2日目
次の日になると、床の上に紫色の丸い粒が散乱していました。
まぁ大変。これでは売り物になりませんが……悪魔は拾った果実を透明なパッケージの中に押し込んで、ブドウの形が崩れたことをごまかしました。
『ターン1』
バナナ「あらら。襲われたのは、スイカさんじゃなかったみたい」
ピーチ「……騎士、警戒。……狼たち、賢い……」
マンゴー「ピーチさんも喋れるんだ。てっきり、本物そっくりの食玩かと思ってたよ」
ストロベリー「桃の実は、ちょっとぶつかっただけでも茶色くなっちゃいますしね~w アタシたちは、とっても繊細な果物界のアイドルなんですぅ」
メロン「えっ? 誰か私をアイドルだと褒めましたか? 違いますよ。今はまだ、ただの英雄です。キリッ(目を輝かせて決めポーズ)」
スイカ「あ、頭が痛い。腹も痛い。頼む、誰か共有者の役割を代わってくれ。俺は英雄になんてなりたくない」
アップル「ごめんなさい。無理です……」
ブルーベリー「今のは、本気のゴメンナサイだな」
チェリー「わざわざ分析しなくても、それくらい誰でも分かるから。……スイカ君。きっと、もう少しの辛抱だから、頑張ってぇ」
オレンジ「それはやっぱり、狼に食べられてしまうってことなのかな。ゴクリ」
『ターン2』
バナナ「今日も、共有者さんに追放する人を決めてもらいますか?」
ピーチ「……」
マンゴー「あちゃ~。早くも疑問形になっちゃったか」
ストロベリー「お2人が有能ならいいんですけどねぇw」
メロン「なんですか? 村長からの信頼100%、絶対的村人である私たちに従えない方は、強制的に追放ですよ」
スイカ「メロン。それは職権乱用だ。そして、独裁者は必ずクーデターに遭うと決まっている。……はぁ。昨日は何人も俺の指示に逆らって投票していたし、こんな反逆者ばかりの村でやっていく自信なんてねぇよ。どうせ共有者の意見に従う気がないのなら、占い師を呼ぶしかないだろうな。悪いが出てきてくれないか」
アップル「はい。私が占い師です。占い結果ですが……ストロベリーさんが白でした」
ブルーベリー「ほう。迷わず名乗り出たか」
チェリー「ねぇ。どうして占ったのか、理由も知りたいんだけど」
オレンジ「それでは、僕も占い師なのでお答えしましょう! クールなブルーベリーを占ってみたけど、白だったよ」
『ターン3』
バナナ「クールだから占ったの? 微妙に、理由になっていないような気がするんだけど。まぁ、オレンジではアレが限界かな」
ピーチ「私も……占い師。ストロベリーが白。理由……投票の時、怪しまれていたから」
マンゴー「へぇ。意外に攻めてくるわね。3人目の占い師? でも、言ってることが全部、アップルちゃんとカブっているんだけど」
ストロベリー「アタシは天性のアイドルだから、やっぱり気になっちゃう? 狼じゃなくて、ごめんねぇ。でも本当に白だから、選んでくれた2人の占い師は、信用してもいいと思うよ~w」
メロン「ストロベリーさん。私より目立たないように気をつけて下さい。それに、本物の占い師は1人のはずですよ」
スイカ「くだらん言い争いをするな。とりあえず、3人の占い師と、白出しされた者を残して、それ以外の果実に投票すべきだと思うが……はぁ。どうせ俺の意見なんて聞いてくれないだろうから、後は好きにしてくれ」
アップル「あらら。どうしましょう。スイカさんがイジケちゃいました」
ブルーベリー「放っておけ。……と言いたい所だが、我々には他にも考えなければいけない問題がある。この村には、狼でも村人でもない第3陣営の『妖狐』が混じっているからな」
チェリー「『ネコマタ』も下手に扱えば被害が拡大するし、厄介よねぇ。スイカ君。私たちには、まだアナタの力が必要みたい」
オレンジ「ついでに今夜は誰を占うべきかも教えて欲しいなぁ」
『ターン4』
バナナ「うわぁ。共有者って、なんだか大変そう」
ピーチ「私は……占う相手、自分で決める」
マンゴー「まぁ相手を指定しちゃうと、狼に襲われちゃう可能性もあるし、ピーチちゃんのやり方もいいんじゃない?」
ストロベリー「ウププw アタシってば、頭もイイから閃いちゃった。3人も占い師がいるなら、キツネか狼が紛れているかもしれないしぃ、み~んなまとめて追放しちゃおうよ~w」
メロン「なっ。私だって妖狐対策くらい考えられますから、口を出さないで下さい。そのローラー作戦には、3日もかかってしまうので却下です!」
スイカ「本当に考えられるのか? こういう場合は、占い師同士で占わせるのがいいと思うが……はたして3人が素直に言う事を聞いてくれるかどうか」
アップル「分かりました。私はオレンジさんを占いますから、スイカさん。そんなに拗ねないで下さい」
ブルーベリー「アップルは共有者に蜜を与えて、権力に取り入るつもりかもな。……何はともあれ、妖狐を呪殺できればいいんだが」
チェリー「まだ追放者が決まっていないけど、どうするのよ」
オレンジ「僕は今夜、ピーチさんを占えばいいのかぁ。これはもしや、運命だったりして……」
『ターン5』
バナナ「一応、言っておくけど、私を追放する意味は無いと思うよ」
ピーチ「……」
マンゴー「……」
ストロベリー「アタシは誰が追放されても構わないかな~w」
メロン「妖狐さん。覚悟して下さい。今夜がアナタの命日です!(ビシッと決めポーズ)」
スイカ「やめろぉぉぉ。そういう発言をして外すと、死ぬほど恥ずかしいから。それと、俺の意見を尊重してくれる奴がいたら、微妙な発言をしたバナナに投票して欲しい」
アップル「私はスイカさんの意見に従います(ポッ)」
ブルーベリー「特に異論は無い」
チェリー「今日はバナナさんを追放すればいいのね?」
オレンジ「今夜は誰が狼に襲われるのかなぁ。メロンちゃんか、スイカ君か……。でも、占い師も狙われるとしたら、僕も危ないってこと⁉ ヤバイな。ターゲットが分散しすぎて、騎士にも期待できないし」
制限時間の5ターンが過ぎましたので、投票に移ります。
『投票結果』
バナナは、残りの追放候補の中からチェリーを選んで投票しました。
ピーチは、ライバルの占い師であるオレンジに投票しました。
しかし、他の果実たちの票が集まったバナナが追放されることになりました。
バナナ「私はただの村人だから出来ることは何もないし……後は任せたよ」
1本だけ、もがれて参加していたバナナは房に戻ろうとしましたが、どう頑張ってもくっつきません。
バナナ「やだ。戻れない。どうしよう」
『悪魔のターン』
悪魔は1本くらいなら食べても分からないだろうと思い、バナナを食べてしまいました。
『夜のターン』
狼たちはジックリ相談を重ねた後、狙いを定めます。
狼「アオーン、アオ~ン」
???「くっ……やはり現れたか!」