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この作品には 〔ボーイズラブ要素〕が含まれています。
苦手な方はご注意ください。

陰キャ×陰キャ=陽キャは成立する?(いや、しない!)

 僕たちは人間たちが分類するところの陰キャに値するらしい。その定義としては休み時間は教室の端っこで本を読む()()をしたり寝る()()をしたり。


 まあどちらも当てはまっている。


 いや、うん。


 たしかに必要条件(←ここ重要!)を満たしているとは言えるケド。


 十分性が担保されないから僕たちは陰キャじゃないかもしれない。


 だから僕と友人の田端でそれを証明したいと思う。


 まず、僕かつ田端が陰キャだと仮定しよう。この仮定が間違っていたら、組み合わせとしては


(僕、田端)=(陰、陽),(陽、陰),(陽、陽)


 のどれかだから、少なくともどちらかが陽キャだと分かるワケだ。もしかしたら両方陽キャかもしれないネ(希望的観測)


 すると、マイナス×マイナス=プラスだから、


 陰キャ×陰キャ=陽キャ


 よって仮定が正しければ僕たちが一緒にいたら陽キャとして認識されるみたいだ。さて検証してみるか。


 day1

 よく陽キャたちは騒いでるイメージがあるから、僕たちもセットで休み時間に騒いでみた。

 静かな人たちがうるさい人たちに変貌したとみなされた。


 day2

 よく陽キャたちはカラオケに行っているのを見かける。

 僕たちもラノベに費やせたはずの1000円を払って3時間くらい居座ってみた。

 最初こそ歌ったものの途中からすることがなくなった。

 僕たちはお互いを見つめあった。

 虚しくなっただけだった。


 day3

 アイスだ。放課後にアイスを食べて帰るのは青春を感じる。

 早速実践することにした。

 僕は先日のカラオケ作戦で全財産をなくしたので田端の金でカリカリくんを買った。

 一緒に食べた。

 冬だから冷たいだけだった。

 その日僕はお腹を壊した。


 day4

 そうだ女だ!

 僕たちは肝心なことを忘れていた。陽キャと言えば恋人が居そうだ。

 でも僕たちはセットじゃなきゃ意味がない。

 だから二人で早速現在フリーの女の子を放課後の屋上に呼び出して、二人で告白した。

「え……えーっとさ、その……三人で?」

 そーですが☆

 女の子は僕たちを交互に見ながらドン引きしてた。

 僕たちは頷いた。

 女の子は形相を変えて屋上から逃げてった。


 day5

 この日も僕たちはめげなかった。

 やり方を変えたのだ。

 田端が先に告白して僕がその間に入る。女の奪い合いになった僕たちは3人で付き合うことになる。

 カンペキだ。

 当日。計画通り田端は昨日とは違う女の子と告白し、僕はその間に入って同様に告白した。

 じゃあ3人で解決策を練ろうとなる――――はずだった。

 女の子はごめんなさいと言った。

 僕たちはあっけなくフラれた。


 day6

 部活に入ることにした。

 田端と相談しあった結果、バスケ部に入部することに。

 まず学校の周りを先輩と走った。

 ボールには触らせてもらえなかった。

 そして走った。

 さらに走った。

 結局僕たちはコンビニに行くふりをして先輩と別れた。

 のちに帰宅した。


 day7

 部活は怖くて行けなかった。

 あと4日目に告白した女の子がどんな勘違いをしたのか、教室に入るたびにそういう目で見られるようになった。

 もう何も怖くなかった。


 ――――――

 結局、仮定の誤りを判断するのが僕たちであれば主観的な根拠となり信憑性に欠けるという観点から、この命題の真偽は保留にした。

 ただ僕たちが真実を受け入れるのが怖かったからなのかもしれない。


 まあ何はともあれ僕たちはこの7日間の行為と引き換えに揺るがない(社会的)精神力を手に入れた。あと告白失敗組の僕たちが余りもの同士付き合ってる件について一応本人に確認することに。だってもし、仮に田端が僕のことを好きなら……いやこれは期待じゃない。あーくまでも統計的可能性の話!そう、もしもの、は・な・し!


「僕たち、付き合っちゃう?」

「むり」




「「…………」」





 んだよ。

こじらせるとこういう思考になるよ(絶対ならない)という筆者からの教科書的なメッセージ。

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