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普段は少女!?呪いを掛けられた剣聖麗人と共に!!  作者: 犬飼
第一章 上辻僚太の始まり
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【第二十二話】 メイド日和

 早朝、何時もの日常に戻る僚太はやかましい騒音で目が覚めた。

 ベッドから体を起こしてけだるそうに立ち上がり窓から外へと目を向ける、屋敷の外壁は昨日クロウが壊してしまい見るも無惨な姿へと変貌していたのだ、耳を塞ぎつつ改めて僚太は窓から外を覗くとそこにはレベッカの姿があった。


「こんな朝早くから、なにしてんだろうレベッカのやつ__」


 レベッカは瓦礫を一掴みして辺りに投げ捨てていたのだが、よく見ると幾つものルーンが瓦礫や壊れた外壁に刻まれている。

 彼女が片手を上げるとまるで生きているかのように動き出すと順々に並び始めたのだ。


「あぁー、たしかシャルロットの屋敷でもあれやってたな」


 僚太には見覚えが確かにあった、シャルロットの屋敷の壊れた外壁は彼女が直したのだ、屋敷自体の修復は戻ってからになるだろうが。

 彼女曰く、本来この世界の魔術師とはたった三人しかいないという、そして第四元素の魔術を自由に使える者だけが名乗れる言わば、称号のようなものらしい。


 魔術を扱える者は体内に魔力を生み出す、核があるかないかで決まるらしくその核が大きければ大きいほど魔術の力を溜め込んでおけるという。

 例えば、彼女の場合は摩擦を引き金に体内の魔力を火に変換する、水なら大気を再構築して集める。


 その時に教えてくれたのだが、クロウの生成する黒剣は大気に浮かぶ塵その物を集めて作り出すため魔術ではないと断言していた。


「まぁ簡単に言ったら、外気のマナを使うか自分の体内のマナを使うかの違いか? なんか......難しいな」


 そんな小難しい事を考えているうちに彼女はさっさと直してしまっていて何処かに行ってしまった。

 そしてしばらくするとドアがノックされる、開けて顔を覗かせたのは何時もの顔に戻っているローズであった。


「僚太、はやく着替えてください......あっ」


 なにかに気付くとローズが側に寄ってきて僚太の肩に手を乗せる、白く綺麗な手で僚太の襟元を正す。


「身なりは、きちんとしないとダメですよ......」


「うッ、大丈夫大丈夫!! 自分で__自分でできるから」


 最初の出会いはなんて物騒な出会いだったんだろうか、危うく鉈で殺されかけ悪口ばかりの毎日、その先は思いもしてなかった彼女から伝わる暖かい想い。


「デレたのか.....ローズがデレた!!」


「は!? なにを言ってルンデスカ!!」


 意地悪くする僚太にローズは慌てて部屋を出て行く、だが内心は僚太の方がデレたのだとそのゆるんだ面が物語っていた。

 

 __しばらくするとシャルロットがフランカを連れて部屋に来たのだが、そのフランカはなぜかメイドの服を着させられていた。


「ねぇ僚太、可愛いでしょー!!」 


 聞かれた本人よりシャルロットの方が瞳を輝かせて微笑みながらフランカにほおずりしている。

 少し前に最近ではシャルロットも良く笑うようになった、と、ローズとレベッカが言っていた、僚太の影響なのかそれは分からない。

 そしてさきほどから黙ってなすがままのフランカは嫌な顔を一つせず堪えているが、とうとう我慢の限界を迎えるとジタバタし始め文句を言いだす。


「やめてくだしゃいよ~、僚太様もみてないでなんとかしてくだしゃい!!」


 実際はただのほほえましい光景なのだろうが、本人が嫌がってるのだからと近くによると何故かフランカが怯えだす。

 後ろを見ると部屋の入り口にメイドが立っていてよく見るとその姿はレベッカであった、意味が分からないと首を傾げる僚太。


「よう!! どうだこれ、あたしでも似合うだろ?」


「一瞬、気付かなかったぞ、へぇもったいねぇな」


 それを聞いたレベッカが眉をひそめる。


「おまえッそれはどういう意味だ、わかった......いちおう聞いとこうか、なぁ僚太どっちがいいんだよ」


 右手に水球、左手に火球、構えはじめるレベッカ、気が付けばいつの間にかシャルロット達は部屋から避難していてレベッカの後ろでフランカが愛でられている。


「おい冗談だろ!! 怪談話の青い紙赤い紙じゃねぇんだから!! レベッカのは綺麗だ、うん綺麗綺麗......きれ__」


 目を閉じて後悔しはじめる、いやなにかしゃくだと思った僚太がすぐに目を開けると悲劇は起きていた、いや居た。

 それは余りにも見るに堪えないものでメイド姿がお世辞にも似合っているとは言い難い男。


「おい......なんであんたも__なんであんたがそんな恰好してんだよ!! 意味わかんねぇ、今日も一日変な日なのか」


「あん!? 屋敷の清掃服ったらメイド服とかだろ、しらねぇのか、てめぇは」


 引きつる顔のフランカにシャルロット、レベッカはお腹を押さえて大爆笑、僚太は笑いどころではなく不快そうであった。


「さすがにあんたは止めとけよ、いつもの黒い服はどうしたんだ?」


「銀髪......ローズってのが洗いにだしちまったからな」


 それだけでなんでメイドの格好なのか、額を抑えつつ考えているとシャルロットは口を開く。


「いろいろ考えてみてね、フランカはわたしのもとに来てもらおうか考えたのよ......」


 フランカにも恩がある、僚太は否定せずフランカを見ると彼女も腰に手を当てて頷いている、フランカは身を落ち着かせられる国に住むためにお金をためているらしく、宿代が浮くならとシャルロットに付いてくると決めたらしい。

 だがこの目の前の男はどうなのだろうか、シャルロットに目をやると首を傾げている。


「おい俺だってな!! お前らと会ってからふんだり蹴ったりでここ数日稼ぎがねぇんだ、いいじゃねぇかよ」


 やっと起き上がったレベッカは口に手を当てて、一つの提案をする。


「僚太に戦い方をおしえてやれよ、それならシャルロットだっていいだろ」


「んー確かに、元でも教会騎士の彼ならわたしよりちゃんと教えてあげられるかも」


 僚太とクロウは息があったかの如く口を開くと。


「なんでこいつなんだよ!!」


「こんなガキにはいやだ!!」


 シャルロット曰く彼女自身の能力は聖剣で補っているらしく攻撃のかわし方や攻撃を剣で受ける事を教える事はできるらしい、ローズにいたっては加減を知らないとの事。

 たしかに練生ができる以外は努力で上り詰めたクロウ、僚太の指南役にはぴったりなのだろう。

 少しだけ渋っていた彼女だが納得できるところもあったのだろう、クロウに指を指すと。


「二食付きの住み込みで、僚太の指南役、うけるわよね?」


 もはや決定事項とでもいうかのように詰めよるシャルロットに、クロウは首を縦に振る事しかできなかったようだ。

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