3日目
朝が来ると、村から2つの果実が消えていました。
いなくなっていたのは……スイカとアップルです。
……悪魔は、頭突きをすればスイカが割れることを知っていましたが、中身が飛び散った後、顔や頭を洗うのが面倒だったので、ゴロゴロ転がしながら、元の場所に戻しておきました。
次に真っ赤なリンゴを手に取ると、とってもいい香りがしましたが、知り合いの魔女がいつも毒を混ぜているので、食べたら死んでしまうと思い、棚に戻しておきました。
『ターン1』
ピーチ「私……アップル、占った」
マンゴー「それじゃあ、もしかして呪殺が成功したのかな」
ストロベリー「リンゴちゃんは、スイカさんのために危険な交換占いを了承しちゃったってこと? 超おバカw」
メロン「違います! アップルさんは、恋する乙女だったのです。愚弄することは許しません!」
ブルーベリー「アップルは、ただのドジだろう。あ~あ。スイカ君がいなくなってしまったら、この村はどうなるのかねぇ」
チェリー「どうやら英雄さんの運命も、ココまでのようね」
オレンジ「狼はやっぱり共有者を狙っていたのか。お弁当がいてくれて助かったぁ」
『ターン2』
ピーチ「……」
マンゴー「さて、今日はどうすればいいのかな? 一応、メロンちゃんの意見を聞いてみる?」
ストロベリー「最後の言葉くらい聞いてあげましょうよ~。どうせ今夜には食べられちゃうと思いますしね~。プププw」
メロン「わ、私は狼の恐怖になんて負けませんよ。ええと……ええと……そうです。今日、追放すべきなのは、グレーの果実です! というわけで、マンゴーさんか、チェリーさんにしましょう」
ブルーベリー「スイカの意見をパクっただけか。まぁ、異論は無いが」
チェリー「では、そろそろ私が霊媒師だと名乗り出ようかしら」
オレンジ「おぉ。そうだったのか! ちなみに占い結果だけど、僕のピーチちゃんは、白だったよ」
『ターン3』
ピーチ「……」
マンゴー「ちょっと待って! 私が本物の霊媒師なんだけど」
ストロベリー「ウププw 2人とも、命乞いの霊媒発言。メロンちゃん、どうするの~?」
メロン「お2人とも、重要な役職だったんですか⁉ どうしましょう。困りましたね。一体、ドチラを追放すればいいのか……」
ブルーベリー「今回は、なりすましている人数が多いから、両方、追放すればいいんじゃないか?」
チェリー「ココでローラー作戦を提案するの? まぁ仕方ないけど、とりあえず、今までの霊媒結果は全員『白』だったわ。メロンちゃん。少しでも有益な情報が欲しければ、私を後で追放した方が賢いわよ」
オレンジ「もしかして、狼はまだ2匹とも残っているのかな」
『ターン4』
ピーチ「……」
マンゴー「確かに霊媒結果は全員『白』だったけど……メロン。チェリーさんを信じるのは絶対にダメよ。私を残して」
ストロベリー「どっちも追放されちゃうのに、必死すぎるぅw」
メロン「う~ん。どちらも狼ではないかもしれませんし、どちらも狼の可能性もありますし……。分かりました。どうせ2人とも追放しますので、後から名乗り出たマンゴーさんにしましょう」
ブルーベリー「異議無し」
チェリー「さすがメロンちゃん。頼りになるわぁ」
オレンジ「うぅむ。スイカさんがいなくなってから、村に狼の気配が蔓延っているような気がするんだけど……気のせいかな?」
意見がまとまったので、投票に移ります。
『投票結果』
マンゴーがチェリーに投票しましたが、それ以外の果実がマンゴーに投票したため、彼女が追放されました。
マンゴー「なんで私を追放しちゃうかな」
『悪魔のターン』
悪魔は、村から弾き出された果実を手に取りましたが、
悪魔「なんだコレ?」
食べ方がよく分からなかったので、ジロジロ眺めた後、棚に戻しておきました。
『夜のターン』
狼たちはニヤニヤ相談しながら、獲物に襲い掛かります。
狼「アオーン、アオ~ン」
???「……⁉」
狼の襲撃が終わりましたが、なかなか電気がつかず、朝のターンになりません。
その晩、八百屋の中には『ジュルジュル、チュパチュパ』という恐ろしい音が響き続け、村にいる果実たちは、未知なる怪物の気配に震えあがりました。




