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宅配承りますーー異界にて  作者: 瑠璃川香
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パルヴァンティ(工房)

案内された工房の方へと足を向けると右手にはなだらかな山々が見え、左手は海が近いらしく、理路整然として統一された外観を持つ家々と相まって、それは風光明媚な景色が広がっていた。

そして、その中腹辺りから階段状の水路を挟むように、三層程に分かれて点在している建物が工房なのだと教えられた。それらはアイボリー色で丸いフォルムの屋根に統一して造られており、豊かな水量のせいか、流れ落ち跳ね上がる水しぶきが陽に反射してキラキラと輝くさまは、地球での西欧諸国にある観光名所を彷彿とさせるものだった。


そこからさらに見上げると、遥か頂の向こうまでうっそうとした森に囲まれた山々が続いている。おそらくその辺りに、フィルメスから聞いた彼の故郷であるアルーヴァ族の集落があるのだろう。



緩やかな上り坂を進むと、壁越しに見える簡素な建物に反して、西洋の城などで見掛けるような蔓草模様に花をあしらった鉄製の重厚な門扉があり、その両脇には槍のような物を携えた、どうやら猫科であるらしい獣人が二人、彫像の如く微動だにせず立っているのが眼に入った。

工房に近付くにつれ、アーチ型のフェンス、そこから覗く低木や花々はいかにも開放感に溢れてはいるが、その門扉と警備兵の存在がここが重要施設なのだという事を差し示していた。



外見から警備兵は男女のようで、女性の方は、やはり猫科の獣人らしく、その特徴が猫の種類の内、ロシアンブルー種に属するのではないかと渡琉には感じられた。短毛の毛並みはシルバーに輝く深みのあるグレーで、神秘的なエメラルドグリーンの瞳がそれを物語っていたからだ。


彼女の服装は街中で見掛けた人達とは異なり、細い白線の縁取りを施した、肩にケープのあるウェストを絞った黒いペリース風マント、あまり女性の服装に詳しくは無いがビスチェに近いデザインのショート丈ワンピース、革製の籠手に揃いの膝まであるブーツを履いていた。そして、槍の先端には刃では無く、代わりに水晶のような形をしたルビー色の石がはめこまれている。見た目は長く槍のようではあるが役割としてはメイスに近い物かも知れない。



一方男性の方はと見ると、メインクーン種に近い特徴があり、縞模様の長毛で瞳は鮮やかなブルー、服装はケープの無いストレートなローアンバー色の、彼女と似たようなペリース風のマントを羽織っていることから、おそらくそれが警備兵にとっての制服にあたるものなのだろうと渡琉は思った。


彼の槍は門の壁に立て掛けてあり、その先端には銀色の台座の上に、丸い大理石のような物が付いており、その他に腰に警棒のような長い物を下げていた。マントの下はタキシードのようなジャケットとタイトなパンツで腕には革の籠手、足元はアモンと同じ様な物を履いていることから獣人の人達にとって、あれは日本風に言うと足袋やわらじにあたるような物なのかも知れないと思われた。



門前へと辿り着くと、男性の警備兵により門が開けられ、続いて入ろうとした渡琉は、いきなり女性の警備兵に槍を向けられ行く手を阻まれてしまった。


「おい、彼は渡守さんの家族だ。失礼だろうが」


警備兵の間に割って入ったのはアモンだった。



だが、彼女はその言葉を意に介さず、厳しい眼差しを渡琉に向けた。


「いいえ、例えこれが渡守様の客人であったとしても、初対面の者を素通りさせるわけには参りません」


ここが重要施設である以上は彼女の言い分はもっともだったし、先程……正直に言ってしまえば、リアルな異界に存在する獣人であり、しかも警備兵である事にテンションが上がっていて、それこそ事細かに不躾な視線向けてしまっていたかも知れず、それを悟られてのことかもしれない、そう思った渡琉はひとまず黙って頭を下げたのだった。


