表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
普段は少女!?呪いを掛けられた剣聖麗人と共に!!  作者: 犬飼
第三章 シャルロット救出編
57/57

「第三話」  戦う者

 背後を捉えた僚太はスカディナを振り下ろすと耳障りな音を立てて剣先は男の肉を深く抉るように進んでいく、だがそのまま前に転がる男は反転すると僚太の首元を狙い掴みかかった。

 だがその手が僚太を掴むことは無い、なぜならその伸びた腕を駆け抜けて行くハイネスが断って行ったからだ。

 宙へと勢いよく飛んだ右腕は血潮をまき散らしながら地へと落ちる、だがどうやらこの男の精神は並みの者より強いらしく叫び声を上げることなく二人を睨むとハイネスは不敵な笑み浮かべる。



「どうやら私としたことが過小評価してたようだ、腕を飛ばされても尚戦う事を選ぶか? あぁだがお前のような奴は嫌いじゃない__すこし面白くなってきたぞ」


「ハイネスさん、あんたのその顔ただの戦闘狂なんじゃ__すこし怖いんだけど」


「死霊やバケモノばかりが相手だったからな、まともに人間とやり合うのは久しい__数年前ならあの男はさぞ名の有る者になっていただろう」


「まぁ俺には関係ないんでいいですけどね、今はあいつを倒すのに集中してくださいよッ!!」



 スカディナを横に構え再び駆け出す僚太は内心焦りをみせていた、ゴロツキにここまで苦戦している自分がキーファに勝てるのか。

 いや正直に言うとキーファには苦戦などしないだろう、問題はあの剣捌きを見せつけてきた少女がいるのだ。

 何もできずに致命傷を自分に与えてきた剣の動きを見切る事ができるのか、そんな不安が頭の中を駆け巡る。

 その不安を煽るようにローズやレベッカ、フランカの顔を思い浮かべてしまう。



「俺はきっと三人の元にシャルロットを返すんだっての__だから俺はお前等を乗り越えてシャルロットを連れもどす!!」


「舐めるなぁぁ!! お前如きなんて片腕で十分じゃ~」


「過信と自信は違うぜオッサン、これで終いにしようや!!」



 姿勢を低くして滑り込ませた体を捻ると男の喉元へと切っ先を滑り込ませようとしたその時、男の首元からキラリと光るペンダントの飾りの中身が僚太の目に映る。

 ペンダントの中央にはこの男と女性と小さな少女の姿があった、一瞬の間と静寂さの空気が僚太と男を包む。

 ギリギリで止まるスカディナを握りしめる僚太の額からは汗、息すら飲み込むのを躊躇する男。

 前に立ちはだかる男にも守りたいものがあるのか、この男からしたら得体の知れない自分こそが悪であるのかもしれない、スカディナを引こうとした瞬間に前に立つ男は瞬く間に灰へと変わっていくとペンダントすらも焦げていく。

 僚太は振り返るとハイネスが剣を振り終えた後であり、そのたった一振りが男を灰にした光景を目の当たりにした。



「貴殿はあまいな、それであの男に情けをかけたつもりか......」


「勝負はついていただろ、とどめを刺す必要なんてあったのか」


「ならばこちらも聞こうか、奴を生かしとく理由が貴殿にはあるというのか?」


「いや、だが戦う意思がない奴を殺す必要は__」


「殺気をちゃんと感じ取れないのだな、人間には感情を隠せない......それは相手の目を見れば大抵はわかる、勝負はついていただと? 貴殿のそれはただの過信だ、そのあまさを奴等は利用してくる、いや奴等だけじゃない、貴殿の前に立つ者達は冷酷であり無慈悲だ......それだけは肝に銘じておけ、貴殿の為にもな」



 剣を収めたハイネスはそのまま足早に去って行く、取り残された僚太はスカディナを見つめた。

 眼を見れば分る、そんな言葉をどこかで聞いた覚えが僚太にはあった、忘れかけていた記憶を手さぐりにクロウを思い出す僚太の頬を流れる物が一粒、薄汚れた袖で拭って自分の顔を勢い良く叩く僚太は一呼吸するとハイネスの後を追っていく。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