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普段は少女!?呪いを掛けられた剣聖麗人と共に!!  作者: 犬飼
第二章 戦いの中で分かる事
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【第五話】 仮面の男

 目の前の酷く歪んだ思想のカイゼルが座っているところまでたどり着く僚太、剣を振り上げると改めて構え直す。

 


「さぁあんたの懺悔を聞かせろよ」


「なぜだ、この国を守ろうとしただけだ__何もわるいことなどしてはおらん、なぜだ」


「全てを背負わせてか、たったひとりに全てを背負わせてか!?」



 僚太は決めていた別に本当に殺しなどはしないと、後悔の念と謝罪すれば別に良しとしようと思う僚太であった、ただ返事を待つ、暫く黙るカイゼルは額に脂汗のようなものをかいている。

 うつむいて引きつった笑みを見せたカイゼルは何かをしゃべろうと口を開こうとするがその言葉が届くことはなかった、どこからともなく聞いた事のある声が大広間に響き渡る

 突如カイゼルの背後に現れた仮面の男が首を掴むと手にするナイフを突きさし横に刃を動かす、どす黒い血を吹き出すとカイゼルの瞳の色がかすんでいく。

仮面の男の表情を確認出来はしないが興味をなくしたのかカイゼルを地面に叩きつけると。



「ダメですよちゃんと言ったことをしないと、ねぇ王様? 聞いてますか僕はあなたに言ってるんですよ__カイゼル王」


「あぁもう死んでるから言っても意味ないか......まぁいいや、ところで君誰かな見ない顔だね、へんな構え方__剣をあつかったことないのかい」



 この仮面は人の命なんかどうでもいいと思ってるのだろうか、口を開けて絶命したカイゼルに視線を向ける僚太。

 人の命を軽く見ている者達がいる、軽く扱う者達がいる、それは人間だけではない、沸々と怒りをこみあげる僚太はカイゼルから視線を話すと首を傾げる仮面に指を向けて感情に身を任せた。



「お前等は本当にクズだな、皆さん仲良くなんて言わねーよ、だけどなどんな人間だろが人を利用してあくどいこと考えるならただで済むと思うなよ!!」


「あぁごめんなさいね、僕の名前は、怠惰なる断罪者・ライメン、と呼んでください」


「シカトするんじゃねーよ!! 俺の話を聞いてたのかよ、少しだけカッコイイ感じが台無しだわ」


「まるで音虫のようが、うるさいな殺すよ? そうだな__五分あればここにいる全員を殺せる」



 いつもの感を頼りに僚太は体勢を低くすると直ぐ上を剣が通り過ぎていった、見計らうが、隙を感じさせないライメンの殺気に臆すると僚太は寒気を覚えた。

 今までの奴らとは何かが違う、別にただ強いだけでいいならシャルロット達も同じだ。

 圧倒的に違う何かを僚太は考える、あえて言うなら感情を無くした殺戮者か、ライメンの放つ言葉には感情が伝わってこない。

 恐らく断罪者の名にふさわしい感情しか持ち合わせてないのだろう、誰かを殺す事だけを考えているのか。



「面白いねキミは、どうにか保ってるその心をへし折ってあげるよ、さぁどいつにしようかな~」


「怖気づいたのか、目の前の俺が怖いのか? こいよ」



「さて、この場合__僕が一番先に狙うのは誰でしょう」



 ライメンはかなり離れた場所に居るフランカへ向けて指を向ける、だが僚太は予測していたのだろう、駆け出そうとしたライメンの前に割って入るとクロウ直伝の掌底を腹部に打ち込み直撃させた。

 油断をしていたのは僚太を戦力として見ていなかったライメンの方であったようだ。

 ライメンは受け身を取って二階の通路まで飛び上がるとそれを見逃さなかったシャルロットが追いかける。

 通路の上でシャルロットとライメンの激しい剣の打ち合いが始まる、鉄を削る音が辺りに響きわたる、ライメンの斬撃の重さで柱が削れ始める。

 真剣な顔つきになると鞘から剣を引き抜く、本当のシャルロットの姿を見てライメンは奇妙な笑い声をあげた、奇声のような不快を覚える悲鳴にシャルロットの表情も歪む。



「キャキャキャキャ、あの方が言っていたのは本当だ__」


「耳障りな笑い声ね......さぁ怠惰なる断罪者、まずはあなたから潰させてもらうから」


「簡単に言うねぇ、僕は誰よりも忠実に確実に、あの方の為だけに__君達を殺す」



 両手の袖から別の剣を滑り出させるライメンは首を右に左に傾げるとシャルロットに飛び掛かる、だが捉えるのは出来ない、なぜなら如何なる速さであっても空中の光精霊が感知するシャルロット、ジャンプして体を回転させて剣を振り下ろす。