「失礼しました。俺は渡守の孫で渡琉と言います。フィルメスさんからこちらの工房を見学させていただけるとのことで同行させて頂きました。ご覧の通り武器などは所有していませんが、念のため調べて貰っても構いません」


彼女は渡琉の対応に何故か呆気に取られている様子だったが、その時、二人の間にもう一人の警備兵が割って入った。



「失礼致しました。職務に忠実なのは良いのですが新参者ゆえ、融通性に欠ける点はお許し下さい。問題はありませんのでどうぞお入り下さい」


彼はそう言って丁寧に会釈をしたが、事の次第を見守っていたフィルメスが彼女の元へと近付いた。


「ヴィオレン、申し訳なかった。事前に訪問者情報を伝えておくべきだったね。

勿論、君とグラストの忠実な仕事ぶりはとても助かっているよ。今日の所は、私と渡守が彼の身元を保証するから通して貰えるだろうか?」


そしてそれに続くように祖父もまた彼女に向かって頭を下げた。


「私からもフィルメスと事前の打ち合わせをしておかなかった事を謝罪しよう。孫とは言え、もし何か不祥事が起きるようなら全ての責任は私が負うつもりだ」


工房の主であるフィルメス、その客人であり、アモンとも顔見知りの祖父、その二人に謝罪された彼女は言葉も無い様子で……


「承知致しました。どうぞお通り下さい」と無表情のまま軽く会釈した。


通り過ぎる刹那、未だ納得のいかないような彼女の困惑した表情と、がっしりとその槍に手を添えるグラストの姿が眼に入り思わず振り返ると、彼の肩ををポンと叩いて苦笑を浮かべるアモンの表情が見て取れた。


よくよく見れば彼女はまだうら若い感じで、自分に近い年頃なのかもしれない、彼とアモンはどうやら同世代のようだ。渡琉はその事に、一見しただけで人と同じように獣人を判別する事の危うさと難しさを改めて感じるのだった。




その後、案内された工房は豊富な水源を効率よく利用するため、それぞれ作業工程や製品によって三層に分けているのだと教えられた。


一層目は研修所と工房があり、研修所では、山から下りたアルーヴァやハーフエルヴ達が講師となり独自の技術を伝授したり、水操作を後進に継承するための講義や実践なども行われていた。


そこでフィルメスは、水を操る能力とはアルーヴァ族のみが扱えるものであり、それは恐らくアルーヴァ族が住む山の環境や長い歴史によるものらしく、その能力を敢えて言葉にするなら、自然の力、或いは精霊のような力を借り受けることが出来るからではないかと言う事を語ってくれた。

そして今現在は、ハーフアルヴである自分が試行錯誤の上、アルーヴァである一族の者よりも高度な水操作を行えるようになっており、祖父曰わく、その技術は日本で言う所のウォータージェットと同等と言える高度な操作性能を備えているのだという。


続いて向かったもう一つの工房では、主に帆船や大型製品などの部品を作っていて、その組み立ては海岸付近にある工場で行われているとの事だった。



二層目を訪れるとそこでは、主に武器(この国に戦闘用に特化した武器の製造は行われておらず、どちらかと言えば防衛を目的とし、装飾性が高く実戦的に使おうと思えば使えるが、それはあくまで使用者の技量による所が大きいのだという)や造船部品などの金属加工製品を中心に作製しており、ここでも製作過程において水はとても有効な役割を担っているのが見てとれた。


こうして見て回ると、地球ではその殆どが機械化され、人の手が加えられる事の極端に少ない工場などのイメージが強くあり、全てが人の手による作業工程は、渡琉に新鮮な驚きを幾つも与えてくれた。



そして一番上にある三層目の工房は今までとは異なっていて、新たに門を配する事で他と分けられている事から、ここは更に重要度の高い施設という事なのだろう。その中にはフィルメスの住居と時計のような精密部品や細工物の工房と、フロウトからの受注品やその他の開発製品を作製している工房などが併設されているのだそうだ。


