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普段は少女!?呪いを掛けられた剣聖麗人と共に!!  作者: 犬飼
第二章 戦いの中で分かる事
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【第十八話】 エルフの森

 ローズはその二人に何かを話している、それから僚太の方へと振り返ると大きく手を振ってきた。

 僚太が馬車から降りてローズの方へと歩き出すと何か違和感を覚える、そしてここに居てはダメなのではないか、そんな事を呟かれた感覚に陥ると足を止める。

 尚も手を振るローズの顔は満面の笑みを見せて僚太を呼ぶ。


「僚太ー!! 二人を紹介したいのー」


 その大人びた容姿とは裏腹で、まるで少女じみた言葉使いになっていて僚太は不安を頭の隅に追いやると再び歩き出してローズのもとへと行く。

 

 それから二人を紹介されるのだが、なんとローズの両親だと言うのだ。

 違和感の正体がこの事だと分かる僚太は暫く様子を見ることにして、その異変をローズにも聞く事を避けると僚太は話を逸らす。


「あぁそうだ、ローズ__泉はどこだよ?」


 ローズが表情を曇らす、そして僚太の言った事を聞いていないのか違う返答をする。


「そんな事より、家を案内するから、ねぇお父様、お母様いいでしょ?」


 そう言って、ローズが家へと案内し始めると二人も後を付いてくる。

 薄気味悪く、どんよりとした重い靄を漂わせている森の中を進むと、一軒家が見えてきた。

 近付いて僅かな明かりが灯るとローズに招かれると。


「ここが我が家なんですよ? でも少し汚くなってしまいましたね」


 よく見ると屋根には苔が生えていて壁にはツタが絡み合っている、お世辞にも綺麗とは言えない。

 振り返るとローズの両親がいなくなっていて首を傾げると、けたたましい音と

鼻につく匂で気分が悪くなる僚太は眉をしかめてみせた。


「間違いない、これは罠だ!!」


 僅かな空気の流れを感知すると僚太の後ろから迫る何かを回避する、すると側を何かが通り抜けて行った事が分かる。

 服が切れて、そこから僅かに血が滴り始めると手でその部分を押さえながら振り返る。


「やっぱりな、なんかおかしいのは知ってたけどお前らローズの知り合いでもないだろ」


 無言のまま二人の姿が変貌すると、短い短剣を持つ男が現れた。

 口を閉じたまま走り出すと、僚太へと距離を詰めてきながら短剣を振り回して飛び跳ねる。

 だが僚太の反応は速く無造作に切りつけられる剣の挙動に合わせて体を捻らせてかわすとすかさず足を払うと相手の一人が転ぶ。


 続け様に切りかかるもう一人の顎を狙って掌底を放つと綺麗に決まる、勢いよく体を浮かせると頭から落ちていく男は地面へと沈む、それを見届けるともう一人へと腰の剣を抜いた。


「お前らぐらいなら俺でも対処できそうだ、だけど」


 今の状況は僚太へと軍配が上がる、だが果たしてそんな簡単にいく分けがあるのか、考えた僚太はローズへと視線を向ける。


「今はローズをあてには出来ないか」


 彼女の意識には僚太が見えてないみたいでその場で石の瓦礫を手で触っている。

 

「幻想か、恐らくただの霧じゃなかったんだよな?」


 男は口を閉じたまま瞳の無い顔を向けると、その場所で動きをピタリと止める。

 その代わりに何処からともなく女性と思わしき声が響いてくる。


「いい加減に姿を見せたらどうだ? さっきから薄気味悪い気配を漂わせてるのは知ってるんだからな」


 僚太は唇をかみ切っていて血が流れている、幻想の類の解除は正気に戻る事だとクロウが教えていたのだ、ただし術に気が付いている者に限る話だ。

 僚太は持ち前の感、それに加えて今までの大罪者達の戦闘が彼の洞察力を鍛えていたのだ。


「さて今度は何がでるやら」


 辺りはいつの間にか開けていて、その中央に大きな泉が顔をだす。

 そしてその側では長身の女性が僚太に向けて視線を送っている、胸の輪郭を強調した紫のドレス風の格好で長くて綺麗な髪をなびかせている。


「あら、わたしはもっとカッコイイ男性を想像していたのに残念~」


「低身長で悪かったなオバサン?」


「あらら、流石に頭にくるわね」


 短い会話の後に女が手を払うと微かな線の影が視界に入る。

 僚太はほとんど感を頼りに体勢を低くする、頭の上を何かがかすめるのだがその攻撃が何なのか。


「なんだよ今の!!」


「あら外したかしら、ふーん、あなた妙な精霊に好かれてるのね」


 今度は逆に腕を払うと、再び僚太をかすめる。

 腕の動きを見ながらかわしていると、ある事に気が付いた僚太は女の元に走り出す。


 そのまま幾度も体を反らす僚太の動きは最初の頃とは格段に違う。


「お前のそれ、ムチかなにかだろ__これなら何とか」


「させるわけないでしょ?」


 距離を一気に詰める僚太から離れるように後方へと飛ぶ女は口元を隠しながら微笑む。

 僚太が鼻で笑うと女を見ながら言い放つ。


「さっきからその口元、すげぇ不快だわ!!」



 女の挙動は今までの大罪者に比べれば段違いに弱く感じられた。

 だがそれは僚太の過信が生む悲劇の始まりにすぎなかった。


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