 右袖の剣でライメンが斬撃を受けると左腕を軸にして彼女に膝蹴りを当てた。

 後方に受け流したシャルロットは勢いを殺さずに綺麗に着地するとその視線はすぐ近くまで迫るライメンの剣先の流れをとらえていて、それを容易くかわすとライメンを飛び越えて振り向きざまに剣の刃を流れるように向ける。


「もらった!! これでおしまいよ」


「悪いけどそんなんじゃまだまだ無理だ」



 斬撃を上半身を使い上手く伏せるとシャルロットの手にする剣の勢いは落ちずに振り払われる、衝撃波で二人の側の柱が音を立てて崩れた。

 するとシャルロットはライメンの後方へと飛び下がって深く息を吸い呼吸の流れを整える。

 一方でライメンは、仮面の奥の光る眼で両腕の剣の刃こぼれを見つめている。



「剣聖、呪われた身でありながらよく動きますね、おかげで五分お超えてしまいました、やることは山積みなのに」


「そう言うあなたこそ亡者のクセによくやるじゃない、あなたのおかげでこっちも大慌てよ」



 睨みつける鋭い視線はライメンの動きを見落とさない、足元まで入り込まれて払われるシャルロットは手を使い着地すると体勢を整える、一歩も引かないお互いは改めて向かい合う。



「少々困ったものです......嫌われているのだからそこまでして戦う必要もないでしょう」


「わたしはアルカナハートとして戦うだけよ、だけど__守りたい者がわたしにもできたのよ」



 一人の女性としてのルリエは思う、願いがもし許されるなら、()とこの先も一緒にいたいのだと()ともう少しだけ夢を見ていたいのだと、その思いをのせて再び構える剣は煌めく輝きと轟音をのせて振り下ろされた。



「チッ、ここまでのようですね__」



 迫る光の波をギリギリでかわすと再び広間へと飛び降りたライメンは僚太達が現れた方角に走り出す。



「そっちに行ったのは好都合だ、悪いが逃がすかよ!!」



 レベッカはすぐに短い演唱をすると炎の渦を巻き起こすと、その渦がライメンの逃げ込んだ排水路へと吸い込まれていった。

 暫くすると煙が息を吐くように排水路の穴から出てくる。

 


「あいつは死んだのかよ......」


「んー、まぁあれぐらいで死ぬような奴なら大罪者の名なんかもってないわな」



 やれやれ首を傾けながらと腕を組むレベッカはため息を吐く、それを黙ってみていた他の皆が集まる。

 ローズは浮かない表情をしている、理由を聞こうとしたやさきにクロウが僚太の額を指で小突くと馬鹿にした態度で笑う。



「おう!! 死にぞこない」


「いや、あんたの状況の方がよっぽどなんだが」


「馬鹿野郎、手加減するの大変だったんだよ!!」


「ハイハイ、二人共そこまでにしなさい__」



 手を叩くとシャルロットが腰に手をあて暫く考える、考え過ぎて頭が地についてしまうのではないのかと思っていると彼女は先ほどの双子をよびだした、状況とカイゼルの死をどう説明するのかを考えているのだ。

 結界を払うレベッカは逃げることを提案するが視線を向けられず、声を出さず苦笑いしていた。


 どうであれ大きな柱を一本失ったアルタイト、シャルロットが「後はわたしがキーファに伝えるからいいわ」と言っていた。


 まぁおとがめなしってわけにはいかないのは確かで、どうしたものかと僚太が双子を見る、鋭い視線で更に見る、その意味に気が付いた双子は兄を説得して証言すると約束すると未だに柱の根元で気を失っている兄の元へと行ってしまった。


 いちおうクロウのした行いは水の泡にはならなかったみたいで何よりだが。


 そして僚太はシャルロットから後に知らされたのだが、キーファはこの国のもう一人の王様の息子、つまりは王子であったようでローズ曰くシャルロットの事を色んな意味で気にかけているそうだ。

 その話を聞いた僚太が屋敷に戻るまで終始不快な面と罵詈雑言をまき散らしていたのは言うまでもないだろう。

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