表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
転生英雄譚(裏)  作者: 甲 康展
第1章 これは、面白いことになりそうだ
4/28

研究成果

 あれから3年がたった。


 ぼくさんちゃい!キャピ☆

とかやっても許される年齢だ、中身は39のおっさんだがな!!!

いや、3年経ってるんだから42か?


 まあ、そんな事はどうでもいい。

俺は今、村の近くの森に来ている。

父さんに連れられて狩を見せてもらいに来ていたのだが……(はぐ)れてしまった。

つまり、絶賛迷子中な訳だ。


 あ、そうそう、魔法の研究についてだが、かなり進んできているゾ!

この異世界を取り巻く属性エレメントは木、火、土、金、水が基本っぽい。

他に風、雷で対になって光、闇、で対になる。

で最後に次元(空間)、時間、重力この3つはそれぞれ独立。

全部合わせて12属性、研究成果として全部使えるんだぜ?俺。


 何で、こんな事を?って思うかも知れんが、魔物が出る森で親と逸れた人間の子供ってのはね――。




ガサガサッ



 音がした茂みに視線を向けると、頭に角が生えた熊の魔物が姿を現した。

こっちを見て涎を垂らしてうなっている。


 肉も骨もやらかい極上の餌って所かな?

正直、3歳の子供が遭遇したらまず助からないね、この状況。


 でも残念、中身おっさん()なんだよね。


 熊の魔物は、いただきまーすと言わんばかりに襲い掛かってきた。

俺は重力を反転させる魔方陣を足元に仕掛け、無詠唱転移魔法で魔物の背後に回る。

結果、魔物は空に落ちる、少しすると魔方陣が消え自由落下が始まる。



ぐしゃぁ



 うーん、嫌な音だ。

地面に叩き付けられる瞬間、目逸らしちゃったよ。

グロ画像注意ね、コレ。見せられないよって奴。


「おーーーーい、フィローーーーウ」


 おおう、俺が居ない事に気付いて探しに来たようだ。


「とうさーーーーん」


 呼びかけに応えると、茂みの中からローウェルが出てきた。


「フィロウ無事だった――か!?」


 俺を見て安堵した表情になったと思ったら、いきなり固まった。

無理も無い、俺の後ろにはモンスターのグロ画像(出来立てほやほや)があるのだ。


「おま…これ、どうしたんだ!?」


「上から落ちてきた」


 嘘は言ってない。


 流石に俺がやったとは言えない、3歳の子供がやったなんて知られたら、どうなるか分かったモンじゃない。

言っても信じないだろうけど、万が一って事もある。

ちなみに、この年で『魔法が使える』って言うのも秘密だ。


「上から……」


 ローウェルが空を見上げて落ちてきた原因を探すが、見つかるのは気持ちのいい青空に浮かぶ雲と太陽(でいいのか判らないが太陽にしておく)あと鳥くらいだ。


「本当に上から落ちてきたのか?」


「うん」


 嘘は言ってない。


「……そうか」


 何か釈然としない表情で回収の準備をはじめるローウェル。


「フィロウ何で逸れた時に父さんを呼ばなかったんだ?」


「んとね、お声を出したら怖いのいっぱい来ると思ったの」


「そうか、でも今度から逸れそうになった時は、ちゃんと父さんを呼ぶんだぞ?」


「うん!わかった!!」


「よーし、いい子だ!」


 イケメン父さんに爽やかスマイルで頭を撫でられる。

うん、悪い気はしない。


 しかし、あまり長く親と時間を共有していると何時ボロが出るか分からん。

常にこの素敵な演技力が発揮できる訳じゃないからな。


「父さん、もって帰るの?」


「ああ、ここにおいて置くと病気の元にっちゃうからね」


「ふーん」


 よく分かってない返事を返しておく。

ローウェルの言っている事も間違いではないが、この森の中だと他の動物が食うだろ。

素直に戦わずに獲物が手に入ってラッキーって言えばいいのに。プライドかな?



評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