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普段は少女!?呪いを掛けられた剣聖麗人と共に!!  作者: 犬飼
第二章 戦いの中で分かる事
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【第二十六話】 意味

 大剣を受けたままの剣から手を離すとクロウは後方へと飛び下がる、それと同時に迫り来る二名の手にする剣先が空を斬っていった。

 

「あぶねぇッな、さすが死んでも教会騎士だった時の動きだけは健在だな~」


 息を整え終える暇も無く迫り来る剣を、生成した剣で受け流すのだが手数は明らかに相手の方が多い。

 ただ幸いな事に教会騎士の中でもクロウは一対多数の戦いに特化した戦い方を知っていた。


「奴等の中で最初に潰すとしたら、動き的にあいつかッ!!」


 大剣をおおきく構える大柄の男に改めて的を絞る駆け出す、その速度はこれまでとは違うようでクロウの挙動に教会騎士の各々は付いてこられず。

 クロウの動きに合わせるのが遅れる大柄の男は大剣を振り下ろす、だが間に合う事は無い。


「まずは一人目だッ!! ガルダのオッサン__じゃあな」


 クロウの生成した両手剣が相手の首をはねる、切り口から青白い炎を吐き出すとうめき声を上げる事も無く、大柄の男は膝を着きながら灰となり消え失せた。

 振り返る事すら無く後悔する事すら無く、女の教会騎士に向けて駆け出すと両手剣を黒槍へと生成して投げつけた。


 音すら付いていけない速度で飛んで行く槍を女はかわすと脇をかすめて大聖堂の壁に突き刺さり地響きをたてると塵となって消滅する。

 戦闘を涼しい顔で見ながら腕を組んで薄ら笑いを浮かべたローエンは口を開く。


「おいおい、大聖堂を壊すなよ? ここの何処かにはまだ聖剣が眠ってるんだからよ」



____僚太は切り飛ばされて消えた腕を押さえるライメンを睨みつけるが、それは決して余裕のあらわれではない、過信と慢心は死に値する事を身をもって経験している。


「まぐれなんては思ってねぇよ......慢心の危うさ、剣を持つ者の覚悟、死を覚悟する事、これを知ってなかったら俺はお前に近づく事すらできなかっただろう」


「キミ、この前よりかは強くなったんだね__なら敬意のしるしに教えてあげようかな」


「何をだよ、少なくとも敵に教えてもらう事なんか一つも無いっての」


「フフフフフフフ、気が付いていないのは愚かだね......果たして本当にキミと僕は敵なのか?」


「何が言いたいんだよ__はっきり言えよな、お前」


 その事実をシャルロットは知っているのだろうか、彼女が目指した者の末路を。

 死んではいなかった、いや、ローエンと呼ばれる人物が魔王側に着いた時に気が付くきっかけは有ったのかもしれない。

 そもそも魔王と呼ばれる者が実は人間でしたなんておとぎ話にすら出てくることはないだろう。


「じゃ......じゃあシャルロットは」


「この世で一番醜いのは人間だよ、人間の心、生き方、どれもだ__どれも醜い、だからあの方は人間を滅ぼした方が早いと気が付いたんだよ」


「知らねぇし__興味ねぇよ、俺はあの娘の為に戦うだけだ......」


「それならキミが慕うシャルロットがこちらに側についたならキミはいったいどうするのさ?」


 シャルロットはどうするのだろうか、僚太の脳裏には何時も笑う彼女の姿が。

 人間を好きじゃないと言った時の彼女なら簡単に答を出すだろう、だが今の彼女はどう答えるのだろうか。

 いや此処に来ているというのが答えだ、途中で出会った兵士に対して誓った約束が何よりの証拠だろう。


「シャルロットがお前ら側につくだと? ふざけんじゃねぇよ__お前らにあの娘の何が分かるんだよ」


「そうか、まぁキミはあの方にはふさわしくないだろうからな__ここで片付けとくとしようか」


「それはこっいの話だここでお前だけでも倒す、覚悟しろよ仮面野郎が__」


 僚太は邪念を振りほどくように駆け出すと剣の振るタイミングをワザとずらす、ライメンのかわすタイミングも遅れると僚太の手にする剣がライメンのもう片方の腕に当たる。

 鉄を打ち付ける鋭い音を立てるとライメンの剣が折れて弾き飛ぶ、地面へと突き深く刺さったのを確認することなく剣を再び構えると次の一手にでた。


「こんな子供なんかになめられたものだね__いいよ僕も本気で取り掛かろう」


「またか......隠れてばっかでたのしいか? 正々堂々と戦えないのかよ」


「フフフフ、キミの安い挑発なんかにはのらないよ、それに僕もキミなんかに時間をとられるわけにはいかないんだから」


「はいそうですかってお前をシャルロット達のところにいかせるかっての」


 気が付けば辺りは雨が降り始めていた、僚太が振り下げて構えなおす剣の切っ先へと雫が溜まるとポタポタと落ちはじめる。

 僚太は目を凝らすと雨の降る場所の様子がおかしい事に気が付く、姿を消したというより擬態にちかいのだろうか。

 何も言うことなく走り出して勢いに身を任せながら剣を切り上げると手へと感触が伝わる、それと同時に僚太は腹部へと衝撃を喰らい転げながらなんとか着地して歯を食いしばり笑みを見せる。


「思ってたより__いたくねぇわ!! まだまだこんなもんじゃ立つことをあきらめられるかっての......それにクロウと約束したしな」


「クッ、腕の代償に左腹部への致命傷......あとはローエンに任せますか、みとめますよ確かにキミの強さは本物のようだ」


「逃げるのかよ? 俺的にはここでケリをつけたいんだがな__」


 僚太は口ではそう言いつつ内心は安堵していた、ここまで長い一対一の戦闘は初めてで自分の体力が底をつきそうなことは分かっている。

 だがそれと同じくらいの葛藤もある、ここでライメンを打ち取れればこの後の戦局が変わる事は間違いないわけで。


「断るよ、僕もここでまだ倒れるわけにはいかないしね......それにここでの戦いがどれだけキミ達にとって意味がないのか」


「意味がないだと、それはどういう事だよ」


「この場所をとりかえす戦いだと本当に信じているんだね、まぁいいや、これで失礼するよ」


 ライメンが何を言いたかったのか、それは今の僚太には理解する事はできないだろう。

 このアルテラには最後の聖剣が眠ると言われている、この戦いの本当の意味、それに野営キャンプ地の作戦本部で独り薄気味わるい笑みを浮かべる人物がいる事すら僚太達は知る由もない。

戒めでこちらに残します、12月1日から投稿再開。


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