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小説 読まれない理由 分析 解析  作者: とある執筆者
9/20

登場人物説明って、必要ですか?

 人物紹介と世界観について。


 プロローグ前の数話分を割いて、登場人物紹介と世界観説明の話を書かれている方がそれなりにお見掛けします。

 「必要なのか?」 という疑問と、「読まれているのか?」 という疑問。

 そして「機能しているのか?」という疑問を投げかけたい。


 一話目は特にそうだと思うのですが、読み手に対し小説を読んでもらうための導入であると考えています。

 つまりここでいかに読者を強く引き付け、興味関心を獲得できるか。これがダイレクトにPV数やBM数に反映されてくると考えています。結果として作品全体の評価にも左右してきます。


 当然、一話目が全てではありません。タイトルとあらすじも重要ですし、内容も重要です。

 ただ結論から申し上げますと、「読者を引き付けられないような人物紹介や世界観説明している一話目など消してしまえ!」 と私は言いたいです。



 いきなり極論を書きましたが、小説を書くことで何を求めていますか?


 「書いたという自己満足感だけを求めている」

 「ただのメモとして利用。後日小説として修正することを目的としている」


 上記の二つに該当する方は、この先の内容を読んでも時間の無駄に終わります。この先で書かれている内容は、誰かに読ませる(読んでもらう)ことを目的として書いている方に向けています。



 さて、小説は読んでもらいたいがために書いている。

 作家としてのデビューを狙っている方も、これらに分類されると思います。

 では、再度質問です。小説に抱いている近い感覚はどちらでしょうか。


 「小説は、読んでもらいたい」

 「小説を、読ませたい」


 この質問では、自己満足度の占める割合が判別できるかと思います。

 「読んでもらいたい」が強いのであれば、どういった形でも完結させること。であったり、PV数位しか気にしていないのではないでしょうか。


 「読ませたい」思いが強いのであれば、何をしてでもPVを増やしたく、同時にBMも増やしたい。

 総合評価ptも気になるし、BM解除されるとモチベーションまで一緒に低下する。 

 最終目的としては、書籍化やコミカライズまでを夢見ていたりするのではないでしょうか。

 もしそうなのであれば、(そうでなくても)小説の一話目などに登場人物紹介や世界観説明があるのであれば止めてみませんか? というのも、おそらくそういったページが小説冒頭にあることで、あなたの書く小説の評価や価値を落としてしまっていると思われるからです。


 書籍化などが進み、有名作家が書くような黙っていても読まれる小説であれば例外でしょうが、あなたの小説は(ここを読んでいる時点で)読まれていない方に分類されているはずです。

 しかもその不調の原因自体が良く分からない。自分で読むとこの小説はこんなにも面白いのに……。というのが本音だと思われます。


 小説の第一ページに世界観や登場人物を書かれている方。読者(私含む)視線から見ると、蛇足情報でしかなく読む価値を感じないページである場合がほとんどです。

 執筆者からすれば、様々な構想をしてきている愛着のある登場人物達であったり、世界背景であったりするのでしょうが、読者からすれば断片的な情報が書かれているだけのページであり、そこに描かれているのは全く愛着のない希薄な存在感のキャラクターでしかありません。


 小説として読み進める中で主人公に寄り添い、何かを感じ、困難を乗り越える体験をまだしていません。思い入れも何もなく、ただの文字の羅列と薄っぺらい設定にしか見えません。

 結果、読み飛ばされる or 読み流される or 読むこと自体を中止される。

 大切な第一話目であるにもかかわらず、結果としてはこれらのどれかになるでしょう。


 読者と執筆者では、登場キャラクターに対する愛着に雲泥の差がある事をまずご理解ください。そして、「可憐な少女」や「大人の魅力あふれる女性」などの言葉だけでは、キャラクターの魅力は読者にこの段階ではまず伝わりません。

 小説を読み進める中で読者が様々に展開される場面を体験し、初めて「キャラクター」は「人物」となりえるのだと思います。よって、執筆者視線での人物紹介や世界観説明とは、読者の耳にも心にも届くはずがないと考えています。

 主軸のとする物語の中で繰り広げられるやり取りの中で、キャラクターは初めて実在する人間のように振舞えます。ただの文字の羅列から、人間らしさが芽生えるのだと考えています。


 逆に物語の冒頭で詳細に設定について語るとすると、ただのネタバレにしかなりません。また。長ったらしい説明ともなれば、面倒がって読者には余計に読まれないでしょう。

 結果として最善の選択となるのが、「書かない」となるように感じています。


 書籍の冒頭には人物紹介がイラスト付きであったりしますが、これは紙媒体であるという有効性を活用しているのだと考えます。

 見開きであっても片ページであっても、一目で複数の登場人物と容姿が参照でき、解説文など読まずとも概要はイラストで理解出来てしまいます。

 例)大柄で巨大な剣を持つ男性イラスト。=つよそう。ガサツな性格をしてそう。言葉使いも悪そう。

   純白のドレスを着たヒロイン=可憐。わがまま? 本当はさみしがりや?

   氏名:クリス。 ああ、男キャラなんだな。


 ネット小説の場合では読み飛ばすという選択肢の他に、ブラウザバックという選択肢も存在するので、紙媒体とは特性が大きく異なると思います。つまり、あまりイラストやら何やらを見せるという意味では相性が良くないように感じます。



 さて、ここまで書いてきていますが、今ご自身の小説で人物紹介を書かれている方の多くが、修正しないと思います。

 ですが、一度だけ修正してみるのはいかがでしょうか。一定期間だけ紹介部分を取り下げてみて数値を比較してみるのはどうでしょうか。読まれてなんぼの小説なのであれば、搦め手も使ってみる手もあるとは思います。

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― 新着の感想 ―
[一言] とても興味深く読ませていただいております。 ところで、世界観のページですが、最初の方に持ってくる事で、興味の無い方は目次から飛ばして読みやすくなる効果を狙う……というのはダメでしょうか。 …
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