水深ゼロメートル
水深は呼吸をやめた
それは肺ではなく
記憶だった
ひとつずつ
光が剥がれていく
目を閉じる度に残るのは
見たことのない原始的風景
もがく
という動詞から
主語が消える
(わたしではなかったのか?)
手の形が
昨日とちがう
水が骨の順番を
変えてしまったから
名前を呼ぶ
光の
けれどそれは
魚のように
舌をすりぬけていく
まぶたの裏に
残像がひとつ
きみの声のようなもの
あるいは言葉のようなもの
呼吸をやめた
泡に紛れて
浮かぶ光
詩がはじまる
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