中に入る際、祖父はアモンと訓練所に顔出ししてくるとのことだったので、渡琉は一人フィルメスに案内してもらうことになった。


工房の玄関フロアを入ると、待合室のような広間とドアに隔てられた部屋が三部屋ほど並んでいた。その一つでは主に時計を中心に製作しているとの事だ。それというのも、時計はパルヴァンティのみならずその他の国にまで普及しており、今や人々の生活に欠かせない物となっているからだという。手順にしたがって見せてもらうと、間近で目にするその技術はそれは細やかな職人技で、流れるような手作業で部品が組み上がって行く光景は時間を忘れ去ってしまうほどに興味深いものだった。



それから次の部屋へ向かうと、そこでは透明の仕切りがあるパイプに水路から水を引き込み、その中に部品を入れて洗浄作業を行っているのだという。説明によると、精密部品には製作の過程で目に見えないバリのような物が付着しており、完成品の誤作動を防ぐためにはミクロレベルの洗浄が必要であり、その際使用される水は純粋であればあるほどいいとの事だ。


渡琉にとって時計とは、研修中にスマホで時間確認する事の不便さから、手元を見れば直ぐに時間を確認出来る腕時計は今や手放せない物となっているが、正確な時を刻む時計の精度が、こうした緻密な作業に支えられて成り立っていた事を改めて知り、感慨を覚えるのだった。


そして渡琉はフィルメスからその中にいたスタッフの一人を紹介された。


彼の名はヴェレ、スタッフリーダーであり、見た目は人と変わらないが陸に上がった魚人族の末裔なのだという。確かに彼の手元を見ると、指の間に水かきのようなものがあり、髪や肌の色も幾分か色素が薄い感じだった。彼はフィルメスがスカウトしてきたらしく、水に関わる一族であるからか短期間で水操作を習得出来たようで、今では欠かせない戦力となっているとの事であった。


その後、奥の別室へと案内された渡琉は、部屋にある陳列棚の中に幾つか見覚えのある物を見つけて、フィルメスを振り返った。


「ここにあるのは、もしかしてフロウトの製品ですか? 」



「そうです。先程彼を紹介したのは、今後、より精密な製品開発のために水操作の能力で超純粋を造り、そこに超音波のような振動を与えることでより高度な洗浄作業を目指していたのですが、彼にもその水操作が出来るようになって来たので、設計段階と完成品においてまだ直接関わってはいませんが、部品の段階で任せている物もあって、いずれ将来的には君とも顔を合わせることが増えて行くかと思いましてね?


もちろん超純粋や超音波という言い回しは言い換えて、それが渡守からもたらされた情報であることは秘匿していますが……

渡琉君、君に今このような話をするのは……まだ確信はありません。しかし、彼と接する機会が増えるにつれてどうやら、彼も転生者である可能性が高くなって来たんです」



なるほど、と、渡琉はもう一度、研修先でも何度か目にしたフロウトの製品をゆっくりと見て回った。自分や一族が異界の人間であった事を知ってから渡琉は、異界との繋がりをより深く感じるようになっていたが、それを知る以前から、異界パルヴァンティはフロウトの製品を介して祖父らと長い時を重ね、深く重要な関わり果たしてくれていたのだった。

そしてそれは、異界に関わる以上渡琉も部外者では無いのだ。主だった仕事が召喚者の救出であったとしても、フロウトの製品が異界と繋がりがある以上、いずれ渡琉も仲介のような役割か、新たな製品を生み出す担い手になるかも知れないのだ。だからこそ、今フィルメスはヴェレを紹介することで、自分にその未来を指し示してくれたのだろう。


「フィルメスさん、ありがとうございます。そうですね……ヴェレさんとは、この先いつになるかは解りませんが、俺も、祖父と貴方のような関係を築いて行けたらと思ってますよ?」


