火炎
キミの声にわずかに響いた
キミの詩が来るべく
青葉よりなお若く安らう
木漏れ日の理と契っては凪ぐ
振るい揺らすは瞬きの声
風前の世に今
キミが醒める
熟れた世界は滅びの時を
失い
キミは隠れ現る
貧しき野に散る微かな花びら
彼方 雲居に光を与える
古き由来は虚無に預けて
嵐を切り裂く
キミの蛍火
遥か 萌え上がるキミは
遠く
まだ言葉もなく
豊かに駆けゆくキミを祈れど
明し闇の中
石たちは置かれる
なおも若く安らうキミを
キミを言祝ぐ夜は待たれた
キミよ 燿宿れキミよ
されば
ただキミを祈る
キミの穂の尾よ
火炎なれ