小説が読まれない理由
まずこのエッセイは、筆者の主観に基づいてつづられております。
「いや、そうじゃない!」というご意見は、多分にあるかと思います。
そういった方、そういった気持で読もうとされていた方は、どうぞお戻りください。
私自身もこれを書くことで「誰かのヒントになれば」という思いで記しております。
また、記載例というような形で文章を記入する部分もありますが、特定の誰かの小説を批判する目的で記してはおりませんので、キーワードが一致してしまった場合でもそれは完全に偶然です。
まだ、このエッセイでは数値を出して検証をしていますが、その数値が「高いか低いか」はあえて明記していません。
比較する対象とするものによって、この「高いか低いか」という基準が全く異なるからです。
例えば「文字数による評価」としての比較なのか、「連載開始時期」なのか、「書籍化作品との対比」なのか。
ご自身で各小説の数値を算出して、ご判断をお願い致します。
さて、私自身も小説を書いておりますが、多くの小説も読みます。
その中でやはり気になるのが、「自分の小説はどういった位置にいるのか?」ということ。
書籍化出来るレベルなどとは全く思ってもおりませんが、「読者を楽しませることができているのか?」という事はやはり気になるのです。
その中で、この「なろう」内で様々な小説を読む上で、小説毎の傾向として感じたことを記してみました。
なのでこのエッセイに記されていることは、正解ではないと思います。
ただ、このエッセイが誰かの気付きのきっかけとなれれば、記した意味もあるのかなと考えています。
小説のタイプによっても大きく傾向が異なると思います。
今回のエッセイでは、以下の前提条件で小説を分析しています。
ジャンル :「ファンタジー」
文字数 :10万文字~20万文字
作品タイプ:処女作のもの
※処女作品以外の作品は、前作のファンが自動移行してくる可能性が高く、大きく数値が変動してしまうので検証からは除外しています。
対象者 :小説を執筆している方
需要があるのかは全く不明ですが、取りあえず行きます。
まずご自身で記している以下の小説情報を、紙か何かに書きだしてみてください。
総PV数、総ユニークアクセス数、ブックマーク数、総合評価pt、週別ユニークユーザ数、小説文字数
週別ユニークユーザー数は、小説を読もうのトップから自身の小説名で検索をすれば確認できます。
まず、これは多くの方のエッセイでも記載されていますが、総PV÷総ユニークを計算してみてください。
例) 総PV10,000 ÷ 総ユニーク3333 = 3.0
細かい事は省略しますが、1読者があなたの小説に目を留め、どれ位読み進めたかというものを推し量る数値です。
星の数ほどある作品の中からあなたの作品を選び、小説を読んだ実績がこの数値になります。
この「3.0」という数値を「注目値」とします。
この数値のお話しますと、1読者が平均して3話読み進めている。
基本的にこの数値が高い=読者をひきつける魅力溢れる作品。
こう言えるのではないでしょうか。
もう一つの数値を算出してみます。
総ユニーク÷ブックマークを計算した数値です。
読みに来た読者の内、何人に一人がブックマースしているかを推し量る数値です。
例)総ユニーク8,000 ÷ ブックマーク50 = 160.0
例の「160.0」という数値を「ブックマーク率」とします。
160人の読者の内1人がブックマークする作品であるということ。
要するに、1ユニークからブックマークされる確立が0.625%の作品であるということです。
二つの数値が揃いました。
「注目値」と「ブックマーク率」の二つを見て、分析していきます。
◆両方とも高い数値
おそらく作品としての完成度も高く、今後多くの人に読まれていく作品だと思います。
現時点では満足いく数値でなかったとしても、多くの人は作品を認め、読んでくれると思います。
◆「注目値」はそれなりだが「ブックマーク率」が極端に低い
あなたの作品は、タイトルやあらすじで多くの読者をひきこむ事に成功している筈です。
