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転生英雄譚(裏)  作者: 甲 康展
第2章 リーチェ編 私の目的
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いかにして私が先生になったのか

 師匠の下を旅立ってから私は冒険者としての活動を本格的に開始した。

最初はソロでクエストを受けてこなしていたが、すぐに立ち行かなくなった。

その後はパーティを募集したり、参加したりしていた。


 しかし、徐々に募集しているパーティに参加する方が多くなっていった。


 何らかの理由で欠員が出たパーティのヘルプ要員。

例えば、モンスターにやられて負傷してしまったとか、都合が悪く普段のパーティが揃わなかったとか。

そういったパーティに入ってクエストをこなしていく。


 前衛もこなせる魔法師として。


 参加したパーティの評判は上々で、グループに入らないかと誘われた事は何度もあったが私は断り続けた。


 私の目的に他人を巻き込む積もりは無かった。


 そんな事をしていたら、私にはいつの間にか通り名が付いた。


『ヘルパーリーチェ』


 前衛も後衛もこなせる万能な助っ人、パーティの欠員が出たらとりあえず彼女に会いに行こう。

経験も技術も共に申し分無し!必ずパーティの役に立ってくれるだろう!


 だそうで、通り名が付くのは知名度が上がりやすくなるから歓迎なんだけど、まさかこんなので通り名が付くとは思っても見なかった。


 通り名が付いてからは私の所に来るお願いは飛躍的に増えた。

参加できる時はできるだけ参加するようにしていた。


 たまに、私がクエストを受けてパーティを募集すると大量の人数が集まった。

やれ、この前は助かっただの、世話になっただの言って来る。

皆が口をそろえて言うのが――。


『今度は俺(私)達が助ける番』


 気持ちは凄く嬉しいけど、クエストの内容的には多くても4~5人が妥当。

集まってくれた冒険者はザッと見ても4、50人。

最初は何が起こったのか解らなかった。


 この繋がりに目を付けたギルドが私に依頼をしてきた。


 キマイラの討伐。


 当時の私は冒険者ランクD。

キマイラの討伐は少なく見積もってもBが最低ラインなのに何故かと聞いて返って来た答えが――。


『本来キマイラは王都に居る筈の無いモンスターだそれが突然現れた。

高ランクの冒険者は王都にはあまり居ない、ならば数で攻めるしかない。

君は数多の冒険者と繋がりが在り、その信頼も篤い。君にしか頼めないのだ』


 結局私は断れなかった、キマイラを放って置けば酷い犠牲が出る。


 私の声掛けで多くの冒険者がキマイラ討伐に力を貸してくれた。


 結果から言うとキマイラ討伐は成功した…少なくない犠牲を払って。

私の指揮で犠牲が出た、私の所為で死んだ。


 後日、私は報酬を貰いCランクに昇格した。

仲間の命を犠牲にした昇格だと思うと全く喜べなかった。


 討伐に参加してくれた仲間は私を責めなかった。

『覚悟の上だった』『倒さなければ今以上の犠牲が出ていた』

そう言って私を慰めてくれた。


 でも、仲間の死を背負う覚悟が足りなかった私にとっては、それが辛かった。


 依頼を受けた事自体は後悔していない。

ただ、ああして置けば、こうして置けば、もっと準備して置けば…。

そんな考えが頭の中を巡っていく…最後に行き着く先は――。



 もっと私に力があればこんな事には…。



 もう、この時にはパーティを組む事なんて考えていなかった。

誰とも組まず1人でできるクエストを探していたら、ある依頼が目に入った。



『Cランク以上の魔法師1人募集、期間は1ヶ月~3年、報酬は月5千リット。仕事内容は週2時間のDクラスの担任』



 おあつらえ向きのクエストだった。

私は何も考えず、そのクエストを受けた。

はい、久々の解説です。


アルサレム国ではモンスター討伐はギルドのお仕事です。

国お抱えの騎士団は治安維持や戦争時に出張ります。


戦争時に冒険者は駆り出されません(駆り出される国もあります)。

志願兵としてなら戦争に参加する事が可能です。

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