訓練
「ルク、訓練しようか」
唐突に言い放つ。
「どういいた?いきなり」
「いやー、今まで訓練した事と無くて」
ズッコッ
盛大にこけた音がしたのでそちらを見ると。ルクがこけていたが、ルクは無かったかのように、立ち上がった。さらに信じられない顔をしていた。何だかんだで、転生したこと話せてないな。如何したものか。嫌われたら、さすがに怖すぎる。機会が有ったらにしよう。などと考えていると。
「そうか。戦闘初心者か。むふふっ。そうか私より下手なのか。そうかそうか」
何やら、残念なこと思ってるのが見え透けているけど。乗ってみるか。
「俺には、戦う力がない。どうか、どうか俺に戦いの手ほどきを教えてくれ!」
手を握りルクの目を見つめながら、はっきりと言い放った。
ルクは、初めはぽかんとしていたが、状況が飲み込めて来たのか次第に片手を腰、片手を握って天に突き上げこう言い放った。「よし良いだろう。この偉大なる私が直々に教えてやる!」と。残念ポーズのまま。だが俺は残念だなんて思わなかった。だって、赤を基調としたかっこいい感じのビキニアーマーだから。腕を天に突き出した時なんて最高だ。あの、たわわなおっぱいが動くのだ。もうこの人が優勝で良いんじゃないだろうか。
(何が優勝なのですか?私はまだ負けてませんよ)
イティムには聞こえないくらいの思念でプラムがつぶやく。
ん?何でプラムが拗ねてるんだ?
(何でもありません)
ん?いつも通りに戻ったな。さっきのは何だったんだ?
そんな一瞬の会話が終わると。
「何も出来ないんだよな」
魔力を練っていたことを話すと、また考えだし。意外とこう言うことはちゃんと出きるらしい。
今持っているスキル聞かれたので答えた。
イティム
幸運 魔力操作 存在感知 天使召喚 毒耐性
大叡智は隠しておいた、一応凄いスキルらしいから。信じていない、いるに関わらず俺の切り札っだからだ。
プリムには実際のところ、俺細かい事苦手だから、大助かりしてる。なんたって、俺の相棒だからな!
「イティムだけ教えているのは不公平だから、私も教えるぞ」
そう言うものなのか。でも、気配消すのは俺より得意ってことだよな。まぁ、生まれてすぐの俺と比べられてもだが。
ルクスリア
全武器適性 炎魔法 自己再生 状態異常無効 魔力操作 存在感知
「全武器適性って凄いな。炎魔法か!髪の色と一緒だな!くー、羨ましい」
ルクは、凄いでにやけ。髪の色と一緒で高笑いをし。羨ましいで、どや顔まで。悔しい。悔しいなんて、初めて思ったな。やっぱ、魔王の娘って凄いんだな。一人で魔の森をうろちょりょしてるみたいだし。でも、揺れる胸だけは、世界一だ。
(……)
もうこれ拗ねてるよね。完全に。でも、お前がいるから一人で森の中にいた時も怖くなかったんだからな!比べてる基準が違うだろ。それに、俺とお前は約束したじゃないか!
(!)
お前は忘れたのか!?あの約束を!いつか顕現し、女になって、巨乳になりたいんじゃないのか!俺は待っている。先にちょっと歩いているだけだ。お前ならついてこれる!さあ、へこたれずにいくぞ!
(イティム様……私頑張ります。正妻になるために!)