次話投稿すると、それなりのPV数が伸びる作品なのではないでしょうか。
ただ、多くの人から「続きを読みたい」と思われない=ブックマーク率の低さに繋がっているのかも知れません。
ただこれは、小説が面白くないと決めつける理由にはならないと考えています。
序盤の書き出しや展開だけで飽きられてしまっている。
こういった理由も考えられるのです。
ご自身の小説が、以下の内容にあてはまっていないでしょうか。
・小説の冒頭が世界背景や主人公の肩書という解説から始まっている。
・独立ページでの登場キャラクター紹介から始まっている。
・1話~3話では、ありふれた日常風景しか登場せず、事件や事故など普通ではありえない事が起こらない。
・専門用語や固有名詞が多く出過ぎていて、読者への説明がなにもない。
※国名、多くの人物名など
・セリフの前に発言キャラの名前があり、小説というより台本になってしまっている。
タイトルや世界背景に期待して読みに来た読者に対して、キャラクターを覚えさせる部分から始まる小説。
奇抜な展開、爽快な展開を求めている読者に対し、平和な日々の描写が続く。
読み手の期待を悪い意味で裏切る形になっていませんでしょうか。
タイトルのある内容の展開が物語の終盤であるのであれば、先にその主要箇所を描写し読者を惹きつけるのも一つの手段だと思います。
◆「注目値」が低いが「ブックマーク率」は高い
あなたの作品は、タイトルやあらすじで損をしているのかも知れません。
一般的でない難読漢字や言葉を使ったタイトルであったり、インパクトに欠けるタイトルではありませんか。
あらすじもあらすじになっておらず、状況説明となってしまっていませんでしょうか。
あらすじは一般的に「乞うご期待!」のような書き方ではなく、例えば敵を打ち倒すまでの長い道のりについてを短縮して語る形で良いと思います。
例)
タイトル ≪魔王が勇者を殺さない理由≫
あらすじ
勇者は苦しむ人々を救うため、魔王打倒の旅に出る。
仲間の死や、周囲からの期待という重圧に押しつぶされそうになりながらも、奥歯を噛み締め一歩も下がらず前に進み続けた勇者。
立ちはだかる魔王軍の参謀達を何とか退け、魔王と対峙した勇者は驚愕の事実を知る事になる。
「魔王よ!なぜ俺にそんな事を言う!お前は悪の魔王だろう!!」
勇者と魔王。相反する力同士は、何処へ向かうのか。
主人公の立場説明は簡潔に済ませ、その後の大きな展開にスポットを当てると読み進めようという気持ちになりやすいのではないでしょうか。
またこれは私的意見ですが、親切心で書いているであろう各種解説は、感情移入を妨げる場合が多いと感じます。
特殊な世界設定であっても、読者に対しては作品内で説明するべきかと思います。
それで読者を置いて行ってしまうのであれば、今はまだ背伸びをし過ぎているのかも知れません。
例えば、現代日本であればある程度の常識的表現で通用しますが、文明が進んだ未来であればあらゆる物が見た事のないもので困難な描写も多くなると思います。
◆どちらの数値も低い
様々な部分を見直してみるのはいかがでしょうか。
おそらく、「話が面白くない」訳ではなく、表現したい情景が読み手に上手く伝わっていないのかもしれません。
会話ばかりの小説になっていませんか?
話の終着点までの道のりは出来ていますか?
キャラクターの設定は、決まっていますか?
基本を外れた小説でも、ヒット作は存在はします。
ですが、それらの作品は「基本を踏まえた上で書かれた作品」であることをお忘れなきように。
一般的な文法、小説的な文法、言葉の語尾、句読点の位置。
作品の世界感や展開がどうかではなく、読まれない問題は他にあるのかも知れません。
他作品との違いや、多くの評価された作品を読んでみる。
そんな事もあなたの作品に影響を与えてくれるはずです。
勝手なことばかり書いてきておりますが、本エッセイは需要が無ければ削除致します。
誰かの役に立てれば。というのが前提なので、当然と言えば当然です。
需要があるのであれば、別内容のエッセイも考えます。
偉そうな事を言える立場の人間ではないにもかかわらず、上から目線の発言と乱文にて大変失礼致しました。