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むかしむかしの和風乙ゲー
「さぁ、お選びください」
デジャブでしょうか?
お団子屋さんを離れ訪れた宿屋にて・・・
またもや聞き慣れた台詞を吐く真にうんざりした。
今日1日あらゆる面で選択を迫られた。
それと共に図ったように現れる攻略対象にお前ら面識ない割に仲良しですね。
と心の中で突っ込んだものだ。
そして今、何故か奴らと被った宿屋にて風呂の選択を余儀なくされている。
いや、女湯一択で結構。
なんてものではなく流石は街1番のサービスを誇る宿屋。
風呂の種類も数多あった。
代表的な物で
一般的な風呂から露天風呂、岩盤浴、砂風呂。
何故かオール混浴で個々を見渡せば・・・いる。
奴らがいるのである。
選ばなければならないのだろうか?
突入しなければならないのだろうか?
ゲームでは白熱したものだが現実となると話は別である。
絶対に嫌なのだ。
乙ゲーの様な駆け引きや蹴落とし蹴落とされる誰かが不幸になる結末。
身分違いの恋に溺れる愚鈍な感じにきっといつか気付き呆れてしまう。
「真、選べないよ。気付いてるんでしょ?」