夜のターン
こっそり村を抜け出した恋人たちが、木の下にやってきました。
K「まさか、あんな事になるなんて、ビックリですね」
Q「どこが追放されても大丈夫だったのか……謎」
K「あの矢が、狼に当たっているといいんですが」
Q「……コッチに飛んでこなくて、良かった……」
K「本当ですね。それじゃあ、また明日。この木の下で会いましょう」
Q「待って!! その別れ方は……ダメ」
K「えっ? 一体、何がいけないんですか?」
Q「セリフが……死亡フラグ……」
K「あぁ。約束をすると、もう会えない的な? ……意外と、そういう事を気にするんですね。心配してくれて、ありがとうございます。それじゃあ、いつも通りの挨拶に変えますね。おやすみなさい」
Q「……おやすみなさい……」
***
一方、狼たちは洞穴の中で襲撃の相談をしています。
A「狼に被害が出なくてラッキーでしたね」
B「今夜は誰を襲う?」
C「昨日は僕が選びましたので、今日は他の方にお任せします」
???「まさか、お前がミィを襲ったのかっ⁉」
狼たちの集合場所に、大剣を背負った少年が乗り込んできました。
A「夜のターンなのに、どうして村人が出歩いているんですか?」
B「いや、あの大剣は、騎士だけが扱えるウルフキラーだ」
C「騎士には他の村人を守る役目があるので、移動できるんですよ。……でも、なんで、こんな所に来ちゃったんですか?」
???「俺はなぁ、これ以上、村の仲間がやられるわけにはいかないと思って、お前|(狼C)を守っていたんだよ。そしたら村を抜け出したから、こっそり後をつけてきたんだ」
A「あらら。狼を守ってしまったんですね」
B「まぁ、そういう事もあるんだが……今回のルールで、ついて来たのは失敗だったな。ちょうどいいから、コイツをやっちまうか」
C「あちゃ~。仕方ありませんね」
???「うおおお。正義は勝つ! 負けるもんか」
騎士はウルフキラーを振り回しましたが、狼たちには当たりません。
A「残念ですが、ルールには勝てませんよ。騎士には、直接、狼を退治する権利はありませんから」
B「ガブッと丸のみにしてやろう」
C「……」
1匹の狼が巨大な口を開けると、
???「ギャアアアァ!」
洞穴の中に、誰かの絶叫がこだましました。
A「……さて。この死体役の少年をどうしましょうか?」
B「どうもこうも村に届けておくしかないだろう」
C「いえ。ちょっと待って下さい。僕に考えがあります」
狼たちは、少年を放置したまま村に帰っていきました……。




