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普段は少女!?呪いを掛けられた剣聖麗人と共に!!  作者: 犬飼
第二章 戦いの中で分かる事
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【第三話】 カイゼルの陰謀

 先日の大罪者達の情報開示のため、アルタイト城からの召喚に応じて今朝早くからシャルロットとローズの二人は出かけてしまった。

 午後の屋敷では僚太とフランカの二人が庭園の草むしりをしていた、暫くして見慣れない馬車が土埃をあげながら門の前で止まると門の開く音と共に一人の若い男性がやって来る。


「なんだ、うッ無駄にイケメン......なんだあの人」


 そのイケメンは僚太に気が付くとゆっくりとやって来る。

その姿は貴族のそれ、だが嫌味さは一切見当たらなく丁寧にかつ礼儀をわきまえていてシャルロットの居所を聞いてきた。



「シャルロット、様ならローズを連れてお城に、むかわ、れました」


「フフッ、大丈夫だよ何時ものようにしてくれて構わないから」



 優しく微笑むイケメンは僚太の身なりを確認すると僚太はなぜか照れる、背筋を伸ばしお辞儀をしつつ自己紹介をする。

 そのイケメンの名前はキーファ・ロイルと呼ばれる人物でこの国でシャルロットの面倒を引き受けている人物らしい。



「で、そのイケメン、じゃなかったキーファさんがどうしたんすか?」


「ああ、そうだ!! シャルロット様は今どちらに?」



 事の詳細を述べると、キーファの顔色がみるみる悪くなる。

 理由は簡単に述べるとこの国には三人の王様がいてそのうちのカイゼル王と呼ばれる人物がシャルロットに対し兵士殺しの罪で捕縛の命令を出したとのことだが。



「えッ!! なんだそれ、シャルロットが......捕まった」



 僚太は顔いつものように力一杯に叩くと喝をいれる、屋敷内に急いで戻り身支度を整える、再び部屋のドアを開け放ち飛び出したところで、レベッカとすれ違う。

 するとレベッカは僚太の様子の異変に違和感を覚えたのか、腕を掴む尋ねる。



「レベッカ、シャルロットが......」



 頷くレベッカは僚太の腕を掴んだままクロウの部屋の前にたどり着く、一回、二回、眉を吊り上げるレベッカはドアを蹴り破る。

 


