10話
【登場人物】
リーズリット・リリラリル、13歳、背は低め、陽の光に透かすと白く輝くオレンジ色で柔らかく長い髪、統一王国の第三皇女、可愛くて外面は良いため“孫と婚約してほしい王族”ランキングで毎年トップを獲得している。
ルーシー・グリット、見た目は15歳ぐらい、背は普通、銀色に近い白の長髪をおだんごに纏めている、古くから王国に仕えているエルフの少女、リーズリットの専属メイドになってから“相手の言動を疑うこと”を覚えた。
「あら、ごきげんよう、リーズリット様」
「ルーシー」
「こんなところでなにをなさっているのですか?」
「理科のおべんきょう」
「ほう、なにかお手伝いいたしましょ――リーズリット様、この岩塊は……銅ではないですか?」
「いや、どうだろうか」
「えっ、銅ではないのですか?」
「銅、大きい結晶が採れたらしいから譲ってもらった」
「なるほど……」
「急にどうしたの? もっと近くでお話ししようよ」
「申し訳ございません、エルフは銅が苦手でして……」
「へえ、そうなんだ、シラナカッタ」
「ですので、ちょっとお手伝いはできないかもしれないです」
「大丈夫、どうせあとで役に立ってもらうから」
「ぅん? いえ、わかりました。お心遣い痛み入ります」
「くるしゅーない」
「理科の勉強ということは、なにか実験でもするのですか?」
「うん、見ていく?」
「はい、お邪魔でなければ」
「わたしの魔力、食べていいよ」
「……確か、リーズリット様は12歳になられたばかりですよね?」
「うん、この前お誕生日パーティーやった――こわい?」
「いえ、少し驚きはしましたが」
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