高嶋さん
彼女の名は高嶋さん。
好きでもない男と結婚させられ、姑にイビられ続けた挙げ句、逃げる様に人の寄り付かない崖のたて穴に一人で暮らしている。
時折、商店街に現れては店の人に頭を下げ、食料を分けて貰っている有名人だ。
ある時、高嶋さんは四人の子供を連れた若い男と出会った。
まだ、赤ん坊の末っ子はぐったりしていて顔色が悪い。
子供好きの高嶋さんは、ほっておけず若い男から赤ん坊を預かり、幼馴染みの医者に頼み込んで赤ん坊を診てもらった。
赤ん坊は栄養失調状態だった。
そう言えば若い男も他の子供たちも痩せこけていた。
高嶋さんは何も聞かず、この父子達の世話を焼き始めた。
高嶋さんは結婚する前の若い頃、現在の夫とその友人に犯されて以来、男性不信ではあったが、この父子達を見捨てる事は出来なかった。
夫はこの土地の名士の一人っ子で我儘に育ち、誰も彼を咎める者は居なかった。
高嶋さんは、孤児院で育ち家族も居なかった為、一人息子を溺愛する姑から目の敵にされていた。
若い男は遠藤と名乗り、子供達は小学三年生の尊、小学一年生の華、三歳の水城、生後十か月の智と言う。
遠藤は失業し、払う物も払えず、食うにも食えない程に困窮していた。
遠藤の妻は幼い子供達を遠藤に任せ、夜の街に働きに出たが、そこで新しい男を作って出て行ってしまった。
高嶋さんの住処で訳ありの六人の共同生活が始まった。
高嶋さんは夫と姑の住む豪邸に赴き、姑になじられながら、自分の私物を取り返すと質屋へ向かい当面の生活費を捻出した。
と言う夢を見ました。
その後、高嶋さんがどうなったのかはわかりません。