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普段は少女!?呪いを掛けられた剣聖麗人と共に!!  作者: 犬飼
第一章 上辻僚太の始まり
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【第十五話】  招集

 シャルロットは兵士達数名に連れられて建物の中の長く薄暗い廊下を歩いていた。

 前の兵士が止まると両扉を開けると黙ったまま部屋の中に入る彼女は円卓を囲む者達に頭を下げる。

 すると一人の黒い軍服のような恰好をした、眼帯で黒髪の女性が口を開いた。


(なれ)は随分と、早かったのだな」


 嫌味を言われるシャルロットは頭を下げながら手をヒラヒラさせるだけで悪びれもせずに席へと座る。


 軍服姿の彼女の脇に立てかけてある特徴的な剣の名は聖剣ギムレー、数多の者達を劫火で焼き尽くしたと言われる。

 東領にあるカルレラと呼ばれる国を守る調律士の一人、焼き尽くした者達の中には人間も含まれているとかいないとか。


 予定では他に二人の調律士が座っているはずなのだが見当たらない、目につくほど着飾った身なりの中年の男が部屋の中に入ってくると手を叩きながらしゃべりだすとシャルロットは眉をひそめた。


「はいはいお二人とも元気ですかな、シャルロット君いろいろあったみたいだが......大丈夫でしたかな?」


「答える必要性ありますかね」


「いえ.....それでは会合を始めましょうかね」


 そのいやらしい目を背け飽きずに手を叩く人物の名前はアミルス・ヨルク、この国の国防大臣のうちの一人だ。

 シャルロットともう一人の女性に配られた紙にはアルタイト領近辺の地図が記されていてよく見ると所々に印がされている、シャルロットは一通り紙を眺めると口を開いた。


「この近辺......生存者があまりいないのね」


 アミルスはシャルロットの質問を無視したまま軍服の彼女へ質問を投げかけた、ハイネスと呼ばれる女性も眉をひそめたままだ


「ハイネス君、きみはカルレラだけをひいきにしていると聞いたが、それはどうなのかね?」


 眼を瞑っていた彼女は静かに立つと。


「招集がかかったからといって、調律士(たにん)が居座る国を優先して手を貸す必要性がどこにあるのか、汝が答えてくれアルカナハート」


「そう、ね......わたしは別にアルタイトだけを守っているわけじゃないけどね、そもそも大罪者がどこにいるか予測がつかないもの」



 相手のでかたが分からなけれべとりあえず大きな国の近くに居る事にこしたことではないのだろう。

 そして話のついでにとシャルロットはもう三枚の紙を円卓の上に適当に並べた。


「わたしがここ数年で手にした情報、まぁそもそも少ないし本当は開示するつもりなんてなかったのだけどね......どうせついでだからいいわよ」


 三枚の紙には大罪の名を持つ者と書かれていて、それぞれ書かれた名前の下には確認された情報などが書き込まれている。


 【暴食する狂戦士・ウラルゲイン】

 【怠惰なる断罪者・ライメン」

 【嫉妬せし魔術師・アイル】


 シャルロットは魔術師の容姿などが書かれている紙を手にすると。


「そうそうこいつだけは......わたし獲物だからね」


 背筋が凍るほどの視線をハイネスへと向けると、シャルロットは紙をしまった。

 その場にいるアルミスや兵士は視線を反らす、ハイネスは首を横に振ると。


「奴はこの中にいないのか、うむ......アルカナハート先ほどの非礼を詫びる、すまんな」


「いえ実際に会った事あるのは一人だけだし.....えらそうなこと言っても討伐はできてないから、それにまともな情報なのかも知りようがないから」


 いかんせん生存者があまりにも少なすぎるため確実な情報はないのだ、暴食者の情報が書かれた紙を手にしたアミルスは口を震わせると。


「なんだ、これは、バッバケモノではないか!! 本当に貴様の情報は__」


「これだから表に出ないやつは......そうよ、そいつらみたいなのとこれから一戦交えようとしてるの」


 上半身には本来あるべき頭はなく首には鉄の輪っかが付けられていて体の大きさは全体的に人二人分。

 そんな姿が描かれていてまるで人間性のかけらもなさそうだが信憑性はどうなのかは確か用がない。

 多くの調律士が犠牲になりやっと存在が判明した大罪の名を持つ者、魔王が宣戦してから数年、誰一人として大罪者討伐の成功には至らず。



____日が少し落ち始めた頃、僚太はフランカを街まで見送りにきていた。


「それでは僚太様、ありゅがとうございました」


「フランカー気をつけてなー」


 笑顔いっぱいで深くお辞儀すると歩き出すフランカ、だがそれを近くで見ていた図体のデカい男がフランカを指さして何かを言っている。

 それを見ていた僚太はたまらずフランカへと駆け寄るとしずかに震えていた少女に声をかけた。


「フランカ、やっぱ俺も手伝うよ__」


「えっ......」


 振り向くフランカの顔を見ずに優しく答えると背にする布袋を持ってあげようとして少女から受け取り背負う。


「いつも頑張ってるんだから、たまには楽しないと__」


 正直に言ってそんな重いとは思いもしなかったと僚太の表情が物語っていた、ゆっくり倒れて行く僚太はなすすべがなく。

 フランカは布袋の押し潰されかけた僚太を引っ張り出すと心配そうに顔を覗き込む。


「大丈夫でしゅか僚太様」


「だ、大丈夫だぜこんなの......」


 今度は何とかして背負いなおすとフランカから荷物の中身を聞いた僚太は苦笑いすると口を開いた。

 

「それ、女の子が運ぶべきモノじゃないよね」


「でもそうがないのですよ、だってお金がいりますから」


 爆薬の類に剣の類なんでも一通り詰めてあるという。

 この国の通貨は金貨と銀貨それに銅貨と鉄貨の四種類、贅沢をしなければ一ヶ月暮らすのに五十銀貨程度で済むらしがそもそも高いのか安いのかいまいちつかめない僚太は頷くしかできずにいた。


 しばらく歩いていると周りの建物などの外観は少しばかり悪くなる、随分と物騒な看板などが並んでいたりするがここは貧民層が暮らす所なのだろうか。


「フランカ、これ結局どこに持っていくんだよ?」


「それはれですね__あぶないでしゅよ!!」


 フランカの注意が届くころには僚太は誰かにぶつかるとしりもちをつく。


「いたたた......すいませ__ッ!?」


 僚太は自分の目を疑うとその見下ろす人物に見覚えがあった、無駄に露出があり目だけはどんな時も笑っていなかった女。


「あら、ボク......こんなところであぶないじゃない、誰かに殺されちゃうわよ?」


「アジェータさんお知り合いでしゅか」


 フランカの声だけが路地裏に響くがそこに答える者はいなく、アジェータの鋭い視線が僚太へと突き刺さるだけであった。

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