せ、正妻!?俺優劣つけたくないんだけど。喧嘩何て……。
俺がぼそぼそ言っている内に、プラムはやる気を出し、すねていたことなんて無かった様に生き生きとしていた。
「何涙を流している。まさか!そんなに私に習いたいのか!!をぉーー!」
今まで見たことが無いくらいルクはキラキラしていた。
「いや、別に……」
そう言い放たとたんルクは目をウルウルさせ次第には、涙を流し始め。最終的には地面に背をつけ赤ちゃんみたいに、それは盛大に駄々をこね始めた。
「ワ――、ぃま、別にって、っぅ、別にって、ワ――」
もしかしてかなりの我儘で御らっしゃる?俺は、直ぐに前言を撤回をし、ルクを慰めに入ったのだった。泣き止むまでに一時間かかり、その後は泣きつかれて俺に抱き着いて寝てしまった。胸が当たるのは嬉しいが。大変だった。此れからは気を付けよう。
それにしても、髪凄く綺麗な赤色だな。ルクの破天荒ぶりを表しているみたいだ。
「綺麗な顔だな」
あたりを温かい風が吹き、雲一つない空に浮かぶ、沈み始めた太陽がやけに綺麗だった。
「っん、いてぃむ?」
陽が沈んだごろ。ルクがようやく目を覚ましたみたいだ。俺の膝の上で起きたルクは、目を擦りながら起き上がり。しばらくぼけーとする。次第に思考がしっかりしてくると。初めに元気に言い放った。
「訓練するぞ!」
やっぱりルクはこうじゃなきゃな。俺は、直ぐに返事をし立ち上がった。
ちなみにルクが寝ている間に、いろいろなスキルを得た。成果がこれだ。
イティム
魔力操作→魔力精密操作 魔糸 全魔法
さらに、スキルじゃないが、魔力を体に纏身体強化。自分の分身で刀を作った。これは、俺の体が魔力を通すと硬くなるのを利用し、そもそも武器が欲しかったので作った。魔力の練度で硬さが変わる。誰かっていうより、ルクにあげるため自分の分身、スライムを作り、しまう時には肌に馴染ませれる様したのだ。
この後、魔法を一回見て大叡智がパクリ、それがルクにばれ拗ねてそれを慰めるためにルクが寝てる時に作った武器になるスライムを挙げ、気に入らなかったのかさらに拗ね、今度はルクが意地になって、テコでも動かなくなった。なので食べてなかった夕ご飯の狩に行き、猪二頭をルクが平らげ機嫌が直る。今度は少し拗ねながら、一緒に強くなろうと言われたので、もちろんと答えると、抱き着いてきて、理性と俺の戦いを乗り越え魔法の習得に二人で入り、今日は水浴びを一緒に入った。その時、俺はちゃんとルクの体を脳内に保存してこうつぶやいた。
「愛の神様は優しくない」
悔し涙を流しながら、俺は誓った。王になろうと。究極のハーレムの王に。
「ほら、ぶつぶつ呟いてないで。速く寝るぞ!」
ルクに頭をたたかれ、服を着る。
そう言えば、この服なんか初めから着ていて見て無かったが、ザ・村人に黒のいかしたコート。ナニコレダサい。
「はーやーく。寝るぞ」
ルクに急かされながら二人で寝に入ろうとし。気づく。見張りは?
(はい、イティム様と、ルクスリアのオーラによってここら一帯は安全です。狩りに行った時も猪逃げてましたよね?それに、何かあったら私が起こします)
あー、そうか。じゃ
「お休み」
「おやすみぃ」
(お休みなさい)
次の日からはスムーズだった。ルクも初めて直ぐでスライムを使いこなし。ガントレットや剣にしていた。
俺初め、ガントレットじゃなくて手が岩になってたんだけど……。く、悔しい。これが格差なのか。
そんな泣き言などあっという間に忘れ。ルクに刀や他の武器の基本の型を一通り教わっていた。
何たら剣術を教えてもらい。今日も終わった。
さらに次の日は魔法の練習も。
また次の日には、魔力を練る練習を。
何週間たった日。
「ここら一帯を支配しよう!」
いきなりルクが言い出し、吃驚していて上手く言葉が出ないでいると。
「私は偉いのだ!だから、お、お、おうひに……あー、今のなし、なしで!」
拳を天に、残念ポーズをつけて。次第にアワアワしだした。
「流石にそんな安易な考えの支配って可哀そうだろ。それに俺達より強い勢力があるかもしれんぞ」
なぁプラムこの辺りの勢力って?
(北に南より弱い勢力が。南は北西に妖怪が、東に冥界から離れた悪魔が、南に堕天使がいます。今は争っていないはずですが。今のイティム様たちでは多勢に無勢です)
そうか。ありがとな。支配は別にして、住んでいるところを見に行くのはいいかもな。好みの女性がいるかもだし。それが、ハーレムへの第一歩になるはずだ。
「まずは見学が良いんじゃないか?いきなり配下になれなんて言ったて、聞くはずがないだろ。…………いや待てよそうか。魔王になれば偉くなれるか」
なんかしゅんてされると可哀そうに見えてくる。いつもあんな元気だからな。何かある旅に騒ぐしな。まあ、楽しくなるんだけれども。
「まずは、北に行こう。何か面白い物有るかもしれんぞ」
元気一杯にルクが宣言したのを機会に俺達は動き出した。
「そうだな。そうだな!よし、行くぞ!」
二人は知らずに行く、今までの全てを壊すほどの現実を見ることを。