております。シートベルト着用サインが消えましても、お座席ではシートベルトをお締めくださいますようお願い致します。
携帯電話など電波を発する電子機器や曖昧な関係は、お切りになるか、恋人モードへの切り替えをお願い致します。
素敵な空の旅を、どうぞドキドキしながらお過ごしください!?
2時間30分後、わたしは2人になんと伝えるのだろう…。
明日は、おまけ!
熱波師たくみの熱い愛をお届けします。