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小説 読まれない理由 分析 解析  作者: とある執筆者
16/20

あえて第一部分だけを読んでみた結果

 タイトル通りですが、小説の第一部分だけを読んで回ってみました。

 今回はその雑感のようなものになります。

 誤解の無いように言いますが、今回記す内容には執筆者個人や小説が特定出来るような書き方、個人攻撃のダメ出しは一切行っておりません。


 また、本エッセイは『自分の事は棚に上げて』いることが前提です。

 私自身が優れた文章を書ける人間ではありませんから。




 まず始めに読んでいて多く感じたのが、文法間違いが圧倒的に多いということ。

 重ねて言いますが、私自身文法が完璧などてではありませんので、あしからず。


 第一部分といえば、小説全体の中で言えば『つかみ』となる重要な部分であり、必ず読者の目に入る部分。

 店に例えると通りに面した店構えそのものであり、小説の顔にあたる部分です。

 この店の顔が文法間違いで歪んでいたり、悪い印象を与える状態のまま開店している方がかなり多いです。

 例えば、句点『。』の替わりに読点『、』で文章を繋げている方。句点と読点の用い方を再確認するべきでしょう。


 小説独特の文法について、最初から完璧な文法を要求するのは酷です。執筆者自らが気にして、調べ、覚え、その後の修正。それで十分だと私は考えます。

 そこは良いのですが、一般的かつ最低限の文法と読み手のことを考えた文章くらいは書いていただきたいとは思います。また「なろう内だから」とか、「テンプレ転生(転移)ものなんだから」というかなり多くの前提がある設定を用いられて書かれている方もいます。

 これははっきり言って、質の悪い二次創作というレベルの作品に成り下がってしまっています。主人公の思考や発想が「なろう」の影響を受けている様子や、「転生(転移)物語」の世界観を予想するレベルに留めておくべきでしょう。

 私自身が読み手の理解に依存するような書き方をされていたとして、理解できなくはないですが、読み手側の知識に依存する物語などは最初から破綻していると言わざるを得ません。

 自分なりの解釈をして、ご自身の文字で記す。そのことが最低限の執筆活動なのだと思います。例えばある物語(アニメや漫画、小説など)の一部分だけを自分の解釈で物語としたいのであれば、二次創作が禁止されていない。もしくは、推奨されている別サイトで投稿するべきでしょう。



 第一話を読む中でも分かってきましたが、読まれる作品とそうでない作品はやはり多くの違いがありました。

 読まれる作品ほど、第一部分でしっかりとした掴みが完成しています。読み手の興味関心をしっかりと掴み、次話以降に繋げたり作品全体への興味へとつなげられています。

 一方殆ど読まれない作品ほど、第一話で無意味な展開が目立ちます。何も変哲のない日常の一幕であったり、愛着のないキャラクター同士で展開される別れのシーンであったり。考え込まれたであろう歴史を語る場面も見受けられました。

 読み手を引き付けるために変哲のない日常など書く必要もなく、その場面から物語を始める意味がそもそもありません。転移であれば穴に落ちた瞬間からとか、転生であれば走馬灯の瞬間からで良いのではないでしょうか。最善はご自身でお考えください。


 執筆者からすれば死別する感動のシーンなのでしょうが、読み始めたばかりの読み手からすると他人の葬式に近いレベルでどうでも良いシーンになりがちです。

 そこを描くのであれば、その場面前にあったはずの激戦のシーンなどの方が良いのではないでしょうか。死を受入れようとするような静かなシーンは意外と描写が困難で、描写不足(説明不足)になりがちだと感じます。


 星降暦2017年 ヘイセイ共和国とショウワ帝国の戦いは、互いの戦力を消耗しきってその争いを終えた。互いの国土を焦土と化した大戦は、人々の心に多大な闇を残していった。

 星降暦2018年 突如現れた新国家、シンセイ連合は二国間大戦で緩衝地帯となっていた地域に建国し、国家樹立宣言を一方的に行った。

 設定として考え込んでおられるのは理解出来ますが、架空の歴史、空白の出来事は共感されるレベルの物語を作れません。主人公達が苦労し何とか成し遂げた事柄について、後に英雄譚のような歴史として語られることはあると思います。空白の物語で歴史を語ったところで、ただの文字列でしかなく、執筆者の自己満足にしかなりません。

 言い方を変えると、小説読み始めたばかりのこの段階で、こういった歴史・設定・世界背景うんちくを楽しんで読む方はほぼいないでしょう。そういった内容をあえて読みに来たわけではないのですから。




 これについては偏りがあるとは思うのですが……。

 なろう内だけでなく、外部(アルファポリス等)でも掲載している方ほど、読まれていない傾向にありました。

 読まれない>>何とかしたい>>複数のサイトで掲載。このような思考の流れなのでしょうか。読み手層もなろうと他のサイトでは異なるとは思うのですが、そういった手間をかけるのであれば小説としての内容を充実させてみた方が良いのではと感じます。

 事実、詰めの甘い小説が多く、残念な思いに駆られました。

 投稿サイトが違えば劇的に多くの人に読まれる。そんなことは、あり得ません。

 酷なようですが、あなたの小説は読み手を惹きつけられない文章・構成・内容なのです。どこのサイトでも結局は同じ結果にしかならないのです。

 実際読まれたとしても、新規登録者はピックアップとして紹介されていたりすることで一時的に少しアクセスが伸びる程度でしょう。自身の作品を理解し、共感してもらえるような読み手を探している。他のどの作品より楽しい自分の作品に共感してもらう機会を多く求めている。

 自分の作風に合う読み手を探すのではなく、文章力、表現力、構成力、意外性、興味関心を抱かせる。

 自身の能力を向上され、読み手を振り向かせる努力こそが必要であると感じます。一個人が多くの感想を書いているケースもありますが、そういった読み手の方は書き手でもある筈です。つまるところ、傷の舐め合いでしかありません。言い方を変えると、足の引っ張り合いとも言えます。

 そういった方に限り間違いや不備、全体的な文章から感じる問題点などは感じていても指摘しては貰えないでしょう。相手が自分より上に行くことを、望んではおりませんから。



 第一部分はとにかく重要な部分です。

 決して無駄にせず、何度も書き直し、最高の書き出しを見つけてください。誤字程度しか修正せずに書き上げるのも良いですが、様々な模索をした分は自身の糧となり、小説全体の底上げにもなる筈です。

 また自身の書く小説を一番楽しいと感じている人物。それは間違いなくあなた自身です。

 言い方を変えると、読み手の方はあなたほどその小説を面白いとは感じていないのです。どこか二番煎じ的に感じていたり、設定の甘さを感じていたり、表現方法や構成の稚拙さを感じていたり。

 思う存分に書き直ししましょう。その結果、PVやBMが増えたことには喜ぶべきです。

 その一歩一歩が、確実に自分を少し押し上げ、いずれ日の目を見る高みへと続く道となるのかも知れません。


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