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転生英雄譚(裏)  作者: 甲 康展
第1章 これは、面白いことになりそうだ
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赤さん、やってます

 気が付くと見知らぬ天井を眺めていた。




 ここはどこだ?




 首を横に向けると木で出来た檻が見える。


檻にしては天井ががら空きだ、檻の高さも低い。


とりあえず、上体を起こして周りを確認しようとしたが動かない。




 !?




 視界の端に自分の手が映った――小いせぇ!?


改めて自分の手を見る。


どう見ても赤さんの手です。本当にありがとうございました。




 じゃなくて、なんじゃぁこりゃぁぁぁぁぁぁぁ!!




 あ、夢か!それなら納得。


俺、布団に倒れこんでそのまま寝たんだった。




 1人で納得していると銀髪のさわやかイケメンが顔をのぞかせた。


歳はおそらく20代前半。


え?何?これが父親?あらやだちょっとイケメンじゃない?




「おーフィロウ起きちゃったかー父さんだぞーよちよちよち」




 現実の俺の名前は天上 裄斗(あまがみ ゆきと)だが今はフィロウなのか。


ぬう、ほっぺたをつんつんしてきおったわ、喰らい付いてくれる!




「俺の指はおっぱいじゃないぞー?」




「ローウェルさんフィロウ起きたんですか?」




 女性の声ということは母親か?


とりあえず、父親の名前がローウェルという事は判った。




「ああ、フィリア見てくれよ、フィロウが俺の指を離してくれないんだ」




「あらあらまあまあ」




 そう言って顔をのぞかせたフィリアと言う女性。


丸めがねのおっとりした雰囲気が漂う栗色の髪のちょっと地味な美人さん。


歳はローウェルと同じくらいか、ちょっと若い?かな?


ゲームで言うとメインヒロインじゃ無くサブヒロイン的な位置がぴったりな感じ。




「母さんがきたぞーご飯がもらえるぞー」




 ちなみに俺はゲームだとメインヒロインよりもサブヒロインによく惹かれる。


攻略対象じゃないと判ったときの絶望感は異常。


それを踏まえた上で父さんの趣味は素晴らしい!


その趣味に免じて指を開放してあげよう。




「はい、フィロウおっぱいごはんですよー」




 うーむ、夢の所為なのか赤ん坊の体だからか全く興奮せんな。


と言うか夢にしては、やけにリアルだな。




「じゃあフィリア、行ってくるよ」




「はい、気を付けてくださいね」




 剣を担いでるが随分と軽装だな…ん?剣?


ファンタジーな夢だな。




「あ、しまった忘れ物だ」




「どうかなさったんですか?」




 ローウェルはフィリアの前まで戻ってくると俺を挟んでキスをしおった!


ヒューゥ、口笛吹けないけど。




「愛してるよ」




 そう言い残しローウェルは仕事に行った。




「もう、ローウェルさんたら…」




 フィリアめっちゃ照れてる。




「…私も…愛してます」




 ローウェルが去ったドアに、つぶやくフィリア。


夫婦仲はとても良好な様で何より。

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