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転生英雄譚(裏)  作者: 甲 康展
第2章 フィロウ編 学園生活
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まさか、こんな事になるとは…

腹ごしらえを終えた俺とミルルは、俺が世話になってる宿に向かっていた。


「ミルル、宿に着いたら新しく部屋を借りるから、今度からはそこに住む事になるぞ」


「やだ、ローちんといっしょがいい!」


 ミルルが腕にしがみつきながら言う。

実に年相応で結構。


「いや、そう言うわけには行かないって」


 苦笑しながら答える俺。

そうこうしてる内に宿に到着した。


「クレアさん」


 呼ぶとカウンターの奥から宿の女将、クレアが出てきた。


「おかえり。おや?その子は?」


「あー、この子は───」


「初めまして、いつもロー兄ぃがおせわになってます」


 突然ミルルが前に出て挨拶し始めた。

ん?ロー兄ぃ?


「あら、妹さんだったのかい?自分から挨拶できるなんてえらいねぇ」


「えへへぇ」


 褒められて照れるミルル。ここまでは良かった。


「兄妹なら同じ部屋の方がいいわよね」


 え?


「うん!ロー兄ぃと一緒がいい!!」


 へ!?


「あらあら、仲が良いわねぇ。料金は同室だから割り引いておくよ」


 流石に止めに入らないとこれはマズイ。


「あの、ちょ――」


「ありがとーお姉さん!」


 ミルルまさかのインターセプト!?


「あらやだー、お姉さんだなんて!お部屋は2階の突き当たりだよ」


「はーい、行こ!ロー兄ぃ」


 強引にミルルに連れて来られてしまった。

そして、部屋に向かう途中……。


「ふふふ、これで同じ部屋だね、ローちん」


 は、謀られた!?

今のやり取りが全て、ミルルの計略通りだったというのか!?

ミルル…恐ろしい子!


 まんまと嵌められてしまった俺は、ミルルと同じ部屋で過ごすことになってしまった。

まあ、別に?俺はロリコンじゃないし?構わないけど?ロリコンじゃないし!

それに、俺の好みはおっぱいバインバインのお姉さんだし、ミルル相手に間違いなど起ころうはずもない!


「ローちん」


「ひゃい!」


 いかん、考え事してたから変な声が出てしまった。


「何考えてたのー?」


「何でも無いよ。それより、もう今日は寝ようぜ。疲れちまった」


「うん、わたしも寝るー」


 2人で欠伸しながらベッドに入ると、即行で意識を手放した。


………

……


 次の日。

目を覚ますと、腕の中にミルルがいた。

一瞬、焦りそうになったが、昨日の事を思い出し冷静になった。


「…ぶっちゃけ、ミルルの大きさって抱き枕に最適だよな」


ミルルの頭をそっと撫でる。


「……んふふー」


「…ミルル、起きてるだろ?」


「えへへぇ、ばれちった」


「そろそろ、起きるぞ」


「はーい」


 朝食を食べ終わって、学校に向かう途中。

俺の横をご機嫌で歩くミルルに声をかける。


「ミルル」


「なーにー?」


「俺と一緒の部屋に住んでるってのは、皆には内緒だぞ?」


「なんでー?」


「バレると説明とか色々面倒ってのもあるが、2人だけの秘密って何か良くない?」


「2人だけの…」


「秘密だ」


「えへへぇ、わかったよー」


「いい子だ」


 そう言ってミルルの頭を撫でてやる。


「はわ!いい子いい子されちゃったー」


 等とやってる内に教室に到着した。



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