「クロウ、どこ行きやがったんだ......」


「クソ!! 肝心な時にあいついねぇのかよ」



 部屋にはクロウはおろか、何時もの黒いコートすら見当たらなく、何処かに行ってしまったのだと判断、頭の中を切り替えた二人は屋敷の庭園まで大急ぎでもどる。

 馬車まで招かれると、そこにはフランカが既に乗り込んでいた。



「フランカ!! 遊びじゃねぇんだ」



 尋常じゃない事態に思わずフランカに八つ当たりしてしまう僚太に、おおきな涙を堪えたフランカが珍しく詰め寄ると。



「僚太様のバカ!! 受けた恩を返しましゅそれがウルフ族の掟、わたしは力不足です、ですがシャルロット様を......」



 頬を伝う涙、大切な家族の危機を目の当たりにしたフランカと僚太はアジェータの言葉をおもいだした。

 その後フランカの涙を拭いた僚太は城につくまで終始口を閉ざしたままであった。


__僚太達が屋敷を出た同時刻、アルタイトに設置されている大きく高い監視塔の屋根の上でクロウは屋敷の方を見下ろしていた。



「ガキどもは行ったか......さて今回の件は誰の差し金か、面倒だが借りもキッチリあるからな」



 風に乗るように飛び降りると誰の目にも止まることなく屋根伝いに飛び移るクロウは城の城壁まで向かう。

 それから見張り数人を気絶させ掻い潜ると場内まで忍び込む事に成功する。



「あっさりと抜けられたが、ん......こりゃ~あんまし、よろしくないな」



 廊下から大広間、中央でシャルロット達が数十人の兵士と向き合っていて隣にいるレベッカは物凄い剣幕で今にも飛び掛かりそうなのをシャルロットが手で止めているようだ。

 緊迫した状況の中、一人の王が前に出る。

随分と肥えた体系に金や宝石の装飾をふんだんにあしらった王冠、暫く口を閉じていたクロウは不敵な笑みを見せると。



「まぁ随分と偉そうな王様だな......他の二人の王はいねぇのか」



 アルタイトで今一番、財力、権力を持つと言われるカイゼル王、民からは嫌われているはずのカイゼルが王でいられるのは、彼が生まれながらにして貴族の末裔であり、アルタイト大国の最初の王であるからだ。


____アルタイト城第一門前にて。

武装した複数人の兵士が、僚太達の乗る馬車を止めると中を確認しようと乗り込む。

 だが、どういう分けか馬車の中には足を組んだキーファしか居らず首を傾げると兵士の顔を眺める。

 一人の兵士が彼に問いただすのだが知らぬ存ぜんを押し通す彼は。



「んー、キミたちの仕事も理解したうえで言わさせてもらうけども、馬鹿正直に門をつかうのかい?」



剣をもし持っていれば騎士ち呼ばれてもおかしくないほどの迫力、その答えに渋々引き下がる兵士たちは首を横に振ると馬車を行かせる。

 馬車の中の彼は目を瞑ると祈るようにして手を合わせるとポツリと呟く。



「さて、後は君たちに任すしかないようだ......たのむよ」



 その声が届くはずもなく、門の大分前で馬車から降りた僚太達は城の旧排水路にいた、レベッカが左手に火球を生成して僚太達の前を先行する。

 僚太がフランカの手を掴むと、暗さですこし怯えたフランカが僚太の傍に寄ってくる。



「フランカ、さっきはごめんな......」


「わたしこそ......」



先行するレベッカが何かに気が付いたようで、片手で合図する。

 沈黙と共に、水路の向こうでは何やら騒ぎ声が聞こえる。

そちらに急いで向かうと聞きなれた声が、水路に僅かな光がさしていてそこの隙間から覗く僚太達は。



「おいおい、本当にシャルロット達が、レベッカどうする」


「どうするって、決まってんだろ? 助けるか助けないかの二通りだ」


「そりゃ決まって__」



 言いかける僚太を制止するレベッカは、真面目な表情を見せると再び。



「あたし達は下手したら国を相手取る事になる、解かり易く言うと、国家反逆罪になるんだぜ」


「答えは簡単だろ、シャルロットが捕まればそれだけでこの世界は大罪者達のいいようにされやすくなる」


「もう少し本音で言えよ僚太......」


「俺はあそこに居るシャルロット達を助ける、それだけだ」


「それ、わかりやすくていいねぇ~」



 満面な笑みを見せるレベッカは頷くと片手で水路の壁にルーンを刻む、と片手を刻んだルーンの中心に手を押し当てた。



「さてと......僚太、フランカ!! 耳を塞いで口開けろ」



 頷く僚太とフランカは目を瞑り言われた通りの体制になる。

次の瞬間、地響きと轟音、微かに瞼の裏にも焼き付くほどの明かり。

 水路の壁を吹き飛ばすと城の中の中心部、シャルロット達と兵士たちがこちらを振り向くとシャルロットが声をあげた。



「あなた達、何してるのよ」



 僚太は腰の剣を抜くと兵士達とその向こうのカイゼルに向け怒鳴り声のような声で叫ぶと広間に響き渡る。



「遊びに来たわけじゃねー!! シャルロット達は返してもらうぞ」



 ふてぶてしい態度のカイゼルは自分の髭を摘まむと、声を出さずに片手を振り下ろす、その合図をまるで待っていたかのようにまるで剣士のような風貌の人物が三人現れた。

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