渡琉の言葉にフィルメスは嬉しそうに頷いてくれた。


「ヴェレの事でもう一つ伝えておきましょうか。元々転生者については渡守とも意見を重ねていましたが、そもそも私が渡守と友人になっていなければ気付く事など出来なかったかも知れません。

彼が転生者ではないかと気付くきっかけになったのが、何気ない日常会話を交わしていた最中でした。会話の中に造船に関する専門用語が出て来ましてね? ……蒸気船、パルヴァンティでは構想を練った事もありましたが環境問題を考慮して断念した物です。無論彼は知識としての単語を口にだしただけのようで、その言葉を発した事にはに気付いていませんでした。

今の所、彼には邪な野心なども見受けられないようなので、暫くは見守っていくつもりです」



その後、フィルメスからは各々の製品について開発秘話などを聞かせて貰っていたのだが、丁度そこへ祖父が訓練所から戻ったようで部屋へと入ってきた。


祖父は入るなり、一息吐くようにソファへと腰を降ろした。その様子に目を向けると、どうやら訓練はかなり激しいものだったようで、祖父には珍しく額に汗が滲んでいるのが見えた。

そして、人心地ついたらしい祖父は、渡琉に工房を見学しての感想を聞いてきた。


「どうだ渡琉、何か思うところはあったか?」


「うん、なんとなくだけど……見て回ってみると工房製品の水準は凄く高いのに、出来上がった製品はこの世界の環境や人々が営む日々の生活を一変させるような物ではなかったんだ。その理由は……おそらく緩やかに生活水準を向上させながらも、自然に違和感なく環境を整備して行けるようにと考えたからだろうと思ったんだ。

それと、ここでフロウトの製品を見て一つ気付いたことがある。それは、フロウトの業種だよ……何故その立ち位置なのかという理由もようやく解った気がする。

初期段階に関わる訳でも無く、完成品でヒットを狙うわけでもない。丁度その中間、高品質を目指しつつコストを抑えるなら製作段階で効率化を図るしかない、その分野には手法によって無限の可能性があるし……そしてその開発をパルヴァンティに依頼しているのは”異界”だから。文明に振り回される事の少ないここでなら、一つに囚われる事が無い視野の広さを最大限に利用出来るからなんじゃないかって。


無償の救済には、莫大な費用が掛かりそうだし……」


渡琉がそう言い終えると、何故か祖父とフィルメスは感慨深げに互いに顔を見合わせていた。


「そうか……お前がそこまでの考えを聞かせてくれるとは、私はとんだ取り越し苦労をしていた事になるな。渡琉、私がお前をここに連れてきたのは、もちろん異界というものを体験してもらう目的もあったが、お前に対する罪滅ぼしの意味もあったんだ」


「爺さま……どうしてそんな……」


祖父の意外な言葉に、渡琉はその先の言葉を続けることが出来なかった。


「お前が異界での仕事を二つ返事で引き受けてくれたことは本当に嬉しかったし、もちろん好奇心やその場の勢いだけでそうした訳では無いことも、お前の表情を見ていればよく解った。

だが、その一方で、お前が中学生の頃からフロウトへの入社を視野に入れていただろうことは解っていたし、それからもお前はずっと変わらず、何事にも手を抜くことなく研修にまで参加して、資格の取得にすら挑戦していた。

異界のことを知らなければお前は今頃……あれほど希望していたフロウトで仕事をしながら充実した日々を送っていただろう。だからこそ、異界での仕事であってもそれはフロウトと常に密接な繋がりがあり、その根幹を支えてきたのが他でもない、異界なのだと知って欲しかったんだ」


