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小説 読まれない理由 分析 解析  作者: とある執筆者
3/20

小説が飽きる瞬間

 毎度ですが、今回も主観で書かせてもらっています。

 特定の作品を批判するつもりで書いている訳ではありませんので、ご了承ください。


 タイトル通りですが、小説を読んでいて飽きるタイミングはありませんか?

 数百話に及ぶ大作小説であっても、数話完結の短編小説であっても、こういった瞬間は存在します。


 大作で飽きるパターンは、マンネリ化です。

 鬱展開は私的に案外平気なのですが、ワンパターン化してしまったり、冒険が進まずキャラクター描写に専念され始めるとどうしても飽きてしまいます。

 キャラクター描写も物語に深みを持たせる意味で必要でしょうが、冒険要素が無くなってしまうとワクワクし読んでいた楽しさが薄れてしまい結果的に飽きてしまいます。


 短編や連載中の小説で飽きてしまう場合、私の場合いくつかのタイプがあります。

 ①展開が極端に遅すぎる物語

 ②説明が長すぎる物語

 ③登場人物の行動が不自然な物語


 ①平和な街や村の描写から語られ初め、いつまでたっても事件や冒険が始まらない。

 プロローグとして日常の描写や世界観の描写は必要だと思いますが、あまりにも長く書かれてしまうと飽きてしまいます。

 また、日常の平穏な風景描写も物語の伏線の一つとして用い、壊滅した風景との差異を明確に読み手へ伝える手段として活用するのであれば有効だとは思います。

 そうする事で、より悲惨さが強調され、読み手を引き込めるのではないかとも思います。


 ②しっかり考え込まれた世界観を披露したい気持ちは理解できますが、物語の冒頭で異世界の歴史や世界観を語られても理解も出来ず、あまり意味を持たないように感じます。

 登場人物の一覧紹介もそうですが、物語を読む上で知っておくべき前提情報がある時点で、私自身は読む気が削がれてしまいます。


 物語の冒頭の部分では、読み手がある程度理解できていれば良いのではないかと思います。

 この段階では隠されている情報も含め多くの情報や伏線を出しすぎてしまうと、それこそワクワクする要素が少なくなると思います。

 ミステリアスなキャラクター程、魅力的に感じられるものですから。


 ③これをされると、一瞬で興味を失う系の部分です。

 例えば、現代社会で生活していた主人公が、異世界転移していきなり何者かを殺害する。

 これ多分、普通の現代日本人であれば、あり得ないことだと思います。

 魔物や動物という人ならざる者であっても、殺害するという事を今の日本人であればかなり躊躇するはずです。


 動物を屠殺した経験や、それらの現場を見たことはありますか?

 生き物は決して綺麗には死なないものです。それはそれは、死物狂いでの抵抗をします。

 運良く殺害出来たとしても、それは偶然の殺害か、何かを守る為に仕方なくかでしょう。

 どちらにしても「ためらい」は必ずあるものと思われます。


 突然異世界に転移し、殺そうと思って躊躇なく魔物や動物を殺せる現代日本人はおそらくいない筈です。

 ただ、小説内では転移した途端に残忍な性格でないにも関わらず、さほどの躊躇も動揺も見せず剣や銃、もしくは魔法で他者をあっさりと殺しています。

 元々残忍な性格ではない主人公が、です。

 流れる血潮とその匂い。

 垂れ流される排泄物。

 力なく見開かれた目。

 何かを殺すというのは、そんな光景を必ず見て感じて何かを思う筈なのですが、何も感じないように描かれていない場合が多いです。



 例えば、対象が人もしくは亜人ではどうでしょう。

 人間と同じか近い姿形をしており、四肢がありますので抵抗もしますし、表情や言葉もあります。

 死という絶望を宿した対象の視線や表情や悲鳴。

 それら死に行く者が残す全てを、自身の五感で感じながらその命を絶つという行為。

 命を奪うとはそういう事なのですが、今のこういった日本での生活をしている者に、こんなことが出来るものなのでしょうか?

 物語の文中で何かから干渉を受け、驚く程意識が冷酷になれたり、現実に乏しい状況であるのであれば分かりますけれどね……。


 少し蛇足ですが、文明レベルによっては傷の程度により十分致命傷となることが考えられます。

 中世レベルの文明を持つ世界であらば、手術が存在していないので腹部の裂傷は十分な致命傷となり得ます。

 例外として治癒魔法が存在しますが、それ以外の治療法は皆無と言ってもいいでしょう。

 拳銃の銃弾が腹部に命中すれば、貫通しないのでおそらく致命傷です。

 剣での手足切断となった場合でも、応急処置とその後の治療が十分なものを受けられなければ致命傷となりえます。

 抗生物質という薬がない時代なので、一つの傷でも十分に致命傷となりえるのです。



 では、例えば「相手を殺さなければ自分が殺される」そんな追い詰められたシーンもあるでしょう。

 これで襲って来た相手を殺してしまった場合は、かなりの確立でトラウマに悩まされる事となります。

 刃物が肉を引き裂く感覚はいつまでも手に残り、血の匂いは肉を食べようとする度に思い出される筈です。

 夜眠るときには死に逝く際の顔が思い出され、呪いの言葉を話しているようにすら感じられるかも知れません。


 ゲームでの殺害はマウスクリックか、ボタンを押すだけです。

 転移した世界は、現実世界です。

 銃を撃つには銃を構え、狙いを付け、引き金を引く必要があります。

 FPSのゲームで便宜上の仮想着弾点が円形で表示されている場合がありますが、これはベテランの兵士が正しい構えと正しい姿勢で狙いを付けた場合であり、銃の構えも知らない初心者が出来る事なのかと感じてしまいます。

 刀剣類の場合、対象の肉体を破壊するだけの衝撃を与えなければ殺傷は出来ません。

 そして、人体はそれなりに強固であり、頭を簡単にはね飛ばすことは極めて困難なのです。

 例えば江戸時代の処刑方法の一つである打ち首(斬首)でも、首を狙い何度も切りつけようやく頭が胴から離れる程の状況だったとか。



 人としての道を既に外れていた主人公であれば、何の躊躇もなく他者の殺傷ができるのでしょうが、現代日本人は『死』というものを遠ざけて日常生活をしており、そう簡単に死を受け入れられる訳がないと感じます。


 長々と書いて参りましたが、結局これらは私個人の主観でしかありません。

 こうとらえるものは一人は存在している。

 その程度で捉えてください。

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