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誰かを家族のように愛し庇護したいという欲望について

作者: gaffiot

本エッセイは、既存のどの小説を揶揄しているというわけでもなく、私の視点から思ったことを書いているにすぎません。ですから、それが万人にとって正しいというつもりもない、単純な「感想」です。


*

世の中にはたくさんの欲望がある。

美しい女性をもみくちゃにしたい。

かっこいい男性に「君だけだよ…」と言われたい。

ありていに言えば、異性と良い仲になりたい。

美味しいものを食べたい。たっぷり寝たい。

「あなたは素晴らしいひとだ」と称賛されたい。


まあ色々あるだろうと思うけれど、

最近私は、世の中には

「理想の家族として振舞いたい」

あるいは「理想の家族を持ちたい」

という欲望があるのかなあ、という風に感じた。


理想の家族というのは、さしあたり、

家族愛にあふれていて、

外敵に対しては何を捨ててでも家族を守り、

いかなる窮地にも臆さない、

というようなタイプの家族像のことである。


そう感じた発端は、

なろうで小説を読んでいるときだったけれど、

ふと、あるタイプの小説で、

〈危険に陥った主人公の非常に親しい仲間〉について、

「家族なのだから守って当然だ」という風に、

家族だから守るというモチーフが繰り返されているように思った。


あるいは別の作品を見てみると、

〈家族が自分の窮地に激怒する〉というような、

もちろんそれ自体は当然ではあるのだけれども、

ややテンプレート化された流れがあるように思った。


こうした、一種の「理想の家族」めいたテンプレートが

なろうで一定の価値を持つのだとすれば、

そしてまた、なろうで人気の作品というのが、

読む人の欲望を充たすという点で人気なのだとすれば、

「理想の家族を持ちたい」

「理想の家族として振舞いたい」

というのは、ある程度一般的な欲望なのかもしれないな、

という風に思った次第である。


*

なんでこういう感想を抱いたか、

という点についてだが、

発端は私自身の違和感にある。


改めて考えてみると、

私自身は、薄情かもしれないが(?)、

家族を守りたいという欲望があまりない。


まあもちろん、ひどい親兄弟でもなければ

守ってしかるべき場面は多いと思う。

ただ、私はそこにあまり自己実現

(といってよければ)を見出さない、

ということである。


なんかいまいちピンとこないなあ、

と思って小説を読んでいるときに、

ああ、世間では私の知らない欲望があるのか、

という風に少し実感した次第。

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― 新着の感想 ―
[良い点] 面白い。言われてみれば、という感じです。 なかなかしっかりとしていて鋭い考察だと思います。(^_^)
2018/09/19 12:37 退会済み
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