意外だった……祖父はやり手だが、有無を言わさず付いて来いというタイプでは無い。相手の了承を把握したうえで自ら動き、実践を通して鍛え上げて行く人で、目上だからと我慢して従っていたなら、そんなことは簡単に見抜いてしまえる洞察力がある筈で……事実、研修先で新入社員と接する中で、そんな場面を渡琉自身幾度も目にしているのだ。


そうでは無いと渡琉が祖父に言う前に、フィルメスが苦笑を浮かべながら近付いて来て祖父との間に割って入った。


「渡守、ようく解る。解りすぎる位に解るが……その一方で、君の意外な一面を見られて嬉しくもあるよ。

渡琉君、もう渡琉……と呼ばせて貰っていいかな? 自覚が無いのだろうな、渡守は。物事はしっかりと見えていて常に的確な判断が出来るのに、君の心情に限ってはそれが出来ないんだよ。

可愛い孫だからね、愛情というフィルターが掛かるから読み切れない。私にも孫……いやひ孫に玄孫までいるからね? 孫の可愛さというものは子どもに対するものとはまた違っていてね。まして渡守の場合は、その可愛い孫が全幅の信頼を寄せながらも、自分と同じ道を目指してくれると言うのだから、曇りもするわけだ。

私や、おそらく都次には見えているが……渡琉、少し待合室で待っていてくれるかい?

渡守に祖父の心得を叩き込んでおくからね?」


フィルメスの言わんとしている事はなんとなく理解出来たが、祖父への思いを改めて言葉にされてしまうと、なんだか少し気恥ずかしい感じがした。そして、それと同時に気の置けない二人の関係を目の当たりにして、永い年月を経て培われ来た深い絆を感じて羨ましくもあった。



暫くしてドアを出て来た祖父の顔は、先程垣間見えた、気落ちしたような様子もすっかり消えてはいたがどこか照れくさそうで、いささか視線の置き所に困っているようだった。

渡琉は会えて祖父には声を掛けず、続いて姿を見せたフィルメスに向かって丁寧に頭を下げた。


「色々とお世話になりました。これからもよろしくお願いします。また次回には製品が出来上がるまでの工程をじっくり見学させて下さい」


「もちろんだ、楽しみにしているよ。いつでも遠慮無く訪ねて来てくれ」


フィルメスに見送られて下へと続く階段に差し掛かった時、渡琉は祖父の方を振り返ってみたのだが、そこにはもういつもの泰然自若とした祖父がいた。それならと、渡琉は祖父の勘違いを自ら訂正する事に決めたのだった。


「爺さま、この仕事を引き受ける時に言った筈だけど、解ってなかったんだな?

俺の希望はフロウトで働く事じゃ無い。

俺は……フロウトの会長である爺さまの元で働きたかっただけだ、中学の頃からずっと変わらずにな!」


祖父の目が一瞬見開かれた気がしたが、渡琉はそれを確かめなかった。そして、その返事を待つこと無く、一人足早に階段を駆け下りて行くのだった。





祖父と合流し、工房を後にする道すがら何気なく振り返って見ると、グラストがこちらに気が付いて手を振るのが見えた。かたやヴィオレンの方はと見れば全く微動だにせず、彫像のように警護の姿勢を崩さぬままだった。


門前でのやり取りを振り返って、信用を得るという先行きは長い道のりになりそうだと渡琉は思いを新たにするのだったが……


その時突然、目の端に意外な人影が映り込んだかと思うと、その影は瞬く間に空を駆け上がって行った。


人影はどうやら山の中腹辺りから飛び立ったようだ。遠目の事ではっきりとはしないがその姿は似てはいるが明らかに鳥そのものではなかったから、どうやら大型の猛禽類にあたる種族なのではないだろうか?


悠然としたその姿を眺めていると、まるでこちらの視線に気付いたようにその人物は上空を旋回して見せたのだった。そして、あっという間にその姿は空の彼方へと消えて行った……


またいつか出会えるだろうか?


この出会いは、異界訪問の締めくくりとして申し分の無いひと時の邂逅だった……






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